グローバルなレベルでは、新技術があらゆる地域で人間開発の道具となるかどうかを最終的に決定するのは、慈善ではなく政策だ。 出典:UNDP『人間開発報告書2001-新技術と人間開発』 我々は、情報へのアクセスと知識の共有及び創造が、経済、社会、文化的発展の強化に大きく貢献するものであり、すべての国におけるミレニアム開発目標をはじめとする国際的に合意された開発目標の達成を助けることを認識する。 ![]() インターネット映像システムを通じて父親との会話を行い笑顔のブータンの子供 <ODAメールマガジンより> 情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)の発達は、情報伝達の費用と時間を劇的に低下させ、遠隔地とのコミュニケーションや経済活動の効率化等を可能にするなど社会経済や人々の生活に多大な影響を及ぼしました。その一方で、ICTの便益を享受できない人々も存在します。国際社会は、ICTを利用可能な人や地域とそうでない人や地域との間にある情報格差(デジタル・デバイド)の問題に対処するとともに、ICTを用いて開発途上国における貧困削減や持続的成長、人々の政治参加や政府の情報公開の促進等といった参加型の開発に貢献しています。 2000年に国連で採択されたミレニアム開発目標でも、目標8「開発のためのグローバルなパートナーシップの推進」の中で「民間セクターと協力し、特に情報・通信における新技術による利益が得られるようにする」ことが定められました。 ICT分野の協力は、機材等のハード面やそれを使いこなす人材育成といったソフト面への協力にとどまらず、遠隔教育や統計・観測など様々な分野においても活用されています。 (1)世界情報社会サミット(WSIS:2003年12月、2005年11月) 情報通信分野で初めての国連サミット(World Summit on the Information Society: WSIS)が、2003年12月にジュネーブ、2005年11月にチュニスにおいて開催されました。ジュネーブでの第1フェーズでは、人間中心、包含的(inclusive)で成長指向の情報社会形成に向けた基本宣言及び行動計画が採択され、チュニスでの第2フェーズでは第一フェーズで採択された基本宣言・行動計画がチュニス・コミットメント及びチュニス・アジェンダで再確認されたとともに、これらを具体化すべく開発のためのICTに必要な資金メカニズムやインターネット管理の在り方、今後のフォローアップの進め方について具体的な検討が行われました。 現在は国連経済社会理事会(ECOSOC)、及びECOSOCの機能委員会の一つである開発のための科学技術委員会(CSTD)がサミットでの宣言等のフォローアップを行っています。また、インターネット管理に関する課題について議論を行うインターネット・ガバナンスフォーラムの第一回会合が2006年11月にアテネにおいて国連主催で開催され、今後毎年1回行われる予定です。
写真出典:外務省「ミレニアム開発目標MDGs」ハンドブック |
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