報道発表

スリランカほか9か国に対する国連世界食糧計画を通じた無償資金協力(食糧援助)に関する書簡の交換

平成27年10月9日

1 10月8日(現地時間同日),イタリアの首都ローマにおいて,我が方梅本和義駐イタリア大使と先方ラミロ・ロペス・ダ・シルバ国連世界食糧計画(WFP)事務局次長(Mr. Ramiro Lopes Da Silva, Assistant Executive Director,the United Nations World Food Programme)との間で,スリランカ,イエメン,ギニアビサウ,ジブチ,セネガル,チャド,中央アフリカ,マリ,南スーダン及びレソトに対するWFPを通じた食糧援助として,総額28億9,000万円の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。

食糧援助の供与対象国(カッコ内は供与額)

(1)スリランカ(2億4,000万円)
(2)イエメン(5億7,000万円)
(3)ギニアビサウ(2億円)
(4)ジブチ(2億3,000万円)
(5)セネガル(2億6,000万円)
(6)チャド(3億7,000万円)
(7)中央アフリカ(2億5,000万円)
(8)マリ(4億7,000万円)
(9)南スーダン(1億2,000万円)
(10)レソト(1億8,000万円)

(注)このうち,スリランカ,ギニアビサウ及びセネガルに対しては,東日本大震災の被災地産加工品(魚缶詰)を供与します。

2 各国事情

(1)スリランカは,約24万人が食糧援助を必要とし,子供と女性の約4分の1が栄養失調の状態にあります。また,頻発する自然災害が,特に低所得層の食糧と栄養に悪影響を与えています。

(2)イエメンは,2015年3月に紛争が激化して以降,食糧援助を必要とする国民が約1,290万人に急増し,そのうち610万人が非常に厳しい食糧不足の状況にあります。

(3)ギニアビサウは,国内情勢が不安定であり,基礎的生活分野に多大な問題を抱えています。また,近年の食糧価格の高騰及び農作物の収穫量の減少が国民の食糧及び収入に悪影響を及ぼしています。

(4)ジブチは,近年の大規模かつ深刻な干ばつなどの影響を受け,多くの家計が貧困に陥っており,また隣国から大量の難民が押し寄せ同国経済を圧迫しています。

(5)セネガルの食糧事情は,国内全体で全急性栄養不良の割合が約10%と注意すべきレベルとなっています。

(6)チャドは,限られた資源と厳しい自然環境により国民の生活環境が劣悪であることから,約240万人が食糧不足の状況にあります。

(7)中央アフリカは,治安悪化に陥り,国民の栄養状態の悪化が懸念されています。人口の半分以上に相当する約280万人が深刻な食糧不足の状況にあるとされています。

(8)マリは,北部の非政府組織集団による内戦が2015年5月に平和合意され,和平プロセスが進行しているものの,いまだ貧困及び栄養失調の状況が継続しています。

(9)南スーダンは,人口1,130万人のうち460万人が慢性的な食糧不足に直面しており,全10州のうち5州が食糧安全保障の観点で緊急対応が必要と位置付けられています。

(10)レソトは,農業の生産性が低く,不安定な天候が農業に与えるリスクは甚大であり,これらの影響によって慢性的な食糧不足となっています。

3 今回の協力は,このような状況の中,WFPから我が国に対し食糧援助の要請があり,我が国は,これらの国々が食糧不足に直面している状況に鑑み,飢餓の軽減,栄養状態の改善等を目的として食糧援助を実施するものです。 また,スリランカ,ギニアビサウ及びセネガルについては,東日本大震災の被災地産加工品(魚缶詰)が,これらの国々の食糧不足の緩和につながることが期待されます。


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