平成30年8月27日

一般事情
1 面積
197,161平方キロメートル(日本の約半分)
2 人口
1,541万人(2016年,世銀)
3 首都
ダカール(Dakar)
4 民族
ウォロフ,プル,セレール等
5 言語
フランス語(公用語),ウォロフ語など各民族語
6 宗教
イスラム教95%,キリスト教5%,伝統的宗教
7 国祭日
4月4日(独立記念日)
8 略史
年月 | 略史 |
---|---|
9世紀 | テクルール王国 |
13-16世紀 | ジョロフ王国 |
15世紀 | ポルトガル人来航 |
1783年 | フランスへの帰属 |
1960年4月 | フランスより独立 |
1963年 | 大統領選挙,サンゴール大統領選出 |
1981年1月 | サンゴール大統領引退により,デュフ首相,大統領に就任 |
2000年3月 | 大統領選挙,ワッド大統領選出 |
2007年2月 | 大統領選挙,ワッド大統領再選 |
2012年2月,3月 | 大統領選挙,サル大統領選出 |
2012年4月 | サル大統領就任式 |
2012年7月 | 国民議会選挙実施 |
2017年7月 | 国民議会選挙実施 |
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
マッキー・サル(Macky SALL)大統領(任期7年)
3 議会
一院制(国民議会(150議席))
4 政府
- (1)首相
- マハメド・ブン・アブダラー・ジョヌ(Mahammed Boun Abdallah DIONNE)
- (2)外相
- シディキ・カバ(Sidiki KABA)
5 内政
アフリカを代表する文学者でもあったサンゴール初代大統領は親フランスの穏健左派として国家の建設を進め,1976年に複数政党制を取り入れるなど,今日の民主的なセネガルの基礎を築いた。また,後のフランコフォニー国際機関(OIF)となるフランス語圏文化・技術協力機関(ACCT)を1970年に推進した。1981年1月に就任したデュフ大統領は前政権の基本路線を踏襲する姿勢を見せつつも,政党数の制限撤廃,政治結社の自由など一連の民主化政策を推進した。しかしながら,与党に対する国民からの支持が徐々に低下したため,2000年3月の大統領選挙においては,ワッド・セネガル民主党(PDS)党首がデュフ大統領を破り,サンゴール大統領より約40年続いたセネガル社会党(PSS)(元セネガル進歩同盟(UPS))の長期政権に終止符が打たれた。2期続いたワッド政権は国営企業の整理・民営化,大規模なインフラ整備,農業政策を推進しつつ,「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」の打ち上げと推進に尽力した。
2012年2月及び3月の大統領選挙では,ワッド政権時代に首相を務めた共和国同盟(APR)のサル候補が大統領に当選,前回選挙に続いて平和裡・民主的な政権交代が実現し,国際社会から高い評価を得た。サル大統領は政治の透明化や地方分権化政策を打ち出し,社会格差是正および地方経済活性化を目指している。また,1980年代よりカザマンス地方の分離独立運動が活発化し現在も不安定な状況が続いているカザマンスについては,サル大統領はカザマンス民主勢力運動(MFDC)の代表団との和平交渉に取り組むほか,同地域の経済の活性化を推進するなど,長年の課題解決に向けて取り組んでいる。
外交・国防
1 外交基本方針
穏健な現実路線外交を基本としており,旧宗主国のフランスをはじめ多くの欧米諸国と友好関係を築いている。また,イスラム諸国会議機構(OIC)の定期会合の議長国を務めるなど,イスラム圏との経済的パートナーシップの強化にも努めている。
また,独立以来一度も政情不安定・クーデターを経験していない地域の安定勢力として,アフリカ連合(AU),西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)にも積極的に関与しており,サル大統領は「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」の議長を務めている。そのほか,マリや中央アフリカにおける国連PKOミッションへの派遣やブルキナファソ,ギニアビサウなど近隣諸国情勢の仲介役としてアフリカの安定化に尽力している。さらに,国連パレスチナ委員会議長国を務めるほか,2014年12月にカバ法相が初のアフリカ人として国際刑事裁判所(ICC)締約国会議議長に選出されるなど,国際社会の平和と安定に積極的に貢献している。加えて,同年10月には国連安保理非常任理事国に選出された(任期2016年-2017年)。
そのほか,中国との関係では,1996年に中国にかわって台湾を承認したが,2005年10月,中国との外交関係を回復。なお,2011年には,イランとの外交を断絶したが,2013年2月に国交回復を発表。
2 軍事力(2017年)
- (1)予算
- 2億5,600万ドル
- (2)兵役
- あり(2年間,選抜徴兵制)
- (3)兵力
- 13,600人(陸軍11,900,海軍950,空軍750)
経済
1 主要産業
農業(落花生,粟,綿花),漁業(まぐろ,かつお,えび,たこ)
2 GDP
147.7億米ドル(2016年,世銀)
3 一人当たりGNI
950米ドル(2016年,世銀)
4 経済成長率
6.6%(2016年,世銀)
5 物価上昇率
0.8%(2016年,世銀)
6 失業率
9.5%(2016年,ILO推計)
7 総貿易額(2016年,ITC)
- (1)輸出
- 26.4億ドル
- (2)輸入
- 54.78億ドル
8 主要貿易品目(2016年,ITC)
- (1)輸出
- 魚介類,金,石油製品
- (2)輸入
- 石油製品,機械類,穀物,医薬品
9 主要貿易相手国(2016年,OECD)
- (1)輸出
- マリ,スイス,インド,コートジボワール,ギニア
- (2)輸入
- フランス,中国,インド,ナイジェリア,オランダ
10 通貨
CFAフラン
11 為替レート
1ユーロ=655.957CFAフラン(固定レート)
12 経済概況
セネガル経済は,主要産品である落花生産業の低迷などにより1970年代末から財政赤字,国際収支赤字,対外債務問題が恒常化し,停滞していたが,セネガル政府は,1994年にCFAフラン切り下げ,国営企業民営化,労働法改正,輸入価格自由化などの様々な構造改革を断行した。1995年以降は,経済は成長基調に乗り,概ね5パーセント以上の経済成長率を遂げてきた。とりわけGDPの3分の2を占める第三次産業において,商業分野や物流・通信分野が発展を遂げている。また,金,チタン,リン鉱石などの鉱物資源の開発分野の成長も期待されている。一方で,貧富の差の拡大や青年層の失業問題などの課題も多い。
サル政権は2035年までの新興国入りを目標に開発戦略を定めた「セネガル新興計画(PSE)」を策定し,2017年までにGDP成長率7%に引き上げるほか,2014年から2023年までの10年間の開発戦略として「経済構造の変革,成長」,「人的資本,社会保障,持続的発展」及び「ガバナンス,制度,平和,安全」を3本柱に掲げて,経済成長の分野の多様化,民間セクター振興を図っている。
経済協力
1 日本の援助実績(単位:億円)
- (1)有償資金協力(2016年度まで,E/N(交換公文)ベース)514.23(債務免除除く)
- (2)無償資金協力(2016年度まで,E/Nベース)1,139.48
- (3)技術協力実績(2016年度まで,JICAベース)491.06
2 主要援助国(2015年)(百万ドル,支出純額)(OECD/DAC)
- (1)米国(268.66)
- (2)フランス(130.24)
- (3)カナダ(57.81)
- (4)日本(37.62)
- (5)ルクセンブルク(20.25)
二国間関係
1 政治関係
1960年10月4日,日本はセネガルを承認。1962年1月に我が方大使館設置。1975年9月,セネガルは在京大使館開設。両国関係は従来から良好で,要人往来も活発。
2 経済関係
- (1)対日貿易
- (ア)貿易額(2016年:財務省貿易統計)
- 対日輸出 8億3,951万円
- 対日輸入 59億4,311万円
- (イ)主要品目
- 輸出 いか・たこ,機械類
- 輸入 人造繊維,原動機,自動車
- (2)進出日本企業(2017年12月現在)
- 15社
3 文化関係
- (1)文化無償協力の他,セネガルでは,俳句普及活動を始めとして,日本文化の紹介事業を行い,セネガルより報道関係者,文化人を招待している。
- (2)定期的に開催されている日本大使杯の柔道大会を通じて,日本・セネガル間のスポーツ・文化交流が活発に行われている。
4 在留邦人数
227人(2017年10月現在)
5 在日セネガル人数
673人(2017年12月現在)
6 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
2000年4月 | 有馬前文部大臣(UNESCO主催会議) |
2000年9月 | 石破農林水産政務次官 |
2001年2月 | 浦部内閣官房副長官補(総理大臣特使) |
2002年1月 | 山口泰明衆議院議員(総理大臣特使) |
2004年5月 | 緒方JICA理事長 |
2004年8月 | 桜井新参議院議員,長浜博行衆議院議員,能勢和子衆議院議員,高橋千秋参議院議員(国際人口問題議員懇訪問国) |
2004年8月 | 村田吉隆衆議院議員,北村誠吾衆議院議員(日・AU友好議連) |
2005年1月 | 小野寺外務大臣政務官 |
2006年7月 | 田村公平参議院議員,松下新平参議院議員,山内俊夫参議院議員(参議院ODA調査団訪問国) |
2006年8月 | 伊藤外務大臣政務官 |
2007年12月 | 宇野外務大臣政務官 |
2008年9月 | 西村外務大臣政務官(アフリカ貿易・投資促進ミッション(中・西部ミッション)団長) |
2011年1月 | 菊田外務大臣政務官 |
2011年5月 | 松本外務大臣,高橋外務副大臣(第3回TICAD閣僚級フォローアップ会合) |
2013年12月 | 鈴木俊一衆議院議員(外務委員長) |
2014年7月 | 東郷哲也衆議院議員 |
2015年3月 | 宇都外務大臣政務官 |
2015年11月 | 濵地外務大臣政務官(第2回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム) |
2016年9月 | 三原朝彦衆議院議員,山際大志郎衆議院議員,牧原秀樹衆議院議員 |
2016年12月 | 武井外務大臣政務官(第3回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム) |
2017年11月 | 佐藤外務副大臣(第4回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム) |
2018年1月 | 牧野国交副大臣(官民インフラ会議) 三原朝彦衆議院議員 |
2018年8月 | 奥野総務副大臣 |
年月 | 要人名 |
---|---|
2001年12月 | ガッジョ外相,ディオップ経済・財政相(TICAD閣僚レベル会合) |
2002年9月 | ワッド大統領(立ち寄り) |
2003年2月 | プイユ中小企業・商業相(WTO非公式会合) |
2003年3月 | サール・エネルギー・水相,シー農業相(世界水フォーラム) |
2003年5月 | ワッド大統領(公式実務賓客) |
2003年9月 | ワッド大統領(TICAD III) |
2005年4月 | ディアーニュ環境・自然保護相(愛・地球博) |
2008年5月 | ワッド大統領,ディオップ経済・財政相(TICAD IV) |
2008年7月 | ワッド大統領(北海道洞爺湖サミット) |
2010年10月 | カ環境・自然保護滞水地・人造湖相(COP10) |
2011年6月 | ファダ保健・予防相(MDGsフォローアップ会合) |
2012年10月 | カヌ財務相(IMF・世銀総会) |
2013年6月 | サル大統領,ンジャイ外相(TICAD V) |
2015年8月 | ゲイ漁業・海洋経済大臣(ジャパン・インターナショナル・シーフードショー) |
2016年8月 | ンジャイ外務・在外セネガル人相(外務省賓客) |
2017年9月 | セイ大統領府外交顧問・大使(戦略的実務者招へい) |
2017年12月 | サル大統領(UHCフォーラム2017) |
7 二国間条約・取極
- 貿易取極(1976年11月2日)
- 青年海外協力隊派遣取極(1979年4月18日)
- 漁業協定(1991年10月14日)
- 技術協力協定(2011年5月1日)