セネガル共和国

基礎データ

令和6年4月12日
セネガル共和国国旗

一般事情

1 面積

197,161平方キロメートル(日本の約半分)

2 人口

1,732万人(2022年、世銀)

3 首都

ダカール(Dakar

4 民族

ウォロフ、プル、セレール等

5 言語

フランス語(公用語)、ウォロフ語など各民族語

6 宗教

イスラム教、キリスト教、伝統的宗教

7 国祭日

4月4日(独立記念日)

8 略史

年月 略史
9世紀 テクルール王国
13~16世紀 ジョロフ王国
15世紀 ポルトガル人来航
1783年 フランスへの帰属
1960年4月 フランスより独立
1963年 大統領選挙、サンゴール大統領選出
1981年1月 サンゴール大統領引退により、デュフ首相、大統領に就任
2000年3月 大統領選挙、ワッド大統領選出
2007年2月 大統領選挙、ワッド大統領再選
2012年2月、3月 大統領選挙、サル大統領選出
2012年4月 サル大統領就任式
2012年7月 国民議会選挙実施
2017年7月 国民議会選挙実施
2019年2月 大統領選挙、サル大統領再選
2019年4月 サル大統領就任式
2022年7月 国民議会選挙実施
2024年3月 大統領選挙、ファイ大統領選出
2024年4月 ファイ大統領就任式

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

バシル・ジョマイ・ファイBassirou Diomaye FAYE)大統領(任期5年)

3 議会

一院制(国民議会(165議席))

4 政府

(1)首相
ウスマン・ソンコOusmane SONKO
(2)外相
ヤシン・ファルYacine FALL

5 内政

 アフリカを代表する文学者でもあったサンゴール初代大統領は親フランスの穏健左派として国家の建設を進め、1976年に複数政党制を取り入れるなど、今日の民主的なセネガルの基礎を築いた。また、後のフランコフォニー国際機関(OIF)となるフランス語圏文化・技術協力機関(ACCT)を1970年に推進した。1981年1月に就任したデュフ大統領は前政権の基本路線を踏襲する姿勢を見せつつも、政党数の制限撤廃、政治結社の自由など一連の民主化政策を推進した。しかしながら、与党に対する国民からの支持が徐々に低下したため、2000年3月の大統領選挙においては、ワッド・セネガル民主党(PDS)党首がデュフ大統領を破り、サンゴール大統領より約40年続いたセネガル社会党(PSS)(元セネガル進歩同盟(UPS))の長期政権に終止符が打たれた。2期続いたワッド政権は国営企業の整理・民営化、大規模なインフラ整備、農業政策を推進しつつ、「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」の打ち上げと推進に尽力した。
 2012年2月及び3月の大統領選挙では、ワッド政権時代に首相を務めた共和国同盟(APR)のサル候補が大統領に当選、前回選挙に続いて平和裡・民主的な政権交代が実現し、国際社会から高い評価を得た。その後、2019年の大統領選挙でも再選した。12年間の任期中、サル大統領は政治の透明化や地方分権化政策を打ち出し、社会格差是正及び地方経済活性化に取り組んだ。また、1980年代よりカザマンス地方の分離独立運動が活発化し現在も不安定な状況が続いているカザマンスについても、サル大統領はカザマンス民主勢力運動(MFDC)の代表団との和平交渉に取り組むほか、同地域の経済の活性化を推進するなど、長年の課題解決に務めた。2024年3月の大統領選挙では、有力野党出身のバシル・ジョマイ・ファイ候補が大統領に当選。直前で選挙延期なども発生したものの、投票自体は大きな混乱なく平和裡に実施され、独立以来三度目の民主的な政権交替が実現。国際社会からも高い評価を得た。

外交・国防

1 外交基本方針

 穏健な現実路線外交を基本としており、旧宗主国のフランスを始め多くの欧米諸国と友好関係を築いている。また、イスラム諸国会議機構(OIC)の加盟国であり、イスラム圏との経済的パートナーシップの強化にも努めている。
 また、独立以来一度も政情不安定・クーデターを経験していない地域の安定勢力として、アフリカ連合(AU)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)にも積極的に関与しており、サル大統領(当時)は「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」の議長を2013年から2020年2月まで、また、AU議長を2022年に務めた。そのほか、マリや中央アフリカにおける国連PKOミッションへの要員派遣やブルキナファソ、ギニアビサウなど近隣諸国情勢の仲介役としてアフリカの安定化に尽力している。さらに、2014年12月にはカバ法相(当時)がアフリカ人として初の国際刑事裁判所(ICC)締約国会議議長に選出されたほか、2016年~2017年には国連安保理非常任理事国を務め、国際社会の平和と安定に積極的に貢献している。
 そのほか、中国との関係では、1996年に中国にかわって台湾を承認したが、2005年10月、中国との外交関係を回復。なお、2011年には、イランとの外交を断絶したが、2013年2月に国交回復を発表。

2 軍事力(2023年版ミリタリーバランス)

(1)予算
4.23億米ドル(2022年)
(2)兵役
あり(2年間、選抜徴兵制)
(3)兵力
13,600人(陸軍11,900、海軍950、空軍750)

経済

1 主要産業

農業(落花生、粟、綿花)、漁業(まぐろ、かつお、えび、たこ)

2 GDP

276.8億米ドル(2022年、世銀)

3 一人当たりGDP

1,598.7米ドル(2022年、世銀)

4 経済成長率

4.2%(2022年、世銀)

5 物価上昇率

9.7%(2022年、世銀)

6 失業率

3.4%(2022年、ILO推計)

7 総貿易額(2022年、ITC)

(1)輸出
57.2億ドル
(2)輸入
121.3億ドル

8 主要貿易品目(2022年、ITC)

(1)輸出
鉱物燃料・石油製品、天然又は養殖パール、貴石又は半貴石、魚介類
(2)輸入
鉱物燃料・石油製品、穀物、原子炉・ボイラー・機械器具、鉄鋼製品

9 主要貿易相手国(2022年、ITC)

(1)輸出
マリ、インド、スイス、中国
(2)輸入
中国、フランス、インド、EU

10 通貨

CFAフラン

11 為替レート

1ユーロ=655.957CFAフラン(固定レート)

12 経済概況

 セネガル経済は、主要産品である落花生産業の低迷などにより1970年代末から財政赤字、国際収支赤字、対外債務問題が恒常化し、停滞していたが、セネガル政府は、1994年にCFAフラン切り下げ、国営企業民営化、労働法改正、輸入価格自由化などの様々な構造改革を断行した。1995年以降は、経済は成長基調に乗り、概ね5パーセント以上の経済成長率を遂げてきた。とりわけGDPの3分の2を占める第三次産業において、商業分野や物流・通信分野が発展を遂げている。また、金、チタン、リン鉱石などの鉱物資源、さらにはモーリタニア沖合の石油・ガス油田の開発分野の成長も期待されている。一方で、貧富の差の拡大や青年層の失業問題などの課題も多い。
 サル前政権は2035年までの新興国入りを目標に開発戦略を定めた「セネガル新興計画(PSE)」を策定し、2014年から2023年までの10年間の開発戦略として「経済構造の変革、成長」、「人的資本、社会保障、持続的発展」及び「ガバナンス、制度、平和、安全」を3本柱に掲げて、経済成長の分野の多様化、民間セクター振興を図った。

経済協力

1 日本の援助実績(単位:億円)

  • (1)有償資金協力(2021年度まで、借款契約ベース)585.92(債務免除除く)
  • (2)無償資金協力(2021年度まで、交換公文(E/N)ベース)1,259.52
  • (3)技術協力実績(2021年度まで、JICAベース)587.00

2 主要援助国(2020年)(百万ドル、支出純額)(OECD/DAC)

  • (1)フランス(327.02)
  • (2)ドイツ(171.38)
  • (3)米国(162.19)
  • (4)カナダ(51.66)
  • (5)日本(40.14)

二国間関係

1 政治関係

 1960年10月4日、日本はセネガルを承認。1962年1月に我が方大使館設置。1975年9月、セネガルは在京大使館開設。2020年に外交関係樹立60周年を迎えた両国関係は従来から良好で、要人往来も活発。

2 経済関係

(1)対日貿易
(ア)貿易額(2022年:財務省貿易統計)
対日輸出 41.2億円
対日輸入 103.3億円
(イ)主要品目
対日輸出 金属鉱、魚介類等
対日輸入 合成繊維、鉄鋼、機械類等
(2)進出日本企業(2022年10月現在)
26社

3 文化関係

  • (1)文化無償協力の他、セネガルにおける俳句普及活動を始めとして、日本文化の紹介事業を行っている。
  • (2)定期的に開催されている日本大使杯の柔道大会を通じて、日本・セネガル間のスポーツ・文化交流が活発に行われている。

4 在留邦人数

168人(2022年10月現在)

5 在日セネガル人数

958人(2022年12月現在)

6 要人往来

(1)往(2000年以降)
年月 要人名
2000年4月 有馬前文部大臣(UNESCO主催会議)
2000年9月 石破農林水産政務次官
2001年2月 浦部内閣官房副長官補(総理大臣特使)
2002年1月 山口泰明衆議院議員(総理大臣特使)
2004年5月 緒方JICA理事長
2004年8月 桜井新参議院議員、長浜博行衆議院議員、能勢和子衆議院議員、高橋千秋参議院議員(国際人口問題議員懇訪問国)
2004年8月 村田吉隆衆議院議員、北村誠吾衆議院議員(日・AU友好議連)
2005年1月 小野寺外務大臣政務官
2006年7月 田村公平参議院議員、松下新平参議院議員、山内俊夫参議院議員(参議院ODA調査団訪問国)
2006年8月 伊藤外務大臣政務官
2007年12月 宇野外務大臣政務官
2008年9月 西村外務大臣政務官(アフリカ貿易・投資促進ミッション(中・西部ミッション)団長)
2011年1月 菊田外務大臣政務官
2011年5月 松本外務大臣、高橋外務副大臣(第3回TICAD閣僚級フォローアップ会合)
2013年12月 鈴木俊一衆議院議員(外務委員長)
2014年7月 東郷哲也衆議院議員
2015年3月 宇都外務大臣政務官
2015年11月 濵地外務大臣政務官(第2回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム)
2016年9月 三原朝彦衆議院議員、山際大志郎衆議院議員、牧原秀樹衆議院議員
2016年12月 武井外務大臣政務官(第3回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム)
2017年11月 佐藤外務副大臣(第4回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム)
2018年1月 牧野国交副大臣(官民インフラ会議)
三原朝彦衆議院議員
2018年8月 奥野総務副大臣
2018年11月 佐藤外務副大臣(第5回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム)
2019年1月 山田外務大臣政務官(第3回アフリカ新興国国際会議)
2019年4月 北村誠吾衆議院議員(大統領就任式への総理特使)
2019年11月 中谷真一外務大臣政務官(第6回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム)
2020年2月 中谷真一外務大臣政務官(アフリカ貿易・投資促進官民合同ミッション)
2021年1月 茂木外務大臣
2022年10月 山田賢司外務副大臣(第8回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム)
2023年11月 堀井巌外務副大臣(第9回アフリカの平和と安全に関するダカール国際フォーラム)
(2)来(2000年以降)
年月 要人名
2001年12月 ガッジョ外相、ディオップ経済・財政相(TICAD閣僚レベル会合)
2002年9月 ワッド大統領(立ち寄り)
2003年2月 プイユ中小企業・商業相(WTO非公式会合)
2003年3月 サル・エネルギー・水相、シー農業相(世界水フォーラム)
2003年5月 ワッド大統領(公式実務賓客)
2003年9月 ワッド大統領(TICAD III)
2005年4月 ディアーニュ環境・自然保護相(愛・地球博)
2008年5月 ワッド大統領、ディオップ経済・財政相(TICAD IV)
2008年7月 ワッド大統領(北海道洞爺湖サミット)
2010年10月 カ環境・自然保護滞水地・人造湖相(COP10)
2011年6月 ファダ保健・予防相(MDGsフォローアップ会合)
2012年10月 カヌ財務相(IMF・世銀総会)
2013年6月 サル大統領、ンジャイ外相(TICAD V)
2015年8月 ゲイ漁業・海洋経済相(ジャパン・インターナショナル・シーフードショー)
2016年8月 ンジャイ外務・在外セネガル人相(外務省賓客)
2017年9月 セイ大統領府外交顧問・大使(戦略的実務者招へい)
2017年12月 サル大統領(UHCフォーラム2017)
2018年10月 カバ外務・在外セネガル人相(TICAD閣僚会合)
2019年5月 バルデ農業・農村施設相(G20農業大臣会合)
2019年6月 ジャロ財政・予算相(G20財務大臣・中央銀行総裁会議)
2019年6月 ジョップ・デジタル経済・電信相(G20貿易・デジタル経済大臣会合)
2019年6月 サル大統領、ホットゥ経済・計画・協力相、サール保健・社会活動相(G20大阪サミット)
2019年8月 サル大統領、バ外相、ホットゥ経済・計画・協力相、アン高等教育・研究・イノベーション相、ファイ地方開発・社会国土公平相、バルデ農業・農村施設相(TICAD7)
2019年8月 チャム水・衛生相(教育のためのグローバル・パートナーシップ(GPE)会合)
2019年9月 シイ労働・社会対話・職業組織・機関関係相(G20労働雇用大臣会合)
2019年10月 ホットゥ経済・計画・協力相(即位礼正殿の儀)
2019年11月 バ外相(G20外務大臣会合)
2022年11月 ジョップ・セネガル共和国大統領特別顧問(大臣)兼サンジャラ市長
2022年12月 サル大統領、タル外相、サール経済・計画・協力相(実務訪問賓客)
2024年1月 ドゥドゥ・カ経済・計画・協力相(閣僚級招へい)

7 二国間条約・取極

  • 貿易取極(1976年11月2日)
  • 青年海外協力隊派遣取極(1979年4月18日)
  • 漁業協定(1991年10月14日)
  • 技術協力協定(2011年5月1日)
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