日本の安全保障と国際社会の平和と安定

令和5年4月5日

我が国の基本的考え方

 近年、グローバルなパワーの重心が、我が国が位置するインド太平洋地域に移る形で、国際社会は急速に変化し続けています。
 国際社会においては、経済発展、技術革新、人的交流、新たな文化の創出等の多くの機会と恩恵がもたらされています。しかし、同時に、米国や、G7等の国際的な枠組みが、国際社会におけるリスクを管理し、自由で開かれた国際秩序を維持・発展させることは、ますます難しくなってきています。国際社会全体の意思を具現すべき国連では、対立が目立ち、その機能が十分に果たせていません。これは、普遍的価値やそれに基づく政治・経済体制を共有しない国家が勢力を拡大し、国際社会におけるリスクが顕在化していることが大きな要因であると考えています。具体的には、他国の国益を減ずる形で自国の国益を増大させることも排除しない一部の国家が、軍事的・非軍事的な力を通じて、自国の勢力を拡大し、一方的な現状変更を試み、国際秩序に挑戦する動きを加速させています。このような動きが、軍事、外交、経済、技術等の幅広い分野での国家間の競争や対立を先鋭化させ、国際秩序の根幹を揺るがしています。その結果、現在の国際的な安全保障 環境は、国家間の関係や利害がモザイクのように入り組む、複雑で厳しいものとなっています。経済力、技術力、情報力など、我が国の総合的な国力をその手段として有機的かつ効率的に用いて、戦略的なアプローチを実施していきます。

日本の安全保障と国際社会の平和と安定へ戻る