中華人民共和国

平成31年4月14日
第5回日中ハイレベル経済対話の開催1
第5回日中ハイレベル経済対話の開催2
第5回日中ハイレベル経済対話の開催3

 本4月14日,北京において,午後4時から約3時間40分,第5回日中ハイレベル経済対話が開催されたところ,概要以下のとおり。

1 概要

(1)日中ハイレベル経済対話は,2006年10月の安倍総理大臣訪中の際,日中両首脳の間で創設に合意したもので,これまでに4回開催。今次第5回対話においては,昨年の第4回対話と同様,日本側は河野外務大臣,中国側は王毅(おう・き)国務委員兼外交部長が議長を務め,双方から複数の経済関係閣僚が出席した。

(2)今次対話では,本年のあり得べき習近平国家主席訪日も見据え,(ア)マクロ経済政策等,(イ)二国間経済協力及び交流,(ウ)日中ハイレベル経済対話の下での重要な協力(日中第三国市場協力や日中イノベーション協力対話),(エ)地域・世界経済及び地球規模課題への対応等について幅広く意見交換を行った。

(参考)主な出席者

日本側出席者河野外務大臣(日本側議長),𠮷川農水大臣,世耕経産大臣,石井国交大臣,原田環境大臣,片山内閣府特命担当大臣(地方創生),田中内閣府副大臣(金融,経済財政政策),伊佐財務大臣政務官,和泉総理補佐官 他
中国側出席者王毅(おう・き)国務委員兼外交部長(中国側議長),鐘山(しょう・ざん)商務部長,苗圩(びょう・う)工業信息化部長,李幹傑(り・かんけつ)生態環境部長,韓長賦(かん・ちょうふ)農業農村部長,張勇(ちょう・ゆう)発展改革委員会副主任 他
 

2 各論

(1)マクロ経済政策等

 日中双方のマクロ経済政策や財政政策,経済情勢等につき説明するとともに,緊密な二国間経済関係の現状や経済分野での協力を推進していくことの重要性,さらにはWTOを始めとする多角的自由貿易体制や地域協力の重要性等につき意見交換を行った。

(2)二国間経済協力及び交流

 国際ルール・慣行に則った貿易・投資の推進やビジネス環境改善の重要性につき議論を行う中で,強制技術移転,知的財産権保護,データの取扱い,産業補助金等の構造的な問題について日本側の問題意識を伝達した。また,日本産食品等に対する輸入規制の撤廃・緩和について要請するとともに,日本産牛肉等の中国への輸出解禁に向けた重要なステップとなる,動物衛生及び検疫協定の実質合意を歓迎し,同協定の早期締結に向けて連携していくことを確認した。
 さらに,人民元クリアリング銀行への邦銀の早期指定・証券市場協力等の日中金融協力の更なる強化,日中社会保障協定の早期発効に向けた連携,省エネ・環境分野での協力強化,観光交流の促進等につき,日中で認識を共有した。

(3)日中ハイレベル経済対話の下での重要な協力

 第三国市場協力に関し,昨年10月に署名された日中民間企業・団体間の52件の協力覚書のフォローアップを含め,「日中民間ビジネスの第三国展開推進に関する委員会」及び「日中第三国市場協力フォーラム別ウィンドウで開く」等の機会を活用し,国際スタンダードに合致し,第三国の利益となる企業間の協力の具体化を引き続き進めていくことになった。
 また,第1回日中イノベーション協力対話の開催を歓迎し,マーケット創造につながる標準の整備,スマートシティ・スーパーシティに係る国際連携の在り方や,イノベーション協力の環境整備として重要な知的財産分野での具体的な進展や課題等につき議論を継続していくことを確認した。

(4)地域・世界経済及び地球規模課題への対応

 G20大阪サミットの成功,RCEPの年内妥結日中韓FTAの交渉加速化,WTO改革の前進等に向けた連携,産業補助金・過剰生産能力問題の解決の重要性,地球規模課題(気候変動,海洋ごみ,生物多様性等)の解決や開発分野における対話の実施に向けた連携などについて意見交換を行った。

3 次回会合

 日中双方は,双方の都合のつく適当な時期に,日本で,第6回日中ハイレベル経済対話を開催することで一致した。

[参考]日中ハイレベル経済対話(概要)

2006年10月の安倍総理大臣訪中の際,日中両首脳の間で,戦略的互恵関係の視点に立ち,経済分野での問題解決や協力促進につき大所高所から議論する経済閣僚間の定期的対話の場として「日中ハイレベル経済対話」の創設に合意。2007年4月,温家宝(おん・かほう)総理訪日の一行事として日中双方の総理臨席の下,立ち上げ会合を東京で開催


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