日本の国際テロ対策協力

国連及びG8におけるグローバルなテロ対策協力

平成29年9月19日

1 テロ対策に関する国連(安全保障理事会)の動き

  • (ア)同時多発テロ翌日の2001年9月12日、右テロ攻撃を非難する安保理決議第1368号が採択されました。同月28日には、国連加盟国に対し、金融面を含む包括的な措置の実施を義務づけるとともに、国連テロ対策委員会(CTC)の設置等を規定した安保理決議第1373号(PDF)別ウィンドウで開くが採択されました。我が国は、この安保理決議第1373号を着実に実施してきています。2004年10月8日には、CTCの活性化や、国際協力の一層の強化を図る安保理決議第1566号が採択され、さらに2005年9月14日には、テロの扇動行為の禁止等に関する安保理決議1624号(PDF)別ウィンドウで開くが採択されました。
  • (イ)2006年5月2日、アナン国連事務総長は国連総会第78回本会議において「テロリズムに対抗して団結する:グローバルなテロ対策戦略に向けた勧告」を発表しました。同勧告を受け、国連統合非公式協議における議論を経て、同年9月8日、国連総会第99回本会議において「国連グローバル・テロ対策戦略に関する総会決議」が採択されました。
  • (ウ)2014年9月24日、ISIL(「イラクとレバントのイスラム国」)を始めとする武装組織に各国から多数の外国人テロ戦闘員が加勢し、国際秩序に対する重大な脅威となっていることを踏まえ、安保理決議第2178号(英文)(PDF)別ウィンドウで開くが採択されました。本決議は、かかる問題の脅威に国際社会が包括的に取り組むため、テロ対策に関する既存の安保理決議(第1373号等)で規定されている各加盟国の義務(出入国管理、テロ資金対策、暴力的過激主義対策等)を再確認しているほか、各加盟国が新たに取り組むべき諸措置につき規定しています。
  • (エ)2014年12月19日,「テロリストの活動に起因する国際の平和と安全に対する脅威」についての国連安保理ハイ・レベル公開討議が開催されました。同討議では,テロへの資金供給源となっている可能性の高い国際組織犯罪やマネーローンダリング等への対応を含め幅広く,関連する既存の国際法的枠組みを活用するなどして,各国,関連国際機関が協力してテロ防止に取り組むこと等を求める安保理決議第2195号が,全会一致で採択されました。
  • (オ)2015年2月12日,国連安保理は,ロシアのイニシアティブの下,我が国を含む55か国の共同提案に基づき,全ての加盟国に対して,ISILによる石油や文化財の密売等による資金の獲得を防止すること等を内容とする決議第2199号を全会一致で採択しました。
  • (カ)2015年12月17日,国連安保理は,米国,ロシア,日本等約50か国の共同提案に基づき,全ての加盟国に対し,特にISILのテロ資金(石油・文化財・身代金等)対策に主眼を置いた取り組みの強化を求める決議第2253号を全会一致で採択しました。
  • (キ)2016年9月22日,国連安保理は,英国,米国,日本等37か国の共同提案に基づき,全ての加盟国に対し,民間航空に対するテロの脅威に対処するための取組の強化を求める決議案2309号を全会一致で採択しました。
  • (ク)2016年10月14日,我が国を含む72か国は,共同声明「暴力的過激主義防止に関する国連のグローバル・リーダーシップのための原則を発表しました。
  • (ケ)2016年12月12日,国連安保理は,スペイン,米国,英国,日本等51か国の共同提案に基づき,全ての加盟国に対し,テロとの闘いにおける司法協力の強化を求める決議第2322号を全会一致で採択しました。
  • (コ)2017年2月13日,国連安保理は,ウクライナ,米国,英国,仏,独,伊,加,スウェーデン,日本等46か国の共同提案に基づき,全ての加盟国に対し,テロ攻撃からの重要インフラ施設の防護に関する決議第2341号を全会一致で採択しました。

2 テロ対策に関するG8/G7サミットの宣言

 2001年9月19日、G8首脳共同声明が発出され、同時多発テロを強く非難するとともにテロ防止関連条約の批准を強く要請し、G8の外務、財務、司法その他の閣僚に対してテロ対策強化のための具体策を策定するよう指示しました。

 その後、サミット各種プロセスでフォローアップがなされ、2002年6月12~13日のG8外相会合では、専門家グループが取りまとめた「テロ対策に関するG8の勧告(全文骨子)」への支持を表明し、また、「テロ対策に関する進捗状況報告」が発出されました。同月26~27日に開催されたG8首脳会議(カナナスキス・サミット)においては、「交通保安に関するG8協調行動」、「大量破壊兵器及び物質の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップ」が採択されました。

 また、2003年6月1~3日に開催されたエビアン・サミットにおいても、開発途上国に対するテロ対策支援の調整等を目的とする「テロ対策行動グループ(CTAG)」の設立等を盛り込んだ「テロと闘うための国際的な政治的意思及び能力の向上:G8行動計画(全文骨子)」や「交通保安及び携帯式地対空ミサイル(MANPADS)の管理強化:G8行動計画(全文骨子)」を採択しました。我が国は、米国と共にこれらのテロ対策関連文書の採択に主導的な役割を果たしています。

 2004年6月8~10日に開催されたシーアイランド・サミットにおいては、「安全かつ容易な海外渡航イニシアティブ(Secure and Facilitated International Travel Initiative(SAFTI))(全文)」が採択され、交通保安分野におけるテロ対策が進められています。

 2005年7月6日~8日に開催されたグレンイーグルズサミットにおいては、「テロ対策に関するG8首脳声明」を採択しました。

 2006年7月15日~17日に開催されたサンクトペテルブルグ・サミットにおいては、直前の7月11日にインドにおいてテロ事件が発生したことを受け、「G8、ブラジル、中国、インド、メキシコ及び南アフリカの首脳、独立国家共同体国家元首会議議長、アフリカ連合議長並びに国際機関の長による声明」を発表すると共に、国連のテロ対策等の強化、重要エネルギー・インフラ設備に対するテロ等への対処に関する協力の強化、官民協力の重要性やテロリストの勧誘等に対処するための戦略の策定等を内容とする「テロ対策に関するG8首脳宣言」、及びテロ対策関連で国連に焦点を当てた初めてのG8首脳文書である「国連のテロ対策プログラムの強化に関するG8首脳声明」を採択しました。

 2007年6月6日~8日に開催されたハイリゲンダム・サミットにおいては、IT技術、重要エネルギー施設、交通保安関連対策をはじめ、テロリストによる過激化の扇動・勧誘への対処、現金の密輸への対処及びアフガニスタン・パキスタン国境地帯への経済支援等を盛り込んだ「テロ対策に関するG8首脳声明-グローバル化時代の安全保障」並びに「国連のテロ対策の取組に対するG8の支援に関する報告」を採択しました。

 2008年7月7日~9日に開催された北海道洞爺湖サミットにおいては、国連との連携強化、キャパシティ・ビルディング支援の重要性、多様化するテロへの対応をはじめ、過激化対策やテロ資金対策、アフガニスタン・パキスタン国境への取組強化等を盛り込んだ「テロ対策に関するG8首脳声明」及び「G8国際テロ及び国際組織犯罪の専門家からG8首脳への報告書(PDF)別ウィンドウで開く」を採択しました。

 2009年7月8日~10日に開催されたラクイラ・サミットにおいては、情報共有とテロ対策能力向上支援の分野における協力の重要性、テロリストの移動や資金調達の阻止についての国際的な制裁の実施の強化、テロリズムと国際組織犯罪の結び付きへの懸念等を盛り込んだ「テロ対策に関するG8首脳宣言(PDF)別ウィンドウで開く」を採択しました。

 2010年6月25日~26日に開催されたムスコカ・サミットにおいては、交通保安、国境保安、核及び放射能テロの防止、テロ資金対策、暴力的過激主義対策の強化やアフガニスタン、パキスタン等へのテロ対処能力向上支援の強化等を盛り込んだ「テロ対策に関するG8首脳声明(PDF)別ウィンドウで開く」を採択しました。

 2011年5月25日~26日に開催されたドーヴィル・サミットにおいては、新たに立ち上げられるグローバル・テロ対策フォーラムにおける国際的連携への期待、テロ対策において国連が引き続き果たすべき中心的な役割の強調等を盛り込んだ首脳宣言「自由及び民主主義のための新たなコミットメント」を採択しました。

 2012年5月18日~19日に開催されたキャンプ・デービッド・サミットにおいては,サヘル地域における身代金目的の誘拐を含むテロ資金対策及びテロ組織や犯罪ネットワークへの支援根絶に対する努力の強化,「一匹狼」テロや暴力的な過激主義を含むテロ及び犯罪の脅威への対処等を盛り込んだ首脳宣言「キャンプ・デービッド宣言」を採択しました。

 2013年6月17日~18日に開催されたロック・アーン・サミットにおいては,テロのリスクを減少させるため協働すること,特に状況が深刻な北アフリカ諸国に関し,協調した対処が必要としつつ,5つの行動優先分野を特定し((1)治安と法の支配の能力構築,(2)不法取引犯罪への対処及び国境保安の強化,(3)暴力的過激主義への対抗,(4)多国籍企業の脆弱性の低減,(5)不安定化のより広い要因への対処),関係諸国と緊密に連携しつつ取組を進めること等を盛り込んだ首脳コミュニケを採択しました。

 2014年6月4日~5日に開催されたブリュッセル・サミットにおいては,ボコ・ハラムを始めとするテロ行為への非難と,テロを抑止し対処するため,協力するとの決意を再確認すること等を盛り込んだ首脳宣言を採択しました。

 2015年6月7日~8日に開催されたエルマウ・サミットにおいては,外国人テロ戦闘員の現象を踏まえ,テロと暴力的過激主義に対する闘いは,全ての国際社会にとって引き続き優先課題であること,ISIL/Da’eshの壊滅とそのイデオロギーの拡散と闘う旨のコミットメントの再確認,イラク,チュニジア及びナイジェリアを含めて,野蛮なテロ行為に苦しむ全ての国や地域と共に結束すること等を盛り込んだ首脳宣言を採択しました。

 2016年5月26日~27日に開催された伊勢志摩サミットにおいては,テロに対処する上で,水際対策のような短期的な取組に加え,根本原因にある暴力的過激主義に対抗するための寛容の精神や対話の促進といった中長期的な取組も重要であり,G7として,各国の強みを活かし,相互補完的に,かつ相乗効果を生む形で国際的な取組を主導していく必要性につき一致。テロ対策に関する国際的な取組をG7で主導すべく「テロ・暴力的過激主義対策に関するG7行動計画(PDF)別ウィンドウで開く」を発出しました。

 2017年5月26日~27日に開催されたタオルミーナ・サミットにおいては,国際協力,インターネット上のテロ対策,テロ資金源になり得る組織犯罪対策等の重要性を確認するとともに,伊勢志摩サミットで発出した「テロ・暴力的過激主義対策に関するG7行動計画」の完全な実施に引き続きコミットし,議論をまとめた独立声明(「テロ及び暴力的過激主義との闘いに関するG7タオルミーナ声明(PDF)別ウィンドウで開く」)が採択されました。

3 グローバル・テロ対策フォーラム(GCTF)

 グローバル・テロ対策フォーラム(GCTF)は、テロ対策に係る新たな多国間の枠組みとして米国が提唱し、(1)実務者間の経験・知見・ベストプラクティスの共有、(2)法の支配、国境管理、暴力的過激主義対策等の分野におけるキャパシティ・ビルディングの実施等を目的に、テロ対策の政策決定者・実務者が一堂に会して知見を共有する場を提供するものです。組織として、調整委員会、テーマ別・地域別の作業部会、事務局が設置されています。

 メンバーは以下の29か国及びEUで、国連はパートナーとして参加しています。アルジェリア、豪州、カナダ、中国、コロンビア、デンマーク、エジプト、EU、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、ヨルダン、モロッコ、オランダ、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、カタール、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、スペイン、スイス、トルコ、UAE、英国、米国


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