中華人民共和国

平成30年4月15日
握手を交わす両外相
日中外相会談の様子

 河野太郎外務大臣は、4月15日16時30分から約4時間弱にわたり、外務省賓客として訪日中の王毅(おう・き)中国国務委員兼外交部長との間で日中外相会談及びワーキングディナーを行ったところ、概要は以下のとおり。

1 日中関係

(1)ハイレベル往来

 両外相は、日中外相の相互往来が9年ぶり別ウィンドウで開くに実現したことを共に歓迎するとともに、日中平和友好条約締結40周年である本年における全面的な関係改善を進めていくため、平和友好と互恵協力を基調とし、「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」との原則の下で、首脳を含むハイレベル往来を着実に進めながら政治的相互信頼を増進させていくことの重要性を確認した。特に、日中韓サミットに合わせて行われる予定の李克強総理の訪日を第一歩として、その後の安倍総理の訪中、習近平国家主席の訪日を実施していくことの重要性を確認した。

(2)外交当局間の対話・交流の強化

 両外相は、二国間関係の改善に加え、「戦略的互恵関係」の下、日中両国が気候変動SDGsを始めとする地球規模課題に対しても肩を並べて共に取り組んでいくことが重要であり、そのことが国際社会からも期待されていることを確認した。
 こうした観点から、両外相は、外務報道官間の対話、日中国際法局長協議、日中軍縮・不拡散協議、日中テロ対策協議、メコン、中東、アフリカ、中南米等の地域別の政策対話の実施の重要性につき一致した。
 また、両外相は、双方の外交官交流を強化していくことで一致した。

(3)経済関係の強化

 両外相は、翌16日に日中ハイレベル経済対話が8年ぶりに再開されることを共に歓迎し、省エネ・環境、イノベーション、医療・介護、金融等を始めとする二国間の経済関係の強化や、地域・国際社会の繁栄のために共に協力していくことの重要性を確認した。また、日中社会保障協定の早期署名に向けて作業を加速化させていくことで一致した。
 両外相は、WTOを始め、公正でかつ国際ルールに基づく自由で開かれた貿易体制を維持していくことの重要性を確認するとともに、RCEP日中韓FTAの推進に向けて、引き続き共に努力していくことを確認した。

(4)国民交流の促進

 両外相は、国民交流の促進が国民感情の改善にとっても重要であることを確認し、日中文化交流政府間協議を4月下旬に開催することを歓迎するとともに、日中平和友好条約締結40周年である本年における日中双方の周年事業を引き続き政府として後押ししていくことで一致した。
 両外相は、日中映画共同製作協定の早期署名に向けて作業を加速化していくことで一致した。
 両外相は、青少年交流地方間交流メディア交流、東京及び北京で開催予定のオリンピック・パラリンピックを通じた国民交流の重要性で一致した。

(5)東シナ海

 河野大臣から、東シナ海の安定なくして日中関係の真の改善はないことを強調した上で、日中関係の改善を阻害しかねない事態の再発防止を求めた。
 両外相は、東シナ海を「平和・協力・友好の海」としていくため、日中高級事務レベル海洋協議等の対話を通じて、引き続き意思疎通していくことで一致した。
 両外相は、東シナ海資源開発に関する「2008年合意」について、同合意の実施に向けて引き続き意思疎通を続けていくことを確認した。

(6)防衛交流

 両外相は、日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの早期運用開始に向けて日中双方で関連準備作業を加速していくことを確認した。また、防衛交流の促進の重要性を確認し、こうした動きを外交当局間として後押ししていくことで一致した。

2 北朝鮮問題

 両外相は、最近の北朝鮮情勢を踏まえ、突っ込んだ形での議論を行った。
 双方は、北朝鮮の非核化は両国の共通目標であり、関連の安保理決議を完全に履行しながら、引き続き緊密に連携していくことを確認した。
 また、河野大臣から、拉致問題の一日も早い解決に関して、中国の支持と協力を期待する旨述べた。


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