報道発表
岸田外務大臣のカエタノ・フィリピン外務大臣との夕食会


本6日,午後7時30分から約2時間,岸田文雄外務大臣は,訪日したアラン・ピーター・カエタノ・フィリピン共和国外務大臣(H.E. Mr. Alan Peter S. Cayetano, Secretary of Foreign Affairs of the Republic of the Philippines)との間で夕食会を開催したところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭
(2)これに対して,カエタノ外務大臣より,日本を訪問でき光栄に思う,ドゥテルテ大統領が今回訪日できずに残念であるが,相互に都合の良い時期に訪日したい,岸田大臣をはじめとする日本のパートナーとともに緊密に連携し,安全保障,開発,インフラ等の二国間の様々な分野,及び地域の課題について前進させていきたい旨述べました。
2 二国間関係
(1)岸田大臣より,治安問題はドゥテルテ大統領の最優先事項の一つであり,ミンダナオ情勢の沈静化に向けて全力で取り組まれていると承知している,フィリピンのテロ・暴力的過激主義対策に貢献するため,高速小型艇や警備関連機材の供与を早急に進めたい,ミンダナオ開発は日本にとっても重点分野であり,ODA関係者を含む邦人の安全確保を引き続きお願いする旨述べました。また,岸田大臣から,ドゥテルテ大統領が掲げる重要課題への対応のため,日本は可能な限りの支援を惜しまない,安倍内閣総理大臣が表明した,5年間で1兆円規模の官民支援を着実に実施する,インフラ整備や違法薬物対策等において協力したい旨述べました。
(2)これに対して,カエタノ外務大臣から,インフラ開発をはじめとする,日本による長年の経済協力に対する感謝を表明するとともに,日本による更なる投資及び日本企業の一層の進出に対する期待が表明されました。また,カエタノ外務大臣は,現下のミンダナオにおける情勢について説明するとともに,ドゥテルテ政権による治安・テロ対策の取組状況を説明し,日本による巡視艇供与及び海自航空機TC-90の移転等の海洋能力構築支援に対する謝意を表明しました。
3 地域情勢
(1)地域・国際社会の共通の関心事項についても両外相は意見交換を行いました。
(2)岸田大臣より,本年設立50周年を迎えるASEANの一体性・中心性を強化し,自由で開かれた共同体として発展させることが重要である,議長国・フィリピンと連携したい旨述べました。
(3)南シナ海に関する問題について,両外相は,法の支配の重要性等について意見交換を行い,比中仲裁判断を踏まえ,紛争の平和的解決に向け,協力関係を強化していくことを確認しました。
(4)両外相は,北朝鮮情勢についても意見交換を行い,北朝鮮は新たな段階の脅威であり,関連する安保理決議の履行等を通じ,国際社会が一致して圧力を強化することが重要であることについて一致しました。また,拉致問題の早期解決を含め,連携していくことを確認しました。