エジプト・アラブ共和国
日・エジプト首脳会談
本27日,午後4時40分から約15分間,安倍晋三内閣総理大臣は,G20大阪サミット出席のため訪日中のアブドゥルファッターハ・エルシーシ・エジプト・アラブ共和国大統領(H.E. Mr. Abdel-Fattah El-SISI,President of the Arab Republic of Egypt)と首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 安倍総理大臣から,「エジプトは,中東・アフリカにおける重要なパートナーであり,地域の平和・安定に果たす役割を評価する。」「エジプト・日本教育パートナーシップに基づく協力や,大エジプト博物館建設など,象徴的な案件の進捗を歓迎する。」「経済関係の強化に取り組んでいく。投資環境の改善に向け更なるご支援をお願いしたい。」「東日本大震災後の日本産食品に対する輸入規制撤廃に向けご協力いただきたい。」と述べました。
2 また,両首脳はG20大阪サミットの議題である世界経済,貿易等について意見交換し,安倍総理大臣から「G20として結束し,世界経済の成長に焦点を当てた力強いメッセージを出したい」,「貿易について,互いに共通点を見出し,一致したメッセージが出せるよう連携したい」「海洋プラスチックごみ対策に関し,実効的な対策を共に進めたい」と述べ,両首脳はサミットの成功に向けて協力を確認しました。
3 エルシーシ大統領からは,令和という新たな時代を迎え,また,G20の議長国を務める日本に対し祝意を申し上げる,日本企業による投資拡大や日本からの観光客増大を期待する,多国籍部隊・監視団(MFO)への日本の自衛官派遣開始を歓迎する,といった発言があり,両首脳は,今後,両国間で大エジプト博物館や日本式教育等に関する協力を含め,二国間関係の強化に向けて取り組んでいくことで一致すると同時に,今回のG20及びTICAD7の成功に向けて協力していくことで一致しました。
[参考]エジプトに対する海洋プラスチックごみに関する支援
日本政府は,国連工業開発機関(UNIDO)を通じ,プラスチック代替素材の導入に向けた,概要以下の支援の実施を決定。
(1)アフリカにおいて,プラスチックごみ処理が今後更に大きな課題となることが見込まれるエジプトの他1から2か国を対象に,以下を実施する。
- (ア)対象国へ導入・活用可能な,環境に優しいプラスチックの代替素材や,革新的な包装・リサイクル技術に関する調査・分析(日本の技術の活用の可能性を特に検討)
- (イ)対象国におけるプラスチックのバリューチェーンの現状や,既存の規制枠組の調査・分析
- (ウ)上記(ア),(イ)をベースに,代替素材の導入・活用に向けた,日-アフリカ間の官民連携のためのプラットフォームの構築を含む,アウトリーチ活動
(2)事業期間は2019年6月から24か月を予定。予算は350,000ユーロ(約4,280万円)で日本政府からの拠出金を活用して実施。