日本の国際テロ対策協力
テロ対策・対処能力向上及び暴力的過激主義対策支援
令和6年2月27日
1 基本的考え方
- (1)テロリストに対し安住の地を与えず、テロを防止・根絶するためには、国際社会が一致団結してテロ対策に取り組まなければなりません。このような観点から、テロ対策能力を必ずしも十分に有しない国々に対しては、テロ対策・対処能力向上のための支援を行っていくことが不可欠です。また、テロを根絶するためには、テロの根源にある暴力的過激主義への対策も不可欠です。
- (2)日本はこれまでも、テロ根絶に向けた国際的な取組に積極的に参画し貢献するとともに、国境管理、法執行機関の能力構築、法整備、司法制度強化、過激化防止に取り組む市民社会の後押し、教育等を通じた穏健な社会の構築といった貢献を行っています。また、テロの資金源にもなり得るとの観点から、組織犯罪対策への支援も行っています。
- (3)日本は、各国政府や国際機関と緊密に連携してテロ対策に協力するとともに、生体認証技術や爆発物・麻薬検知機材など、世界トップレベルの先端技術の活用のため、日本企業とも連携しています。
2 日本の具体的取組
(1)ODAを通じた協力(過去5年)
テロ、海賊、薬物、人身取引といった国境を越える犯罪に対する、特に開発途上国の対策・対処能力を向上させるための無償援助です。
- 2022年版政府開発援助(ODA)白書((2)普遍的価値の共有、平和で安全な社会の実現)(PDF)
- 2021年版政府開発援助(ODA)白書((2)普遍的価値の共有、平和で安全な社会の実現)(PDF)
- 2020年版政府開発援助(ODA)白書((2)普遍的価値の共有、平和で安全な社会の実現)(PDF)
- 2019年版政府開発援助(ODA)白書((2)普遍的価値の共有、平和で安全な社会の実現)(PDF)
- 2018年版政府開発援助(ODA)白書((2)普遍的価値の共有、平和で安全な社会の実現)(PDF)
(2)国際機関を通じたテロ・暴力的過激主義対策支援
実施機関 | 主な内容 (令和2年度、令和3年度及び令和4年度補正予算による実施案件から一例を抜粋) |
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国連薬物・犯罪事務所(UNODC) | (令和2年度~4年度)
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コミュニティへの働きかけ及び強靱性に関するグローバル基金(GCERF)(PDF)![]() |
(令和2年度)
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国連テロ対策オフィス(UNOCT) | (令和2年度)
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国際刑事警察機構(ICPO) | (令和2年度)
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国連女性機関(UN Women) | (令和2年度)
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国連開発計画(UNDP) | (令和2年度)
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国際暴力的過激主義対策センター(ヘダヤセンター) | (令和2年度)
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国連教育科学文化機関(UNESCO) | (令和4年度) |
(3)各種セミナー・ワークショップ
開催年 | 名称 | 参加国 |
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2003年10月 | テロ資金供与防止条約締結促進セミナー | カンボジア、タイ、フィリピン、ベトナム、ラオス |
2004年12月 | テロ資金供与防止条約締結促進セミナー | インドネシア、カンボジア、パプアニューギニア、東ティモール、フィジー、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ラオス、タイ、マレーシア、シンガポール、ブルネイ |
2006年1月 | テロ防止関連条約締結促進セミナー | インドネシア、カンボジア、パプアニューギニア、東ティモール、フィジー、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ラオス、シンガポール、タイ、ブルネイ、マレーシア |
2007年3月 | テロ防止関連条約締結促進セミナー | インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、パプアニューギニア、フィジー、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス(報道発表) |
2008年1月 | テロ防止関連条約締結促進セミナー | インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、パプアニューギニア、フィジー、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス(報道発表) |
2009年3月 | テロ防止関連条約・国際組織犯罪防止条約に関する法整備キャパシティ・ビルディングセミナー | インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、パプアニューギニア、東ティモール、フィジー、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス(結果概要) |
2010年3月 | APECセミナー 「テロ対策を通じての域内における海上貿易の促進」 |
インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、チリ、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピン、東ティモール、ブルネイ、ペルー、マレーシア、メキシコ、ロシア(報道発表) |
2011年2月 | テロ防止関連条約締結促進セミナー | アフガニスタン、スリランカ、ネパール、バングラデシュ、モルディブ(報道発表) |
2011年12月 | テロ防止関連条約締結促進セミナー | カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン(報道発表) |
2012年2月 | 過激化対策に関するワークショップ | オーストラリア、ブルネイ・ダルサラーム、カンボジア、カナダ、インド、インドネシア、ラオス、ミャンマー、パキスタン、フィリピン、韓国、ロシア、シンガポール、スリランカ、タイ、米、ベトナム、マレーシア(報道発表) |
2014年11月 | 北アフリカ・サヘル地域におけるテロ対策のための刑事司法協力ワークショップ | アルジェリア、チャド、コートジボワール、マリ、モーリタニア、モロッコ、セネガル、チュニジア、国連薬物犯罪事務所(UNODC)、アフリカ連合テロ・調査研究センター(CAERT)(報道発表) |
2016年2月 | アフリカ地域におけるテロ対策協力セミナー | アルジェリア、エチオピア、ケニア、ナイジェリア、タンザニア、チュニジアおよびアフリカ連合テロ調査・研究センター(CAERT)(報道発表) |
2016年12月 | アフリカにおけるテロ及び暴力的過激主義対策支援ワークショップ | アルジェリア、ケニア、ナイジェリア、タンザニア、チュニジア、アフリカ連合テロ調査・研究センター(CAERT)、UNODC(国連薬物・犯罪事務所)(報道発表) |
2017年1月 | テロ・暴力的過激主義に対するアジア地域実務者ワークショップ | インドネシア、シンガポール、タイ、バングラデシュ、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、UNDP(国連開発計画)、UNODC(国連薬物・犯罪事務所)、UNWomen等(報道発表) |
2017年11月 | テロ・暴力的過激主義に対するアジア地域実務者ワークショップ | インドネシア、マレーシア、フィリピン、UNICRI(国連地域間犯罪司法研究所)、UNDP(国連開発計画)、UNWomen(国連女性機関)等(報道発表) |
2017年12月 | 南・東南アジア地域における暴力的過激主義に対する刑事司法の対応強化に関するワークショップ(国連薬物・犯罪事務所(UNODC)との共催) | インドネシア、フィリピン、マレーシア、バングラデシュ、モルディブ(報道発表) |
2018年6月 | 刑事司法アプローチ及び法遵守の文化促進を通じたテロにつながる暴力的過激主義防止に関するアジア地域会合(国連薬物・犯罪事務所(UNODC)との共催) | インドネシア、マレーシア、フィリピン、バングラデシュ、モルディブ、スリランカ、パキスタン等(報道発表) |
2019年1月 | テロ対策におけるソフトターゲット対策の強化に関するアジア地域実務者ワークショップ | タイ、ベトナム、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア(報道発表) |
2024年2月 | 南アジア及び東南アジア地域における法の支配ワークショップ | インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシア、モルディブ(報道発表) |