国連外交

令和6年2月15日

国連の概要

国連本部 UN Photo/Milton Grant

 第二次世界大戦を防げなかった国際連盟の反省を踏まえ、国連(国際連合)は1945年10月に51か国の加盟国で設立され、我が国は1956年12月18日、80番目の加盟国となりました。近年では2011年に南スーダンが加盟し、現在の加盟国数は193か国です。国連では英語、フランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、アラビア語の6か国語が公用語となっています。

国際連合憲章(国連憲章)

 国際連合憲章は国連の基本文書で、加盟国の権利や義務を規定するとともに、国連の主要機関や手続を定めています。また、国際条約としての国連憲章は加盟国の主権平等から国際関係における武力行使の禁止にいたるまで、国際関係の主要原則を成文化しています。

 国連憲章は前文と全19章、111条から成ります。これらの章のうち、第1章は国際連合の目的と原則を規定し、第2章は国連加盟国となるための基準を設定し、第3章は国連の6つの主要機関の名称を載せ、第4章から15章まではこれらの機関の機能や権限の定義を行っています。第16章から17章は国連と現存する国際法との関係について述べ、第18章と19章は憲章の改正と批准について規定しています。

国連の目的(国連憲章第1条)

  • 国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至るおそれのある国際的の紛争又は事態の調整または解決を平和的手段によって、かつ正義及び国際法の原則に従って実現すること。
  • 人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。
  • 経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語または宗教による差別なく、すべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること。
  • これらの共通の目的の達成に当たって諸国の行動を調和するための中心となること。

国連システム

 国連憲章は国連の主要機関として総会安全保障理事会経済社会理事会(PDF)別ウィンドウで開く、信託統治理事会(信託統治地域パラオが1994年10月に独立したことを機に、その任務を実質上終了)、国際司法裁判所(PDF)別ウィンドウで開く、事務局(事務総長を筆頭に、国連諸機関が決定した政策や活動を管理・実施)の6つの機関を設けています。一方、国連システムはもっと大きく、15の専門機関や数多くの計画や基金、各種機関が含まれます。

国連事務総長と国連総会議長

アントニオ・グテーレス第9代国連事務総長 UN Photo/Mark Garten

国連事務総長

 国連の象徴であり、貧しい人々や弱い立場にある人々はもちろん世界中の人々の代弁者である事務総長は、安保理の勧告に基づき総会から任命され、任期は5年です。

国連総会議長

 国連総会議長は国連の全加盟国により構成される総会の議事を取り仕切っています。総会議長は国連総会の会期(9月~翌年9月)に合わせて、毎年6月頃に選出され、任期は1年です。
 2022年9月~2023年9月まで第77回国連総会議長を務めるのはハンガリー出身のクールシ・チャバ氏です。

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