G20(金融・世界経済に関する首脳会合)
河野外務大臣のG20貿易・デジタル経済大臣会合(茨城県つくば市)への出席(結果)
6月8日から9日,河野外務大臣は,茨城県つくば市で開催されたG20貿易・デジタル経済大臣会合に出席し,石田総務大臣及び世耕経済産業大臣と共に共同議長を務めたところ,概要以下のとおりです。
また,会合の成果として,閣僚声明(仮訳(PDF)/英文(PDF))及び議長声明(仮訳(PDF)/英文(PDF))が採択されました。
- 1 出席国・機関
- 2 デジタル経済セッション(8日)の概要(石田総務大臣及び世耕経済産業大臣が共同議長)
- 3 合同セッション(8日)の概要(河野外務大臣,石田総務大臣及び世耕経済産業大臣が共同議長)
- 4 貿易セッション(9日)の概要(河野外務大臣及び世耕経済産業大臣が共同議長)
- 5 成果
- 6 その他
1 出席国・機関
(1)G20構成国 | : | 日本,米国,カナダ,メキシコ,ブラジル,アルゼンチン,EU,英国,ドイツ,フランス,イタリア,ロシア,トルコ,サウジアラビア,南アフリカ,中国,韓国,インド,インドネシア及び豪州の閣僚又は代理 |
(2)その他の招待国 | : | スペイン,シンガポール,エジプト(AU代表),セネガル(NEPAD(アフリカ開発のための新パートナシップ)代表),オランダ,ベトナム,チリ(APEC代表),ナイジェリア(貿易セッションのみ)及びエストニア(デジタル経済セッションのみ)の9か国の閣僚又は代理 |
(3)招待国際機関 | : | OECD,世銀,IMF,WTO,UNCTAD(国連貿易開発会議),ITC(国際貿易センター),ITU(国際電気通信連合)及びERIA(東アジア・ASEAN経済研究センター)の8機関の長又は代理 |
2 デジタル経済セッション(8日)の概要(石田総務大臣及び世耕経済産業大臣が共同議長)
安倍総理が本年1月にダボスで提唱した「信頼性のある自由なデータ流通(データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト)」の考え方,人間中心の人工知能(AI)等といった今日のデジタル経済をめぐる諸課題について議論が行われました。
3 合同セッション(8日)の概要(河野外務大臣,石田総務大臣及び世耕経済産業大臣が共同議長)
(1)デジタル経済の進展により,様々な課題においてG20が協調する重要性が増大していることを踏まえ,「貿易とデジタル経済のインターフェイス」という国際経済の最先端の課題について議論が行われました。
(2)河野外務大臣からは,本セッションの開会挨拶において,多角的貿易体制の礎たるWTOがその役割を十分に担い続けられるよう,急速に進展するデジタル化が国際貿易のあり方を根本的に変容させている現実にWTOルールを適応させる必要がある旨を述べました。さらに,その観点から)昨年G20首脳がブエノスアイレスで支持したWTO改革の重要な一要素として,WTOでの電子商取引の取組を重視しており,G20大阪サミットでは,「大阪トラック」としてWTOでの電子商取引のルール作りを進めるべく,政治的な後押しを与えたいと考えている旨発言しました。
4 貿易セッション(9日)の概要(河野外務大臣及び世耕経済産業大臣が共同議長)
(1)セッション1「現下の国際貿易情勢」(河野大臣が議長)では,大多数の国から現下の国際貿易情勢が世界経済に及ぼす悪影響を懸念する意見があったほか,貿易・投資環境の改善に向けG20が取り組む必要性についての意見が表明されました。 また,大多数の国から,不公正な貿易慣行を含むあらゆる形態の保護主義への闘いを呼びかける意見が表明されたほか,多くの国から,ルールに基づく多角的貿易体制とこれを改善する重要性につき言及がありました。
(2)セッション3「持続可能・包摂的な成長に貢献する貿易投資促進」(河野大臣が議長)では,貿易・投資による便益が十分には広く行き渡っていないことを踏まえ,途上国や零細・中小企業のグローバル・バリュー・チェーンへの参画を促す取組の継続が必要である点について,一致がありました。
また,G20として,B20の観点に留意することに支持が示されたほか,貿易・投資を通じ,持続可能かつ包摂的な成長を実現するためのビジネスや政策のグッド・プラクティスについて,G20間で知見を共有できました。
なお,セッション3においては,今回の会合では地元茨城産食材をふんだんに使用していることを紹介しつつ,残念ながら,震災から8年経てもなお,茨城等含む幾つかの県の食材が輸入規制の対象とされていることから,日本産食品の輸入規制を維持している各国に対し,規制撤廃に向けて,働きかけました。
(3)さらに,セッション4「WTO改革と二国間・地域貿易協定」においては,河野大臣から,WTO改革について,切迫感をもって進めるべきとの日本の立場の下,特に上級委員会をめぐる問題について触れ,紛争解決制度の機能に関する深刻な状況について全WTO加盟国で議論を行っていくことが重要である旨発言しました。
5 成果
(1)各セッションを通じて,有益な議論が行われ,中身のある閣僚声明が採択されました。
(2)特に紛争解決制度の機能に関し,行動が必要であるという点を閣僚声明において明示的に合意できたことは,紛争解決制度改革を重視する我が国として,大きな成果。
(3)昨年のG20の成果文書に盛り込まれたWTO改革の重要性(PDF)について,第12回WTO閣僚会議に向けた取組を含め,切迫感をもって他のWTO加盟国と共に建設的に取り組んでいくとの一致した認識を盛り込むことができました。
(4)世界のGDPの8割以上を占めるG20の貿易・デジタル経済担当大臣が団結し,大阪サミットにつながるメッセージを力強く発出することができたことは大きな成果。
6 その他
河野外務大臣は,今次会合中,マルムストローム欧州委員(貿易担当),フォックス英国際貿易大臣及びバーミンガム豪州貿易・観光・投資大臣と会談しました。