経済外交

安倍総理の世界経済フォーラム年次総会(「ダボス会議」)への出席

平成31年1月23日

 1月23日,安倍晋三総理大臣はスイス・ダボスを訪問し,世界経済フォーラム(WEF)年次総会に2014年以来5年ぶりに出席したところ,概要は以下のとおりです。

1 安倍総理による演説

 23日午前,安倍総理は,「『希望が生み出す経済』の新しい時代に向かって」と題する演説仮訳英語)を行いました。ポイントは以下のとおり。

(1)在任中の6年間に,女性と高齢者の活躍推進による労働人口の増加,5年連続の賃金上昇,GDP拡大に加え,子供の相対貧困率低下など格差縮小も実現した。外国人材受入れに係る法律も成立させた。このように,人口が高齢化しても「希望が生み出す経済」は成長可能である。

(2)G20大阪サミットにおいては,特に以下の分野に焦点を当て,「希望が生み出す経済」が実現できることを確認し合う機会としたい。

    (ア)「ソサエティ5.0」と呼ぶ社会では,デジタル・データが経済成長のエンジン。データ・ガバナンスに焦点を当てた議論を「大阪トラック」とでも名付け,信頼に基づくデータ・フロー体制の構築に向けた話し合いをWTOの屋根の下で始めてはどうか。WTOに新風が吹き込まれることを願う。
    (イ)気候変動問題に立ち向かう上では,非連続的イノベーションによる問題解決が必要。人工光合成や二酸化炭素の「回収」に加えた「活用」などはその一例。2050年までに水素の製造コストを現在の1割以下にし,天然ガスより割安にすることを目指す。環境・社会・ガバナンス(ESG)投資が一層増加するよう促したい。また,G20サミットでは,海洋に流れ込むプラスチックを減らす決意において世界中の努力が必要だという共通の認識を作りたい。
    (ウ)日本は,自由で開かれた,ルールに基づく国際秩序の維持・強化に取り組む。TPPや日EU・EPAの発効を受け,補助金改革を含むWTO改革や「大阪トラック」などを通じ,国際貿易システムへの信頼を立て直したい。

 演説後,シュワブWEF会長から,データ・フローの国際体制,米中貿易摩擦を含む世界経済への見方や,消費増税の見通し等につき質問がありました。

2 WEF関係者,各国関係者等との意見交換

(1)シュワブWEF会長主催昼食会

 安倍総理は,グローバル企業経営者等との少人数の意見交換で,日本の経済政策や少子高齢化対策,女性の社会参画の取組などについて紹介した後,G20議長国として国際経済システムの維持・強化や地球規模課題の解決に関してリーダーシップをとっていく旨を説明しました。これを受け,企業経営者側から,総理演説に関する質問や提言などが寄せられ,活発な意見交換が行われました。

(2)メディア関係者との意見交換

 安倍総理は,ブルームバーグ,フィナンシャル・タイムズ紙,ニューヨーク・タイムズ紙,ウォール・ストリート・ジャーナル紙,NHKのメディア関係者と, 国際情勢と日本の役割,日米関係,日中関係,日露関係,朝鮮半島情勢,米中経済関係,アベノミクス,英国のEU離脱等について率直な意見交換を行いました。

(3)ビジネス関係者との懇談

 安倍総理は,ビジネス関係者(シュワルツマン・ブラックストーン会長兼CEO,レッサー・ボストン・コンサルティング・グループCEO,小林三菱商事取締役会長)との間で,世界経済の動向への見方や地方への投資を含む対日投資を促進するための方策について活発な意見交換を行いました。

(4)ボルソナーロ・ブラジル大統領との会談,マウラー・スイス大統領との立ち話

 本年1月に新たにブラジル大統領に就任したボルソナーロ大統領と会談を行ったほか,ダボス会議の開催地であるスイスのマウラー大統領とも立ち話を行いました。

(5)ジャパン・ナイトへの参加

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    ジャパン・ナイトでスピーチを行う安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
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    ジャパン・ナイトでスピーチを行う安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
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    ジャパン・ナイト
    (写真提供:内閣広報室)

 安倍総理は,ダボス会議に参加した関係閣僚等とともに,日本の様々な魅力を発信するために日本企業等が主催したレセプションに参加し,冒頭挨拶を行いました。その中で安倍総理は,日本食等をはじめとするソフトパワーの発信の重要性を指摘しました。なお,当該レセプションでは,農林水産省の協力により,福島県産を含む日本酒など日本食品が提供され,多くの国内外の関係者が参加しました。


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