G20(金融・世界経済に関する首脳会合)

令和元年6月9日

 WTO改革は切迫感をもって進められなければなりません。WTO改革が実現可能なものから速やかに実現するよう,G20としてジュネーブの議論に後押しを与えることが必要です。
 監視・交渉・紛争解決の各機能を向上させるために,WTOで進められている様々な取組に歓迎の意を表します。
 特に,紛争解決制度については,上級委員会の機能をめぐって,以下の問題があります。
 第一に,上級委が定められた期限を遵守できず,迅速な紛争解決を実現できていないこと。
 第二に,上級委が措置の協定整合性を判断せず,紛争解決に資さないまま終了した事案があること。そのような上級委の判断の結果について,関係紛争当事国が不満を持っていた事例もあったと承知しています。
 第三に,現在は加盟国の上級委の判断に関する問題意識を上級委に提起する枠組みがないことです。
 全WTO加盟国が,こうした紛争解決制度の機能に関する深刻な状況を真剣に受け止め,議論を行っていくことが重要です。
 日本も4月に豪州,チリとともに提案を行っており,引き続き解決志向の議論に貢献していきます。

 また,自由で公正な経済圏を世界に広げていく上では,地域貿易協定の役割も重要です。日本はTPP11の実施・拡大や日EU・EPAの実施,RCEPの年内妥結に向けた努力を行っています。これらは,日本として自由貿易体制を更に推進していくとの揺るぎない意志の表れです。

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