世界貿易機関(WTO)

令和3年5月7日

 WTO(世界貿易機関:World Trade Organization)は、ウルグアイ・ラウンド交渉の結果1994年に設立が合意され、1995年1月1日に設立された国際機関です。WTO協定(WTO設立協定及びその附属協定) は、貿易に関連する様々な国際ルールを定めています。WTOはこうした協定の実施・運用を行うと同時に新たな貿易課題への取り組みを行い、多角的貿易体制の中核を担っています。

1 ガットからWTOへ

 1930年代の不況後、世界経済のブロック化が進み各国が保護主義的貿易政策を設けたことが、第二次世界大戦の一因となったという反省から、1947年にガット(関税及び貿易に関する一般協定)が作成され、ガット体制が1948年に発足しました(日本は1955年に加入)。貿易における無差別原則(最恵国待遇、内国民待遇)等の基本的ルールを規定したガットは、多角的貿易体制の基礎を築き、貿易の自由化の促進を通じて日本経済を含む世界経済の成長に貢献してきました。

 ガットは国際機関ではなく、暫定的な組織として運営されてきました。しかし、1986年に開始されたウルグアイ・ラウンド交渉において、貿易ルールの大幅な拡充が行われるとともに、これらを運営するため、より強固な基盤をもつ国際機関を設立する必要性が強く認識されるようになり、1994年のウルグアイ・ラウンド交渉の妥結の際にWTOの設立が合意されました。

2 WTOの特徴

 WTO協定により多角的貿易体制はガット時代と比べ次のように強化されました。
既存の貿易ルールの強化
特定の物品(農業、繊維)の貿易に関する協定を作成。
国際貿易のルール(アンチダンピング、セーフガード等)に関する既存の協定を改正して内容を拡充。
新しい分野のルール策定
物品の貿易に加え、サービスの貿易に関する協定を作成。
貿易に関連する知的所有権や投資措置に関する協定を作成。
紛争解決手続の強化
統一された紛争解決手続を採用。
貿易紛争に対してWTO紛争解決手続によらない一方的措置の発動を禁止。
紛争解決手続が迅速・円滑に進行するよう手続の実効性を強化。
パネル(小委員会)報告の法解釈につき再審査を行う常設の上級委員会を設置。
諸協定の統一的な運用の確保
附属する物品の貿易に関する多角的協定、サービスの貿易に関する一般協定、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定、紛争解決に係る規則及び手続に関する了解等の協定を一括受諾の対象とし、加盟国の権利義務関係を明確化。

3 基礎情報

(図1)閣僚会議までの流れ
事務局
:ジュネーブ(スイス)
事務局長
:ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ(2025年8月末まで)
事務局員
:約600名(2020年)
加盟国
164か国・地域
予算
:1億9,720万フラン、日本の分担率:約4%(2020年)
任務
:(1)WTO設立協定及び多角的貿易協定の実施・運用等、(2)多角的貿易関係に関する交渉の場及びその実施の枠組みの提供、(3)紛争解決了解の運用、(4)貿易政策検討制度の運用、(5)IMF、世界銀行及びその関連機関との協力
世界貿易機関(WTO)へ戻る