核軍縮・不拡散
拡散に対する安全保障構想(PSI)
過去の総会における合意事項
令和5年5月15日
- (1)第1回マドリッド総会(2003年6月12日)
- 全参加国が、積極的に本イニシアティブを推進していくことを確認。
- PSIの総会(Plenary)の下に、オペレーション専門家会合及びインテリジェンス専門家会合を設置。
- (2)第2回ブリスベン総会(2003年7月9~10日)
- 参加国が、現行の法的枠組みの範囲内での拡散阻止のための措置を実施することにつき原則一致。
- 全参加国が、阻止訓練の概念及び訓練をできる限り早期に行うことにつき原則一致。
- (3)第3回パリ総会(2003年9月3~4日)
- 阻止原則宣言(PDF)
PSIの目的や阻止のための原則を述べた「阻止原則宣言(Statement of Interdiction Principles)」を採択。各参加国が大量破壊兵器等の拡散懸念国家及び非国家主体への拡散を阻止するための努力を個別または共同で行うことにつき一致。 - 議長サマリー要旨
不拡散の懸念を共有する全ての国がPSIを支持することを期待し、アウトリーチ活動を行う。
PSI参加国は情報共有を含む実際的行動につき検討し、能力向上とPSI実施の条件を試行することを目的とする、海、空及び陸における阻止訓練の実施について了解。 - (4)第4回ロンドン総会(2003年10月9~10日)
- 既に50か国以上の国が阻止原則宣言への支持を表明していることが確認された。
- アウトリーチに関する地域的取組が奨励され、日本と豪のアジア諸国に対するアウトリーチ活動が歓迎された。
- PSIはグローバルな取組であることが再度確認され、「組織」ではなく「活動」であることが強調された。
- 阻止原則宣言を支持し、かつ効果的な貢献を行うことのできる国・国際機関には、PSIへの参加が開かれているべきである旨合意。
- PSIの活動は、全ての拡散懸念国及び非国家主体が対象であることを確認。
- (5)第5回リスボン総会(2004年3月4~5日)
- 新たにシンガポール、ノルウェー、カナダが参加。
- ブッシュ米大統領によるPSI強化の提案(2月11日、米国防大学における演説)を支持。法執行を含む活動の強化により、拡散阻止のための協力を強化することに合意。
- アウトリーチ活動の進展を高く評価。日本がアジアにおいて、ポーランドが東欧などにおいて行っている「地域別アウトリーチ」や、米が行っている便宜置籍国との乗船協定締結などの「機能別アウトリーチ」の継続が奨励された。
- 今後、阻止訓練が多くの参加国によって主催されることを奨励。
- 阻止原則宣言に沿って阻止活動を行うにあたって必要となる法制の整備を参加国が行うことを奨励。
- 次回はポーランドのクラコフで、PSIを支持する全ての国が出席して1周年記念総会が催されることにつき了解。
- (6)クラコフ一周年記念総会(2004年5月31~6月1日)
- ポーランドがPSI発足1周年を記念して、従来のPSIメンバー国(コアグループ国)以外でPSIを支持する国も招待した記念総会を開催したもの。
- ロシアが新たに参加することが決定。
- 総会には計61か国(欧州41か国、中東アフリカ8か国、アジア太平洋5か国、南米5か国、北米2か国)及び2国際機関(EU及びNATO)が参加。
- 我が国からは田中大臣政務官(当時)を団長とする代表団が参加し、同大臣政務官より演説を行い、参加各国等から高い評価を受けた。
- 議長国ポーランドより、1周年を迎えたPSIの更なる強化、国内法・国際法との整合性確保、安保理決議1540への言及、及びアウトリーチ努力の継続等について方向性を明らかにする議長声明が発出された。
- (7)ワルシャワ・ハイレベル政策会合(2006年6月23日)
- ポーランドが、PSI発足3周年を機に、PSI支持国全てを招待して開催した全体会合。PSI支持国のうち65か国より、外務副大臣、次官、局長、大使等ハイレベルが参加。
- 我が国よりは、中根軍縮不拡散・科学部長を首席代表に、外務省・防衛庁・海上保安庁の3省庁が参加。
- これまで精力的に実施してきた阻止訓練から得られた教訓や、支持国拡大のためのアウトリーチ活動の成果等について議論が行われ、参加国間で共通の認識が共有されるとともに、今後ともかかる努力を継続していく意思が確認された。
- 議長(ポーランド)が、同会合での議論を総括した議長声明を発出。
- (8)米国主催PSI5周年記念会合(2008年5月28~29日)
- 5年間のPSIの成果の総括、今後の発展に向けた政治的コミットメントの確認、さらなる支持の拡大等を目的に開催。
- PSI参加国の数が90か国を突破。88か国の代表が会合に出席。我が国からは、佐々江外務審議官を首席代表とし、外務省・防衛省が参加。
- 安保理決議1540や北朝鮮、イランに関する累次の安保理決議の着実な実施、SUA条約2005年議定書の批准促進、アウトリーチの推進等を含む各国の政治的コミットメントをまとめたものとして「ワシントン宣言」を発出。
- アウトリーチ会合には、中国、韓国、インド、パキスタン、メキシコを含む21のPSI未支持国が参加。
- (9)ポーランド主催PSI10周年記念会合(2013年5月28日~29日)
- 10年間のPSIの成果を総括し、今後更にPSIの活動を発展させていくための足掛かりとするための強い政治的コミットメントを得ること等を目的に開催。
- 全102ヵ国のPSI参加国のうち、72ヵ国の代表が会合に出席。我が国からは、廣瀨軍縮不拡散・科学部審議官を首席代表に、外務省・防衛省・海上保安庁の3省庁が参加。
- 多くの国が、PSI関連イベントの活発な開催の重要性につき強調し、具体的な行動をとることを約束。また、PSIの自発的かつ柔軟な性質を強調し、各参加国がPSIへの貢献を継続し、各国ごとの状況に応じ阻止活動をとるべきであると指摘。更に、大量破壊兵器拡散に懸念を有する全ての国がPSI阻止原則宣言を支持すべきであるとの認識を共有。
- (10)米国主催PSI高級事務レベル会合(2016年1月27日)
- 2013年に開催されたPSI10周年記念会合以降の各国取組のフォローアップ及び15周年記念会合(2018年予定)までに達成すべき目標の明確化を目的として,米国主催で開催。
- 全105ヵ国のPSI参加国のうち、70か国の代表が会合に出席。我が国からは、林誠不拡散・科学原子力課長を代表に、外務省・防衛省の2省庁が参加。
- 参加国は,大量破壊兵器等の拡散は国際的な課題であり,その脅威に対抗するために引き続き全参加国の貢献が求められることを再確認するとともに,各国がそれぞれの取組を強化していく必要があるとの認識を共有。
- フランスが2018年に予定されているPSI15周年記念会合を主催することを発表。
- (11)仏主催PSI15周年記念ハイレベル政治会合(2018年5月15日)
- PSI発足以降、大幅な技術革新が生じた過去15年間の総括と、それを踏まえた現下の脅威認識の共有を目的としてフランスが開催。PSI参加105カ国のうち77カ国の代表が会合に出席し、我が国からは川崎軍縮不拡散・科学部審議官を首席代表として外務省・防衛省の2省庁が参加。多くの参加国が、各国による取組の自主性・柔軟性こそがPSIを効果的にしている中心的な要素であることを強調し、今後も各国がそれぞれの資源と権限に応じた阻止行動を継続していくことの重要性を確認した。