外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 報道・広報 演説
演説

田中外務大臣政務官演説

「拡散に対する安全保障構想」(PSI)一周年記念総会
田中外務大臣政務官スピーチ


平成16年6月1日
於・クラコフ


写真


議長、御列席の皆様、
 本日、この「拡散に対する安全保障構想」(PSI)一周年記念総会に、日本政府を代表して参加できたことを、大変よろこばしく思います。

 まず、この会合の開催のために尽力された、チモシェヴィッチ外務大臣閣下をはじめとするポーランド政府関係者に敬意を表します。

議長、
 大量破壊兵器及びミサイルの拡散は、地域及び国際の平和と安全に対する重大な脅威となっており、テロ組織がこれらの兵器を入手すれば、その脅威が与える影響は、はかり知れません。アジア地域においても、大量破壊兵器及びミサイルの拡散がもたらす脅威は、現実かつ重大な問題で、とりわけ、北朝鮮による大量破壊兵器の開発・保有及び弾道ミサイル活動は、我が国の安全保障にとって重大な懸念であります。北朝鮮による核兵器の開発・保有は、北東アジア地域の平和と安全及び国際的な核不拡散の観点から、絶対に容認することは出来ません。我が国は、このような立場から、北朝鮮に対し、すべての核開発計画を、完全、検証可能かつ後戻りできない形(かたち)で、すみやかに廃棄することを求めてきています。

議長、
 大量破壊兵器及びミサイルの不拡散ほど、多くの国の協力が必要な取り組みはありません。PSIは、2003年5月の発足以来、一年を経ましたが、安全保障にかかわる、かくも重要な構想が、多くの国の支持と協力のもと、かくも急速かつ着実に進展したことを、我々は誇りに思います。

 我が国は、不拡散体制を堅持するためには、拡散がたどる道のり、すなわち、大量破壊兵器及び運搬手段並びに関連物資・技術の輸出・輸送・輸入を含むすべての段階において、包括的に各国が取締りを強化していく必要があると考えております。我が国は、こうした包括的な不拡散のアプローチの新たな構成要素として、PSIを重視しており、これからもその発展のため、積極的に取り組んでいく考えです。

議長、
 我が国は、アジアからは唯一のコア・グループの原(げん)参加国として、PSIの活動を支えてきました。PSIのはじめての阻止訓練となった豪州政府主催の海上阻止訓練「パシフィック・プロテクター」には、海上保安庁の巡視船、及び部隊が参加し、防衛庁からオブザーバーが派遣されました。また、アジアにおける、不拡散体制の強化が、アジア地域の平和と安定に資するとの認識のもと、アジア諸国に、PSIを紹介し、その活動に参加するよう、働きかけてまいりました。昨年11月、アジアにおける初の不拡散に関する局長級協議である、アジア不拡散協議(ASTOP(エーストップ))を東京にて開催し、本年2月には、我が国の不拡散関連省庁関係者からなる日ASEAN不拡散協力ミッションを全てのASEAN十カ国に派遣し、アジア諸国との対話と協力関係を深めることができました。

 更に、5月には、カンボジア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイの五カ国の海上法執行関係者を我が国に招待し、「アジア不拡散セミナー」を開催しました。このような取り組みの結果、アジアにおける不拡散体制が強化されつつあることは特筆すべきことであると考えます。本日、議場にコア・グループ国のシンガポールのほかに、タイの代表団の出席を得たことを同じアジアの一員として大変うれしく思います。

議長、
 PSIが目指す、拡散の阻止のための国際協力の強化は、まだ道半ばであると言わねばなりません。我が国は、今後とも、近隣のアジア諸国を中心とする国々がPSIの原則に賛同し、その活動に参加・協力するよう積極的な働きかけを続けると共に、PSIの更なる発展に寄与するよう努力を重ねていく考えです。

 今後とも、国際法、そして各国国内法の範囲内で拡散を阻止するというPSIの基本原則である「阻止原則宣言」に基づき、関係国相互の協力が進展し、国際的な不拡散体制がいっそう強化されることを心から祈念します。
 ありがとうございました。


政務官 / 平成16年 / 目次


外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省