北朝鮮

 

平成27年12月16日

国際社会における取組

 拉致問題の解決のためには、我が国が単独で北朝鮮側に強く働きかけることはもちろん、拉致問題解決の重要性について各国からの支持と協力を得ることが不可欠である。政府は、あらゆる外交上の機会をとらえ、拉致問題を提起している。

 北朝鮮による拉致の被害者は、韓国にも多数いることが知られているが、帰国した日本人拉致被害者等の証言から、タイ、ルーマニア、レバノンにも北朝鮮に拉致された可能性のある者が存在することが明らかになっている。このほか、北朝鮮から帰還した韓国人拉致被害者等の証言では、中国人等の拉致被害者も存在するとされている。このように、拉致問題は、基本的人権の侵害という国際社会の普遍的問題である。

1. 国際連合


国連総会において一般討論演説を行う安倍総理
(2014年9月)


北朝鮮における人権に関する国連調査委員会の来日
(2013年8月)


マルズキ国連北朝鮮人権状況特別報告者による岸田外務大臣表敬(2014年4月)

(イ) 国連においては、我が国は、欧州連合(EU)と共同で、北朝鮮人権状況決議を人権理事会と国連総会の双方に提出してきており、人権理事会では7年連続7 回、国連総会では10年連続10回採択されている(2014年12月現在)。

(ロ) 2013年3月の人権理事会において、新たに北朝鮮における人権状況に関する国連調査委員会(COI)を設置することを含む決議がコンセンサス(無投票)で採択された。国連調査委員会(COI)は、日本、韓国、米国、英国、タイを訪問するなどして拉致問題を含む北朝鮮の人権状況の調査を行い、2014年2月に最終報告書(COI報告書)を公表した。

(ハ) 2014年3月の人権理事会にて、COI報告書の内容を反映したこれまで以上に強い内容の決議が賛成多数で採択された。同決議は、北朝鮮の広範で深刻な人権侵害を最大限の表現で非難し、北朝鮮に対して、拉致問題を含む、全ての人権侵害を終わらせる手段を早急にとることを促している。また、COI報告書の勧告を踏まえ、安保理が人権侵害に責任を負う者に説明責任を果たさせるよう、適切な国際刑事司法メカニズムへの付託を検討することや、COI報告書のフォローアップをしっかり行うための体制の構築などを要請している。

(ニ) 2014年12月、国連総会において、COI報告書及び同年3 月の人権理事会における決議の内容を踏まえた、これまで国連総会において採択された北朝鮮人権状況決議よりも強い内容の決議が、過去最多の共同提案国を得て賛成多数で採択された。具体的には、北朝鮮の組織的かつ広範で深刻な人権侵害を非難するとともに、「人道に対する罪」に言及し、更に、安保理に対し、北朝鮮の人権状況の国際刑事裁判所(ICC)への付託の検討を含む適切な行動をとるよう促している。一連の決議の採択を受け、2014年12月、国連安保理においても、人権状況を含む北朝鮮の状況が包括的に議論された。

北朝鮮による核 ・ミサイル開発


国連安全保障理事会

 北朝鮮による核・ミサイル開発の継続は、我が国を含む国際社会全体の平和と安全に対する脅威である。国際社会は、累次の国連安保理決議により、北朝鮮に対し、核計画、その他の大量破壊兵器計画及びミサイル開発計画の放棄を義務付け、各種の制裁を課している。

 このうち、国連安保理決議第1718号(2006年10月採択)、第1874号(2009年6月採択)及び第2094号(2013年3月採択)では、北朝鮮による核実験を非難し、制裁措置を定めるだけでなく、その前文において北朝鮮が(拉致問題を含む)国際社会の有する人道上の懸念について対応することの重要性を強調している。

2. 六者会合


六者会合(2007年9月27日)

 我が国は、六者会合においても、拉致問題を取り上げてきており、2005年9月に採択された共同声明においては、拉致問題を含めた諸懸案事項を解決することを基礎として、国交を正常化するための措置をとることが、六者会合の目標の一つとして位置づけられた。これを受けて、2007年2月の成果文書においては、日朝国交正常化のための作業部会の設置が決定され、10月の成果文書においては、日朝双方が、日朝平壌宣言に従って、「不幸な過去」を清算し懸案事項を解決することを基礎として早期に国交を正常化するため誠実に努力すること、また、そのために日朝双方が精力的な協議を通じて具体的な行動を実施していくことが確認された。ここでいう「懸案事項」に拉致問題も含まれていることは、当然である。

3. 多国間の枠組み


G7ブリュッセル・サミット(2014年6月)

 日本政府は、G7サミット、ASEAN関連首脳会合等の多国間の枠組みにおいても、拉致問題を提起しており、拉致問題解決の重要性とそのための政府の取組は、諸外国からの明確な理解と支持を得てきている。

 例えば2014年6月のG7ブリュッセル・サミットでは、拉致問題の解決の重要性について改めて各国の理解と支持を得て、北朝鮮に対し、拉致問題を含め、人権侵害に対処するため速やかな措置をとること等を求める首脳宣言が発出された。

4. 二国間協議


日米首脳会談(2014年4月)


オバマ大統領と拉致被害者御家族の面談(2014年4月)


日米韓首脳会談(2014年3月)


日米韓外相会合(2014年8月)

 我が国は、米国、韓国、中国、ロシアを始めとする各国との首脳会談、外相会談等においても拉致問題を取り上げており、各国から我が国の立場への理解と支持が表明されている。

 例えば、2013年2月の日米首脳会談では、安倍総理から、拉致問題を自分の政権のうちに完全に解決するとの決意を表明し、これまでの米国の理解と支持に謝意を述べた。また、2014年4月の日米首脳会談後には、オバマ大統領は、拉致被害者御家族と懇談した。日米の首脳間では、その他の会談や電話会談においても拉致問題について話し合っており、オバマ大統領から、拉致問題についての日本の立場への支持が繰り返し表明されている。

 韓国との間では、2013年3月の日韓首脳電話会談において、安倍総理から朴大統領に拉致問題について協力を求め、朴大統領から拉致問題について我が国と協力していく旨の発言があった。2014年8月の日韓外相会談でも、岸田大臣から、拉致問題解決に向けた協力を求めたのに対し、尹炳世(ユン・ビョンセ)長官から、理解と協力の表明があった。

 また、2014年3月の日米韓首脳会談においては、安倍総理から、拉致問題に関する米国及び韓国の一貫した理解と協力に謝意を表しつつ、両国と連携して対応していく旨述べ、米韓両国から理解を得た。さらに、同年8月の日米韓外相会合でも、岸田大臣から、拉致問題についての米韓両国の一貫した理解と協力に謝意を表明している。

 中国に対しては、これまでの首脳会談で、拉致問題の解決に向けて、北朝鮮側への働きかけを含め、中国側の一層の理解と協力を要請してきており、中国側は日朝関係の改善を支持していると述べている。

 また、2012年12月の日露首脳電話会談において、安倍総理から拉致問題についての理解を求めたのに対し、プーチン大統領から、日本の懸念を理解する旨の発言があり、その後の首脳会談でも、同大統領から、理解と早期解決への期待が示されている。

このページのトップへ戻る
北朝鮮へ戻る