中華人民共和国

令和元年11月4日
(写真1)日中首脳会談1(写真提供:内閣広報室) 日中首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
(写真2)日中首脳会談2(写真提供:内閣広報室) 日中首脳会談
(写真提供:内閣広報室)

 ASEAN関連首脳会議に出席するためタイ・バンコク出張中の安倍総理は,現地時間11月4日,10時28分頃(日本時間:午後0時28分頃)から約25分間(同時通訳),中国の李克強(り・こっきょう)国務院総理との間で,日中首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり。

1 冒頭

(1)冒頭,李克強国務院総理から概要以下のとおり述べた。

ア 1年ぶりに安倍総理と会談を行うことができ嬉しく思う。自分と安倍総理はこの1年で相互訪問を実現し,共に日中両国の関係が正常な軌道に戻り,新たな発展を遂げることを後押ししてきた。

イ 日中両国は隣国かつ世界の主要な経済体である。日中双方は共に多国間主義および自由貿易を守っていきたいと考えている。日中は共通利益に焦点をあて拡大するべきである。

ウ 今年は日中韓協力20周年である。来月中国で第8回日中韓サミットを開催する予定であり,中国西部の非常に活力のある都市である成都に定めた。自分は成都で安倍総理と共に日中韓サミットに出席することを期待している。日中韓協力は東アジア地域がより整った,競争力のあるサプライ・チェーンを形成することを促進する上,そのことは2国間,3か国,そして世界に資するものであると信じている。

(2)これに対し,安倍総理大臣から概要以下のとおり述べた。

ア 昨年10月以来の会談を嬉しく思う。昨年5月に李総理が訪日し,北海道を共に訪問して以降,10月の私の訪中本年6月の習主席のG20大阪サミット出席といった首脳間の相互往来を着実に積み重ねてきており,日中間の協力は確実に発展してきている。

イ 10月22日には,習主席の特使として王岐山(おう・きざん)国家副主席に,即位礼正殿の儀に参列いただいた。日本にとって非常に重要な式典であり,感謝。

ウ 次は中国が議長国として調整中の日中韓サミットで私が訪中する番となる。先ほど李総理から,成都で開催するとの御紹介があったが,この機会も活用しつつ,来春の習主席の国賓訪日を「日中新時代」にふさわしい有意義なものとするため,協力していきたい。

エ 日中両国は共に地域と世界の平和,安定,繁栄に大きな責任を有する国である。日中間の協力が更に発展していくことを期待している。

2 日中関係等

(1)双方は,来春の習近平国家主席の国賓訪日を有意義なものとすべく,日中韓サミットの機会を含め協力していくことを確認した。その上で,安倍総理大臣から,アジア・世界の平和と繁栄に大きな責任を有する両国として,地域・国際社会の課題に取り組んでいきたい旨述べた。

(2)(2) また,安倍総理大臣からは,(ア)日本産食品の輸入規制問題,(イ)尖閣諸島周辺海域等の東シナ海を始めとする海洋・安全保障問題,(ウ)邦人拘束事案等について,中国側の前向きな対応を引き続き強く求めた。

(3)香港情勢に関し,安倍総理大臣から,大変憂慮している旨述べつつ,関係者による自制と対話による平和的話合いを通じた解決を求めるとともに,引き続き「一国二制度」の下,自由で開かれた香港が繁栄していくことの重要性を指摘した。

(4)また,安倍総理大臣から,国際社会共通の関心事項である南シナ海問題について,係争中の地形の非軍事化の重要性を指摘した。

(5)双方は,日中両国間の経済・実務協力等様々な分野の協力を更に強化していくことで一致した。また,双方は,RCEPの早期妥結に向け,引き続き協力していくことを確認した。その上で,安倍総理大臣からは,「質の高いインフラ投資に関するG20原則(PDF)別ウィンドウで開く」について,同原則で示された国際スタンダードを実践していきたい,また,WTO改革の進展に向け,中国にもより大きな役割と責任を果たすことを期待する旨述べた。

(6)双方は,最近の北朝鮮情勢について意見交換を行い,安保理決議の完全な履行の重要性について一致した。また,拉致問題に関し,安倍総理大臣から,早期解決に向けた理解と支持を求めた。

(7)双方は,来春の習主席の国賓訪日に向け,引き続きこうした大局的な観点からの意見交換を行っていくことで一致した。


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