バングラデシュ人民共和国
日・バングラデシュ外相会談
バングラデシュ訪問中の河野太郎外務大臣は,19日(日曜日)8時(現地時間)から約45分間,アブル・ハッサン・マームード・アリ・バングラデシュ外務大臣(H.E.Mr. Abul Hassan. Mahmood Ali, Foreign Minister of the People's Republic of Bangladesh)と朝食を交えて会談を行ったところ, 概要は以下のとおりです。
1 冒頭,アリ大臣から,河野大臣のバングラデシュ訪問を歓迎する,両国は首脳レベルを含めた人的交流,文化交流など良好な関係を有しており,特に,6,000億円の支援を含め日本からの一貫した支援にバングラデシュの国民は深い感謝の念を有している旨の発言がありました。さらに,アリ大臣から,ダッカ襲撃テロ事件後も,日本政府がバングラデシュに対する経済協力を続ける姿勢を明確にしていることに感謝する旨,また,引き続き邦人の安全確保に万全を期す旨発言がありました。
これに対し,河野大臣から,ダッカ襲撃テロ事件で多くの尊い命を失ったが,引き続き良き開発パートナーとして,バングラデシュの2021年までの中進国化実現に向けバングラデシュの発展に全面的に協力していく旨,「包括的パートナーシップ」 の下,両国関係を更に深化させていきたい旨述べました。
2 河野大臣から,ラカイン州における襲撃事件によりバングラデシュに流入している避難民をバングラデシュ政府が受け入れ,人道的観点から最大限の配慮をもって対応し,現在の危機をミャンマー政府との対話を通じて解決するために努力していることを高く評価する旨述べました。また,避難民の帰還を含むバングラデシュ政府の恒久的解決に向けた取組をしっかりと支援していくとの姿勢を説明し,これまでの緊急支援に加え,国際機関を通じ,増大する避難民にとり優先度の高い食料などの分野への支援として,合計1,860万ドルの支援(注)を決定した旨述べました。
(注)新たに決定した緊急無償資金協力1,500万ドル(WFP:国連世界食糧計画)とUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)当初予算支出分からの新規配分360万ドル。
3 これに対し,アリ大臣から,バングラデシュの避難民に対する人道的取組,恒久的解決に向けたミャンマー政府との対話の継続について説明するとともに,国連安保理議長声明の支持を含め日本政府からの支援に謝意が表明された。 両国は,引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
4 河野大臣は,「自由で開かれたインド太平洋戦略」について説明したのに対し,アリ大臣は,インド太平洋地域における航行の自由,法の支配などの原則に同意する,このコンセプトの一部となりたいと述べました。
5 河野大臣は,安保理決議の履行を含め北朝鮮への圧力を最大限まで高めていくこと, 拉致問題の早期解決が重要である旨述べました。アリ大臣からは,北朝鮮に関する日本の立場を強く支持する旨発言がありました。
6 河野大臣から,国連のシステムは国際社会の現状を踏まえておらず,改革が必要である旨述べた。アリ大臣から,バングラデシュは日本の安保理常任理事国入りを支持している旨述べ,両国は国連安保理改革の実現に向けて引き続き連携していくことで一致した。
7 河野大臣から,アリ大臣の訪日を歓迎する旨述べたのに対し,アリ大臣から来年にも日本を訪問したいとの意向が示され,今後調整していくこととなった。