フィリピン共和国

日・フィリピン首脳会談

平成28年9月6日

英語版 (English)

 本6日,11時58分(現地時間,日本時間13時58分)から約45分間,安倍晋三内閣総理大臣は,ASEAN関連首脳会議出席のために訪問中のラオス・ビエンチャンにおいて,ドゥテルテ・フィリピン大統領(H. E. Mr. Rodrigo Roa Duterte, President of the Republic of the Philippines)との間で会談を行ったところ,概要は以下のとおり。なお,今回の会談は,6月30日に就任したドゥテルテ大統領との初の首脳会談であり,和やかな雰囲気の中,日フィリピン関係の発展に向けて,様々な議題について意見交換が行われた。

1 冒頭

 安倍総理から,大統領就任に祝意を表する,先般,ダバオで発生したテロ事件を断固として非難する,犠牲になられた方々や御家族に心から哀悼の意を表したい,本年は両国の国交正常化60周年の節日の年であり,緊密なパートナーシップの下,幅広い分野で両国の協力関係を一層進展させたい旨述べた。
 これに対し,ドゥテルテ大統領から,先日のダバオでのテロ事件に対する日本政府,日本国民からの弔意に感謝する,これまでの日本のフィリピンに対する支援に感謝する,特にJICAのプレゼンスはあらゆる分野でフィリピンの国全体の発展に貢献している,日本とフィリピンは常に良好なパートナーであり,今後とも協力関係を深化させたい旨述べた。

2 二国間関係

(1)日本の対フィリピン協力

 安倍総理から,今回のテロ事件を受けて,日本はフィリピンのテロ対策について可能な限りの支援を惜しまない,さらに,ミンダナオ和平,経済発展等重要課題についても協力していきたい,ミンダナオでは,この10年間で元紛争地域に対して190億円以上,島全体に対して760億円以上の支援を実施している旨述べた。
 また,安倍総理から,今般,ダバオ市の都市インフラ開発計画策定への支援を開始し,ミンダナオ向けの「アグリビジネス促進事業」について,フィリピン政府と精査中の事業内容が確定次第速やかに供与する用意がある,日本の知見を積極的に活用し,ソフトとハード両面で包括的にミンダナオを支援したい旨述べた。さらに,インフラ支援では,マニラ首都圏の地下鉄については順調に調査が進捗しており,今般,メトロ・セブ都市交通の開発計画の策定への支援も決定,南北通勤鉄道を含めマニラ首都圏の運輸交通等のインフラ整備や地方開発においても積極的に協力を進めていく旨述べた。
 これに対し,ドゥテルテ大統領から,日本はダバオ市の発展にも多大な貢献をしており,感謝している,日本,JICAの支援の目的は地域の発展であり,フィリピンとしてその役割に信頼を寄せている旨述べた。

(2)海洋安全保障分野における協力

 海洋安全保障分野における協力については,両首脳間で,海自練習機(TC-90)の移転について合意した。その上で,安倍総理から,比海軍のパイロット教育,整備基盤の能力向上を含め,安保・防衛協力を今後も進めたい旨述べた。
 また,安倍総理から,40m級巡視艇10隻の1隻目がフィリピンに到着し,今後残りも順次到着予定である他,大型巡視船2隻について円借款供与を決定した旨述べた。
 これに対し,ドゥテルテ大統領より,謝意が表されるとともに,それら巡視艇によってフィリピンが近海においてパトロールを強化することが可能となり,海域におけるフィリピンのプレゼンスを向上させることができる旨述べた。

(3)ドゥテルテ大統領の訪日招待

 安倍総理から,ドゥテルテ大統領の早期訪日を期待している旨述べた。

3 地域情勢

(1)南シナ海問題

 南シナ海をめぐる問題について,両首脳は,法の支配の重要性等について意見交換を行い,先般の比中仲裁判断も踏まえ,紛争の平和的解決に向け,協力関係を強化していくことを確認した。

(2)北朝鮮

 安倍総理より,本年,北朝鮮は約20発のミサイルを発射した上,G20開催中の5日にも3発の弾道ミサイルが我が国排他的経済水域に着弾し,我が国及び地域の安全保障に対する重大な脅威である,北朝鮮の相次ぐ挑発行動に対し,国際社会は断固たる対応をとるべきであり,安保理決議(PDF)別ウィンドウで開くの厳格な履行等を通じ,圧力を強化すべき,また,拉致問題の解決に向け,ASEANで一致したメッセージを出すことが重要であり,理解と協力を期待する旨述べた。
 これに対し,ドゥテルテ大統領より,朝鮮半島の問題については,日本の立場を支持している,さらに協力関係を深めていきたい旨述べた。

(注)円借款「南北通勤鉄道計画」

 マニラ首都圏の南北軸の近郊と首都圏を結ぶ「南北鉄道計画」のうち,北方のブラカン州マロロス市から首都圏マニラ市ツツバンまでの約38kmの区間を新たに整備(線路の敷設や車両調達等)するもの(約2,420億円)。マニラ首都圏の交通ネットワークの強化とその深刻な交通渋滞の緩和を図り,もって投資促進を通じた持続低成長及び脆弱性の克服と生活・生産基盤の安定に寄与するもの。2015年11月,日・フィリピン政府間で交換公文の署名が行われた。


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