インド
第12回日印外相間戦略対話



11月30日,16時10分頃から約1時間,インド・デリーを訪問中の茂木敏充外務大臣は,スブラマニヤム・ジャイシャンカル印外務大臣との間で日印外相間戦略対話を開催したところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭
ジャイシャンカル外務大臣から,茂木大臣のインド訪問を歓迎した上で,茂木大臣とはこの後開催される日印閣僚級「2+2」を含め,一週間で3回会談を行うこととなるが,今回の会談では,安倍総理のインド訪問に向けた準備を行うことを一つの目的としたいと述べました。
茂木大臣から,外務大臣としては初めてのインド訪問であり,この度,初となる日印閣僚級「2+2」と貴外相との日印外相間戦略対話を開催でき,喜ばしい,本日は,来る総理訪印に向け,戦略対話にふさわしく,二国間関係全般,地域情勢及び国際情勢につき,さらに突っ込んで意見交換したいと述べました。
2 二国間関係
両外相は,総理訪印に向けて緊密に連携していくことを確認しました。
茂木大臣から,(1)日印閣僚級「2+2」の結果をその後に繋げること,(2)ACSAの実質合意に向け作業を加速させること,(3)連結性強化のためのインド北東部や第三国における日印協力の推進を確認すること,(4)デジタル分野での協力やスタートアップに関する日印協力の進展を確認すること,(5)人的交流を推進していくこと等の重要性につき述べました。
ジャイシャンカル外務大臣からは,ACSAの妥結に向けた進展,第三国協力,インド北東部を含む連結性強化等の面で成果を上げていきたいと述べました。
また,両外相は,高速鉄道事業を着実に進展させていくことの重要性を確認しました。
3 地域情勢及び国際情勢
(1)ジャイシャンカル外相から,東アジアサミット(EAS)で立ち上げた「インド太平洋海洋イニシアティブ」につき説明があったところ,茂木大臣から右イニシアティブの発表を歓迎しました。また,両外相は,「自由で開かれたインド太平洋」の実現のために引き続き連携し,第三国での協力を進めることで一致しました。
(2)両大臣は,最近の北朝鮮による弾道ミサイル発射を含め,北朝鮮情勢について意見交換し,茂木大臣から安保理決の完全な履行が不可欠であると指摘,拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求めました。
(3)両外相は,来年の国連創設75周年の機会を最大限生かし,安保理改革の実質的な進展を得ることの必要性について,認識を共有しました。
(4)また,茂木大臣から,核兵器不拡散条約(NPT)体制の維持・強化及び包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効の重要性につき伝達しました。