フィリピン共和国
日・フィリピン外相会談



本10日午前10時30分から約45分間(現地時間;日本時間同日午前11時30分から),河野太郎外務大臣は,在ダバオ総領事館開館式典への出席等のため訪問中のフィリピン・ダバオにおいて,テオドロ・ロクシン・フィリピン共和国外務大臣(H.E. Teodoro Lopez Locsin Jr., Secretary of Foreign Affairs of the Republic of the Philippines)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭,河野大臣から,ドゥテルテ大統領の地元であり,日本と歴史的なつながりの深いダバオに総領事館が開設されたことで,両国国民の絆は益々強くなるものと確信する旨述べました。これに対し,ロクシン外務大臣から,在ダバオ日本国総領事館の開館を心から歓迎する,日本との関係を更に強化していきたい旨述べました。
2 ミンダナオ和平に関し,河野大臣から,住民投票の結果,バンサモロ基本法が批准されたことを歓迎する旨述べました。また,河野大臣から,今後,バンサモロ暫定自治政府の発足という重要な段階を控え,行政能力の強化及びモロ・イスラム解放戦線(MILF)元兵士の退役・武装解除の円滑な実施が極めて重要である旨指摘するとともに,今後も和平プロセスの進展に呼応して支援を強化していく旨述べました。ロクシン大臣から,日本による長年にわたる協力(PDF)に対して謝意が述べられました。
3 両大臣は会談後,長年,紛争の影響を受けてきたミンダナオ島西部において,人々の生活の基盤となる道路網を整備するための,総額20,204万ドルを限度とする有償資金協力「ミンダナオ紛争影響地域道路ネットワーク整備計画」に関する交換公文に署名しました。
4 両大臣は,防衛装備品の移転や共同訓練など,日・フィリピン両国の安保協力が大きく進展していることを歓迎し,日フィリピンPM協議及び海洋協議を早期に再開することで一致しました。河野大臣から,法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋を実現することは地域全体の目標である旨述べ,両大臣は,海洋安保能力構築分野の協力で引き続き連携していくこと,一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致しました。
5 また,両大臣は,北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な廃棄の実現,また,安保理決議の完全な履行が必要との認識を共有しました。また,河野大臣から,拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め,ロクシン大臣の支持を得ました。