報道発表
岡本外務大臣政務官の「食品ロスを考える国際セミナー-さあ,今日から実践!-」への出席(結果)
本2日,岡本三成外務大臣政務官は,訪日中のダニエル・グスタフソン事務局次長(Dr. Daniel Gustafson, Deputy Director-General)(プログラム担当)の参加の下に行われた「食品ロスを考える国際セミナー -さあ,今日から実践!-」に出席したところ,概要は以下のとおりです。
1 このセミナーは,国連食糧農業機関(FAO)及び料理を通して被災地支援を行う有志団体「料理ボランティアの会」の協力の下,食品ロスについて国際的な観点から理解を深めることを目的として開催されました。このイベントには,主催者である外務省を代表して岡本三成外務大臣政務官が出席したほか,関係省庁,国際機関,民間企業,報道機関などから約50名が参加しました。
2 冒頭,岡本政務官から,世界では8億を超える人々が飢餓に苦しんでいる一方で,食品廃棄の多さが世界的に課題になっており,日本においても,私たち日本人1人当たりに換算すると,“お茶碗約1杯分の食べ物”が毎日捨てられていることを紹介しました。また,食料の多くを輸入に頼る日本にとって,食べ物の大切さを十分に理解し,食品ロスを減らすことは,日本と世界の食料安全保障の強化につながる重要な取組である旨述べつつ,グスタフソン事務局次長はじめ,食品ロスに造詣の深い専門家によるこのセミナーへの参加を歓迎しました。
3 続いて,グスタフソン事務局次長から,世界では食品廃棄物の総量が13億トンにのぼり,開発途上国においては生産及び収穫後の段階で,先進国においては消費段階で多い傾向にあることを紹介しました。また,食品ロス削減のためには,消費者の教育及び意識改革並びに技術の活用が重要であるとともに,食べ残しをつめて持ち帰るための袋や容器「ドギーバッグ」の普及やスマートフォンアプリの開発など日本での取組を紹介した上,日本には食品ロス削減における主導的役割を担うことを期待する旨述べました。
4 また,中村勝宏FAO親善大使から,昨年5月に日本担当のFAO親善大使に任命されて以来,国内外で行ってきた食品ロス・食品廃棄削減に向けた取組や,食を通じた被災地支援に関する活動を報告しました。
5 さらに,中村FAO親善大使,チャールズ・ボリコFAO駐日連絡事務所長,小林富雄ドギーバッグ普及委員会理事長及び河合亮子農水省食品産業環境対策室長をパネリストに迎え,高橋美佐子外務省経済安全保障課長をモデレーターとして,外食を含む消費段階での「食品ロス」に焦点を当て,同問題の解決に向けた取組の推進等について意見交換を行いました。
6 なお,このセミナーのティーブレイクにおいて,被災地の復興支援を目的に「料理ボランティアの会」の協力で開発された,福島産果物を使ったフルーツケーキが紹介され,参加者に振る舞われました。
[参考1]FAO概要
1945年に設立された食料・農林水産分野の国連専門機関(事務局本部はローマ)。加盟は194加盟国(我が国は1951年に加盟),2準加盟国及び欧州連合(EU)。世界経済の発展及び人類の飢餓からの解放を目的とし,農林水産分野の国際的ルールの策定,世界の食料・農林水産物に関する情報収集・伝達・分析・統計資料の作成,国際的な協議の場の提供,開発途上国に対する技術助言・技術協力等を実施。
[参考2]料理ボランティアの会
2004年10月の中越地震を契機にジャンルを超えた料理人により2007年に結成された被災地復興支援のための民間ボランティア団体。“美味しい物を食べて元気を出して下さい”が合言葉。