報道発表

世界貿易機関紛争解決「ブラジルの税制恩典措置」パネル報告書の公表

平成29年8月30日

1 本30日(現地時間同日),世界貿易機関(WTO)紛争解決手続において,我が国がブラジルに対して申立てを行っていた紛争案件「ブラジルの税制恩典措置」に関して,我が国の主張を認め,ブラジルの措置がWTO協定に非整合的であるとし,措置の是正を求めるパネル報告書が公表されました。

2 我が国は,このパネルの判断を歓迎するとともに,今回の報告書を受け,WTO協定に整合的でないと認定された措置をブラジルが誠実かつ速やかに是正することを求めます。

(参考)
(1)ブラジルは,一定の要件を満たす自動車メーカー等に対して,ブラジル国内生産・投資,国産部品の比率等に応じた減税を認める措置を実施。また,情報通信分野においても自動車分野同様の措置を実施するとともに,輸出企業に対しても一定の輸出実績等を条件に連邦税の猶予,免除措置を実施している。

(2)こうした措置がWTO協定上の義務に違反しているおそれがあるため,2015年7月,我が国はブラジルに対してWTO紛争解決手続に基づく協議を要請し,同年9月に協議を実施した。その後直ちに,我が国は,WTOにパネル設置要請を行い同月パネルが設置された

(3)パネル報告書は,WTOの紛争解決に係る規則及び手続に関する了解の規定により,当事国が第二審にあたる上級委員会に申立てを行わない場合には,報告書の全加盟国送付の後60日以内にWTO紛争解決機関において採択され,判断が確定する。


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