報道発表
強制失踪委員会委員選挙投票結果
1 本21日(現地時間20日),ニューヨークの国連本部で開催された第4回強制失踪条約締約国会合において,強制失踪委員会委員選挙が行われ,5名の委員が改選されました。我が国より立候補した寺谷広司(てらやこうじ)東京大学大学院法学政治学研究科教授は,46票を獲得して当選を果たしました。我が国が強制失踪委員会委員に候補者を擁立したのは今回が2度目です(現在は薬師寺公夫立命館大学教授が委員を務めています)。
2 寺谷教授は,国際法,特に,国際人権法,国際人道法が専門であり,国内外で20年以上の研究・教授の経験・実績があります。
3 我が国は,拉致問題を含む強制失踪問題への国際的な関心を高めるとの見地からも強制失踪条約を重視しています。寺谷教授が,国際人権法に関する幅広い知見・経験を活かし,強制失踪委員会の活動に貢献されることは,人権外交を積極的に推進する我が国にとって,重要な意義を有しています。
(参考1)選挙結果
今次選挙において選出された委員の国籍は以下のとおり(有効投票数55票)。
チュニジア(50票),日本(46票),セルビア(41票),アルゼンチン(39票),モロッコ(36票)
(参考2)強制失踪委員会(Committee on Enforced Disappearances:CED)
強制失踪条約第26条に基づき設置。締約国の同条約実施状況に関する検討(第29条),個人及び締約国からの通報の検討(第31条及び第32条),失踪者の捜索に係る情報提供要請及び勧告(第30条)等を任務とする。委員は締約国国民の中から締約国により選出され,10名の委員は,個人の資格で職務を遂行し,2年ごとに半数が改選される。現在は薬師寺立命館大学教授が2期目として委員を務める(任期は2017年6月30日まで)。
(参考3)強制失踪条約
正式名称は「強制失踪(そう)からのすべての者の保護に関する国際条約」。我が国は2009年7月に批准。同条約は2010年12月に発効。締約国は本年6月21日現在で56か国。