外務大臣談話
北朝鮮による核実験等に関する国連安保理決議の採択について
(外務大臣談話)
1 11月30日深夜(現地時間30日午前),ニューヨークの国連安全保障理事会が,北朝鮮による核実験等に関する決議第2321号(PDF)を全会一致で採択したことを高く評価します。北朝鮮の核実験及び弾道ミサイルの発射は,許し難い暴挙であり,断じて容認できません。特に本年9月の核実験は,相次ぐ弾道ミサイル発射と相まって,我が国を含む国際社会全体にとって新たな段階の脅威です。我が国は国連安保理の理事国として,断固たる強い国連安保理決議の採択に向けて関係国とあらゆるレベルで緊密に協議してきました。今般の国連安保理決議の採択を,国際社会が一致して北朝鮮に対する断固たる姿勢を示すものとして歓迎します。
2 決議第2321号は,本年3月の国連安保理決議第2270号(PDF)を強化し,北朝鮮への人,物資,資金の流れ等を更に厳しく規制する内容のものとなりました。我が国としては,この決議の実効性を確保するため,国連における制裁委員会の積極的な活用も含め,他の国連加盟国とも緊密に連携し,適切に対応していく考えです。
3 我が国は北朝鮮に対し,国際社会が繰り返し示している強い警告と非難を真摯に受け止め,今般採択された国連安保理決議第2321号を始め,一連の安保理決議を誠実かつ完全に実施し,更なる核実験や弾道ミサイル発射等の挑発行動を決して行わず,非核化に向けた前向きな行動をとるよう改めて強く求めます。
4 我が国としては,今後も,「対話と圧力」,「行動対行動」との原則の下,核,ミサイル,そして,引き続き最重要課題である拉致問題といった北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的解決に向けて,米韓両国を始めとする国際社会と緊密に連携し,引き続き積極的に取り組んでいく考えです。拉致問題については,北朝鮮が真剣に対話に応じるよう,厳しい圧力をかけながら,一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現すべく,全力を尽くしていく所存です。