外務大臣談話

第28回人権理事会における北朝鮮人権状況決議の採択について(外務大臣談話)

平成27年3月27日

英語版 (English)

1 本27日,スイスのジュネーブで開催中の第28回人権理事会において,我が国及びEUが共同提出した北朝鮮人権状況決議案が,賛成多数で採択されたことを高く評価します。

2 本年の決議は,昨年12月の国連総会決議の採択を歓迎するとともに,同月,国連安全保障理事会が初めて,「北朝鮮の状況」を議題として採択し,北朝鮮の人権状況が議論されたことを歓迎し,安保理の継続的かつ積極的な関与を期待するとしています。さらに,今回の人権理事会に提出された,「国際的な拉致,強制失踪及び関連する事項に関する包括的な戦略案」を含む,マルズキ・ダルスマン北朝鮮人権状況特別報告者の報告書を歓迎するとともに,本年9月の,人権理事会でパネル・ディスカッションを開催することを決定しています。その上で,国連機関等全ての関係者に,昨年公表された国連調査委員会(COI)の勧告の実施を検討するよう改めて要求しています。

3 我が国は,本決議の採択が拉致問題の早期解決を含めた北朝鮮の人権状況の改善につながることを強く期待するとともに,国際社会とも協力して,北朝鮮に対し具体的な行動を取るよう引き続き強く求めていく考えです。

(参考1)採択結果
 賛成27票,反対6票(ボリビア,中国,キューバ,ロシア,ベネズエラ,ベトナム),棄権14票の賛成多数で採択された。

(参考2)人権理事会
 2006年3月の国連総会で採択された決議に基づき,国連における人権問題への対処能力強化のため,国連総会の下部機関としてジュネーブに設置。理事国数は47か国から構成される(アジア13,アフリカ13,ラテンアメリカ8,東欧6,西欧7)。我が国は,2013年1月から理事国。

(参考3)マルズキ・ダルスマン北朝鮮人権状況特別報告者
 北朝鮮人権状況特別報告者とは,人権理事会の決議に基づいて任命され,北朝鮮の人権状況につき調査を行い,人権理事会及び国連総会に報告する任務を有する独立資格の個人。2010年8月にインドネシア出身のマルズキ・ダルスマン氏が任命された。

(参考4)第28回人権理事会に提出した,マルズキ・ダルスマン北朝鮮人権状況特別報告者の報告書
 3月9日,マルズキ・ダルスマン北朝鮮人権状況国連特別報告者が人権理事会に提出する報告書が公表された。本報告書は,「国際的な拉致,強制失踪及び関連する事項」に焦点を当て,拉致問題等の終結及び説明責任の確保を目標とし,二国間レベルの働きかけと国際社会による圧力とを結合するための多角的戦略を提示。概要以下のとおり。

(1)国際的な拉致及び強制失踪の包括的見取り図の作成
(2)安保理による行動の維持
(3)国連人権理事会及び国連総会による行動の維持
(4)将来の人権コンタクト・グループによる対象の定められた行動
(5)失踪者(国際的な拉致,強制失踪及び関連する問題を含む。)に関する国際会議
(6)国際的な市民社会の連携の積極的な役割
(7)コミュニケーション,広報・啓発及びアウトリーチのイニシアティブ
(8)地域的メカニズムの積極的な役割
(9)国連人権メカニズムの継続的利用
(10)終結及び説明責任

(参考5)本決議のパネル・ディスカッションに関する記述

(1)特別報告者による,拉致問題等に関する人権理事会による持続的な活動の呼びかけを歓迎。右活動にはパネル・ディスカッションを含む。(パラ10)

(2)第30回人権理事会(2015年9月)にて,拉致問題等を含む北朝鮮の人権状況に係るパネル・ディスカッションの開催を決定。OHCHRに対し,各国及び関係諸機関と協力するよう要請。(パラ11)

(参考6)北朝鮮における人権に関する調査委員会(COI)別ウィンドウで開く

(1)概要
 拉致問題を含む北朝鮮の人権状況全般に係る人権侵害を調査するため,2013年3月の人権理事会における決議で設置が決定。マイケル・カービー氏(委員長,元豪州連邦最高裁判所判事),マルズキ・ダルスマン氏(北朝鮮人権状況特別報告者,元インドネシア検事総長)及びソーニャ・ビセルコ氏(セルビア・ヘルシンキ人権委員会(NGO)代表)の3名で構成。活動期間は1年。報告書を作成し,2014年3月の第25回人権理事会に提出した。同調査委員会は,2013年8月27日から9月1日まで,調査のため訪日。日本滞在中は,総理及び外務大臣を表敬した他,公聴会による北朝鮮の人権状況についてのヒアリングを実施。また,我が国関係省庁からも,拉致問題を中心として,合同で同委員会に説明を行った。

(2)最終報告書
 昨年2月17日公表(3月17日提出)。北朝鮮における深刻な人権侵害を,拉致問題を含む複数の分野に亘り,包括的に詳述。いくつかの人権侵害を,「人道に対する罪」に該当すると断定し,北朝鮮に具体的な取組を勧告するとともに,国際社会や国連にもさらなる行動を求めている。拉致問題についても,その事実を記載するとともに,拉致及び拉致被害者の置かれた状況は,現在も進行中の人道に対する罪と断定し,北朝鮮に対し,拉致被害者に関する情報提供と被害者本人及びその子を帰国させるよう勧告。


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