日本の安全保障と国際社会の平和と安定
国際海底機構
(ISA:International Seabed Authority)
令和7年2月3日
1 沿革
国際海底機構は、国連海洋法条約に基づき、同条約のすべての締約国を構成国として、1994年11月16日に設立された。事務局はジャマイカの首都キングストンに置かれている。
2 目的・任務
国際海底機構は、国連海洋法条約が「人類の共同の財産」と規定した深海底(すべての沿岸国の大陸棚の外側にあっていずれの国の管轄権も及ばない海底及びその下)の鉱物資源の管理を主たる目的とし、国連海洋法条約及び同条約第11部の実施協定の規定に従って、深海底における活動を組織し及び管理する。
3 組織
国際海底機構は、総会、理事会、事務局、法律・技術委員会、財政委員会等から構成される。事務局長は、レティシア・レイス・デ・カルヴァーリョ氏(ブラジル出身)(2025年1月に就任。任期は2028年末まで。)。
4 財政
国際海底機構の運営経費は、構成国の分担金等で賄われている。予算は2か年予算であり、隔年毎に国際海底機構総会が決定する。
5 主な活動
これまでに、国際海底機構は、3種類の深海底鉱物資源について概要調査・探査規則をそれぞれ採択した(マンガン団塊:2000年採択、海底熱水鉱床:2010年採択、コバルトリッチクラスト:2012年採択)。これらの規則に従い、現在、国際海底機構と契約を結んだ21の事業者(コントラクター)が、計30件の探査活動を実施中(マンガン団塊19件、海底熱水鉱床7件、コバルトリッチクラスト4件)。我が国からは、深海資源開発株式会社(DORD)がハワイ南東沖の鉱区でマンガン団塊の探査活動を、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が北西太平洋の鉱区でコバルトリッチクラストの探査活動をそれぞれ実施している。
現在、理事会において深海底鉱物資源の開発に係る規則を策定中。
6 我が国との関係
- (1)我が国は、深海底における活動に携わる国として、国際海底機構の設立以来、一貫して理事国に選出されている。また、我が国からは、福島朋彦氏(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構職員)が法律・技術委員会委員に(2022年8月選出。任期は2023年1月から2027年末まで。)、藤本晶子氏(外務省職員)が財政委員会委員に(2020年11月選出。2022年7月に再任。任期は2027年末まで。)選出されている。
- (2)我が国は、第2位の分担金拠出国(分担率は約11%。)であり、2024年は約95.7万米ドル(約1.3億円)を拠出した。
- 国際海底機構(ISA)理事国選挙における我が国の当選(令和6年8月5日)
- ロッジ国際海底機構事務局長による上川外務大臣表敬(令和6年2月19日)
- 渥美駐ジャマイカ大使の国際海底機構(ISA)事務局長への委任状の提出(令和5年2月21日)
- 国際海底機構(ISA)法律・技術委員会選挙及び財政委員会選挙における我が国指名候補の当選(令和4年8月29日)
- ロッジ国際海底機構事務局長による山田賢司外務大臣政務官表敬(平成30年10月11日)
- ロッジ国際海底機構事務局長による岸外務副大臣表敬(平成29年3月16日)
- 第22回国際海底機構総会及び理事会における選挙結果(理事国選挙、法律・技術委員会選挙及び財政委員会選挙)(平成28年7月25日)
- 国際海底機構(ISA)法律・技術委員会(LTC)委員補欠選挙における我が国指名候補の当選(平成27年7月15日)
- 国際海底機構信託基金に対する我が国の拠出(平成26年7月24日)
- 国際海底機構信託基金に対する我が国の拠出(平成25年7月25日)
- 深海底海洋科学調査協力基金に対する我が国の拠出(平成23年7月19日)