報道発表

国際海底機構(ISA)法律・技術委員会(LTC)委員補欠選挙における我が国指名候補の当選

平成27年7月15日

1 本15日(現地時間14日),ジャマイカのキングストンで開催されている第21回国際海底機構(ISA)理事会において,法律・技術委員会(LTC)委員補欠選挙が行われ,我が国が候補者として指名した神谷夏実(かみやなつみ)(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)金属資源技術部担当審議役が全会一致で当選を果たしました。

2 ISAは,国連海洋法条約に基づき設立された国際機関であり,同条約が「人類の共同の財産」とする深海底の鉱物資源の管理を主たる目的としています。また,LTCは,ISAの理事会の機関であり,深海底の鉱物資源の探査・開発のための規則案の策定,深海底の探査等を行う事業主体の活動の監督等を任務としています。

3  深海底の鉱物資源に対する関心が国際的に高まっている中,ISAが果たす役割も重要性を増しています。我が国は,ISAに対し,財政的な貢献に加え,我が国の優秀な人材を輩出することによって,ISAに引き続き積極的に協力していく考えです。今般当選した神谷委員は,深海底の鉱物資源の専門家として,LTCの任務の遂行に大いに貢献することが期待されます。

(参考)

1 LTC委員補欠選挙

(1) LTCは,原則として15人の委員で構成されるが,理事会は,必要な場合には,委員の人数を変更することができ,現任期(2012年~2016年)の委員の定数は,25人となっている(欠員1名)。各委員は,締約国が指名した候補者のうちから理事会により5年の任期で選出される。ただし,任期満了前に委員の辞任等があった場合,理事会は,当該委員と同一の地理的地域又は利益の分野から,その残任期間について委員を任命することとなっている。

(2) 神谷委員が当選した今次選挙は,2011年の前回通常選挙で再選を果たした岡本信行(おかもと のぶゆき)委員(JOGMEC海洋資源技術課長)が,本年6月に任期途中で辞任したことを受けて実施されたもの。神谷委員の任期は,本年7月15日(現地時間14日)から2016年12月31日まで。

2 神谷夏実JOGMEC金属資源技術部担当審議役

 深海底資源探査・技術開発の専門家(60歳)。1980年に早稲田大学大学院理工学研究科修士課程を卒業後,JOGMECの前身である金属鉱業事業団に入団。その後,技術開発事業,開発途上国との国際協力事業,鉱害防止事業の他,深海資源分野ではマンガン団塊の探査(1984年~1987年)及びマンガン団塊開発環境調査(1992~1994年)に従事。また,英国,豪州,チリにおいて計10年の調査業務経験を有する他,多数の国際会議への出席経験がある。2013年10月より現職。

3 ISAと我が国との関係

(1)2015年7月現在,我が国からは,マンガン団塊の探査については深海資源開発株式会社(DORD)が,コバルトリッチクラストの探査についてはJOGMECが,ISAの概要調査・探査規則に従い活動中。

(2)我が国は,深海底鉱物資源に携わる国として,ISAの設立以来,一貫して理事国に選出されている。また,理事会のもう一つの機関である財政委員会(FC)にも我が国指名の委員(山中真一氏(外務省職員),2011年7月再選。任期は2016年まで。)が選出されている。

(3)我が国は,ISAの最大の分担金拠出国であり,2015年は約84万米ドルを拠出した。また,2011年には各国の海洋科学者の深海底における科学的調査への参加を支援する深海底科学調査協力基金に10万米ドルを任意拠出した他,2013年及び2014年にはLTC及びFCの途上国出身の委員の会議参加を支援する国際海底機構信託基金に44,760米ドル及び21,660米ドルをそれぞれ任意拠出した。


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