ロシア連邦
河野外務大臣のロシア訪問



議長を務める河野外務大臣
11月23日から25日までモスクワを訪問した河野外務大臣は,24日11時10分(現地時間。以下同じ)から約1時間30分間,ラヴロフ外相との間で日露外相会談を行い,共同記者会見を挟んでワーキングランチを行いました。
また,同24日15時から,シュヴァロフ第一副首相との間で,貿易経済に関する日露政府間委員会第13回会合を約2時間45分間行い,共同記者発表を行いました。
それぞれの会合及びその他の行事の概要は以下のとおりです。
- 河野外務大臣とラヴロフ外相との共同記者発表
- 河野外務大臣とシュヴァロフ第一副首相との共同記者発表
1 日露外相会談(ワーキングランチ含む)
11月24日,河野大臣とラヴロフ外相との通算3回目の日露外相会談を実施しました(会談:約1時間半,ワーキングランチ:約1時間)。
- 日露外相会談
- 日露外相会談
- 日露外相会談
(1)今後の政治対話,二国間関係
両外相は,日露両首脳の緊密な対話により,日露関係が大きく進展していることを確認しました。また,外相間でも率直な意見交換を継続するべく,来年5月にあり得べき安倍総理の訪露の準備のため,日本で外相会談を開催することで一致しました。
さらに,来年1月後半から2月の間に,日露次官級協議を開催することで一致しました。
(2)北方領土問題
ア 北方四島における共同経済活動
両外相は,双方の法的立場を害さない形で,来春に向けてプロジェクト候補を具体化するべく,今後の作業の具体的な進め方を確認しました。また,作業を更に加速させるよう事務方に指示することで一致しました。
さらに,プロジェクトの内容に関する局長級作業部会及び人の移動に関する局長級作業部会の全体会合を,12月中旬に開催することで一致しました。
イ 元島民のための人道的措置
河野大臣から,航空機を利用した特別墓参の来年以降の継続に向けて働きかけました。航空機墓参や臨時の追加的な出入域地点の設置を含む改善策の実施に向けて,日露次官級協議で議論することとなりました。
(3)安全保障分野の協力
両外相は,「非伝統的脅威」への対応として,テロ,麻薬,マネーロンダリング,腐敗対策での新たな日露協力を進めることで一致しました。その一例として,国連犯罪麻薬事務所(UNODC)に対する日本外務省職員の派遣決定を歓迎しました。
また,ミサイル防衛について,ラヴロフ外相から懸念が表明されたのに対し,河野大臣から,我が国のミサイル防衛システムは,北朝鮮のミサイルに備えるものであって,日露間で脅威になるようなものではないこと,日本が運用する日本のミサイル防衛システムであることを説明しました。
(4)国際情勢
イ シリア情勢
河野大臣から,日本がこれまで行ってきた対シリア人道支援について説明し,ジュネーブ・プロセス進展のために米露の協力に期待する旨述べました。ラヴロフ外相からは,最新の情勢についてロシア側の見方の説明がありました。
2 貿易経済に関する日露政府間委員会
(1)少人数会合では,租税条約の早期発効や日露共同投資枠組みの更なる活用の重要性を確認したほか,日本側から、東日本大震災後の日本産水産物・食品の対ロシア輸入規制の撤廃を働きかけました。また,8項目の「協力プラン」の一つである「ロシア極東」での協力につき,日本側からその潜在性を指摘し,極東における協力を進めていくことで一致しました。
- 少人数会合
- 少人数会合
(2)続いて行われた拡大会合では,個別分野における互恵的協力の更なる具体化に向けた議論が行われたほか,2018年の相互交流年について,ロシア側組織委員会共同委員長であるシュヴァロフ第一副首相と同交流年の成功に向けた協力を確認しました。
- 拡大会合
- 拡大会合
3 その他の行事
(1)河野外務大臣とシュヴァロフ第一副首相によるボリショイ劇場訪問
11月24日夜,河野外務大臣とシュヴァロフ第一副首相は,来年5月26日に日露交流年の開会式が行われるボリショイ劇場を訪問し,バレエ「ロミオとジュリエット」を鑑賞しました。
(2)現地日本企業関係者との朝食会
11月25日,河野外務大臣は現地の日系企業関係者との朝食会を行い,最近の対露ビジネス,二国間交流の取組や最近の日露経済関係の現状等について意見交換を行いました。
(3)日本人墓地訪問
11月25日午前,河野外務大臣は,市内ドンスコエ墓地に位置する日本人墓地への訪問を行い,同墓地に埋葬されている日本人に対し,黙祷を捧げ,献花を行いました。
- ドンスコエ日本人墓地墓参
- 日本人墓地での献花
- 日本人墓地での献花
(4)「ロシアにおける日本年」関係者との懇談及び関連視察
11月25日午後,河野外務大臣は,2018年に予定される「ロシアにおける日本年」の関係者と懇談を行いました。その後,プーシキン美術館を訪問し,日露交流年の際に実施される展覧会の準備状況等を視察しました。
- 「ロシアにおける日本年」の関係者との懇談
- プーシキン美術館訪問