ロシア連邦
日露外相会談



11月24日,河野大臣とラヴロフ外相との通算3回目の日露外相会談を実施しました(会談:約1時間半,ワーキングランチ:約1時間)。
1 今後の政治対話,二国間関係
両外相は,日露両首脳の緊密な対話により,日露関係が大きく進展していることを確認しました。また,外相間でも率直な意見交換を継続するべく,来年5月にあり得べき安倍総理の訪露の準備のため,日本で外相会談を開催することで一致しました。
さらに,来年1月後半から2月の間に,日露次官級協議を開催することで一致しました。
2 北方領土問題
(1)北方四島における共同経済活動
両外相は,双方の法的立場を害さない形で,来春に向けてプロジェクト候補を具体化するべく,今後の作業の具体的な進め方を確認しました。また,作業を更に加速させるよう事務方に指示することで一致しました。
さらに,プロジェクトの内容に関する局長級作業部会及び人の移動に関する局長級作業部会の全体会合を,12月中旬に開催することで一致しました。
(2)元島民のための人道的措置
河野大臣から,航空機を利用した特別墓参の来年以降の継続に向けて働きかけました。航空機墓参や臨時の追加的な出入域地点の設置を含む改善策の実施に向けて,日露次官級協議で議論することとなりました。
3 安全保障分野の協力
両外相は,「非伝統的脅威」への対応として,テロ,麻薬,マネーロンダリング,腐敗対策での新たな日露協力を進めることで一致しました。その一例として,国連犯罪麻薬事務所(UNODC)に対する日本外務省職員の派遣決定を歓迎しました。
また,ミサイル防衛について,ラヴロフ外相から懸念が表明されたのに対し,河野大臣から,我が国のミサイル防衛システムは,北朝鮮のミサイルに備えるものであって,日露間で脅威になるようなものではないこと,日本が運用する日本のミサイル防衛システムであることを説明しました。
4 国際情勢
(2)シリア情勢
河野大臣から,日本がこれまで行ってきた対シリア人道支援について説明し,ジュネーブ・プロセス進展のために米露の協力に期待する旨述べました。ラヴロフ外相からは,最新の情勢についてロシア側の見方の説明がありました。