日本の領土をめぐる情勢

令和3年3月31日

北方領土 Northern Territories

北方四島をめぐる日露協力の進展

 政府は、北方領土問題の解決を含む平和条約交渉の進展のための環境整備にも資するものとして、北方四島において次のような協力や交流を行っています。

1.四島交流、自由訪問及び北方墓参

日露双方の領土問題に関する法的立場を害さないという前提の下で、次の3通りの北方四島への訪問の枠組みが設定されています。

(1)四島交流:北方領土問題の解決までの間、相互理解の増進を図り、領土問題の解決に寄与することを目的として、日本国民と北方四島に居住するロシア人との間の旅券・査証なしによる相互訪問事業です。1992年から2020年末までにのべ24,488名(日本人14,356名、四島在住ロシア人10,132名)が相互に渡航しました。

(2)自由訪問:人道的見地から、元島民及びその家族である日本国民による最大限に簡易化された北方領土への訪問事業です。これまでこの枠組みにより5,231名(2020年末現在)の日本人が北方四島に渡航しました。

(3)北方墓参:人道的観点から行われている身分証明書による墓参事業です。これまでこの枠組みにより4,851名(2020年末現在)の日本人が北方四島に渡航しました。また、2017年からは航空機を利用した墓参が3年連続で実現しました。

2.北方四島住民支援

政府は、領土問題解決の環境整備の一環として、北方四島からの患者の受入れ(2019年度はのべ17名)、北方四島医師・看護師等研修(2019年度は2名)等の、北方四島在住のロシア人にとって真に人道的に必要な支援を実施してきています。

(詳細は「北方四島住民支援事業」のページをご覧下さい。)

3.北方四島における共同経済活動

2016年12月にプーチン大統領が訪日した際の山口における首脳会談では、平和条約問題について率直かつ非常に突っ込んだ議論が行われた結果、この問題を解決するとの両首脳自身の真摯な決意が示されました。その上で、両首脳は、北方四島における共同経済活動に関する協議を開始することが、平和条約の締結に向けた重要な一歩になり得るということに関して、相互理解に達しました。
2017年9月の日露首脳会談の結果、早期に取り組む5件のプロジェクト候補*を特定しました。そして、2019年6月の日露首脳会談の結果、両首脳は、パイロット・プロジェクトを実施することで一致し、8月から9月にかけて双方のゴミ処理専門家の往来が行われるとともに、10月から11月にかけて日本人観光客による初めての観光パイロットツアーを実施しました。
その後も、5件のプロジェクト候補を具体化すべく、首脳間、外相間に加え、次官級協議、局長級作業部会等を通じてロシア側と議論を重ねてきています。

*(1)海産物の共同増養殖、(2)温室野菜栽培、(3)島の特性に応じたツアーの開発、(4)風力発電の導入、(5)ゴミの減容対策

4.北方四島を含む日露隣接地域における協力

(1)防災分野における協力:2006年7月及び11月の日露首脳会談において、平和条約締結交渉のための環境整備にも資するものとして、北方四島を含む日露の隣接地域において防災分野の協力を実施していくことの必要性について一致しました。これを受けて、2007年2月のフラトコフ首相訪日の際に、協力の具体的な方向性を示した協力プログラム(「日本国とロシア連邦の隣接地域における地震、火山噴火及び津波の予測、警戒及び対処の分野に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協力プログラム」)が署名されました。この協力プログラムに基づいて、四島交流の枠組みを利用した我が国専門家による北方四島訪問(のべ99名)と四島側専門家の受入れ(のべ30名)が実施されています。

(2)生態系保全分野における協力:2007年5月、10月及び2008年4月の日露外相会談において、平和条約締結交渉のための環境整備にも資するものとして、北方四島を含む日露の隣接地域における生態系の保全及び持続可能な利用に関する協力を進めることで一致しました。これを受けて、2009年5月のプーチン首相訪日の際に、協力の具体的な方向性を示した協力プログラム(「日本国とロシア連邦の隣接地域における生態系の研究、保全並びにその合理的及び持続可能な利用の分野に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協力プログラム」)が署名されました。同プログラムに基づいて、我が国専門家による北方四島への訪問(のべ148名)と四島側専門家の受入れ(のべ64名)が実施されています。また、日露の研究機関の間の協力(共同調査・研究等)が進展しているほか、両国の政府関係者及び研究者の参加により、第3回日露隣接地域生態系保全ワークショップが開催されています。

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