日本の領土をめぐる情勢
北方四島住民支援事業
1.事業の目的と評価
(1)北方四島住民に対し、真に人道的に必要な支援を行うことにより、北方四島住民の我が国に対する信頼感を高め、もって平和条約締結交渉促進に向けた環境整備に資することを目的として、患者受入事業、医師・看護師等研修事業及び北方四島医療支援促進事業の3つの事業を実施してきています。
(2)いずれの事業も四島側から高く評価されていますが、とりわけ患者受入れに関しては、毎年数多くの受入れ希望の患者の要請が寄せられているなど、我が方に対する四島側の期待や信頼は特に大きいものがあります。
2.事業の実施状況
- 患者の受入れ(受入患者数は全てのべ人数)
2003年から2020年までの間に、北方四島から、のべ266名の患者を受け入れています。 - 医師・看護師等研修
2008年度から、四島交流の専門家交流の1つとして、北方四島の医師・看護師等を対象にした医療研修を実施してきており、これまでにのべ50名を受け入れています(2020年末現在)。 - 北方四島医療支援促進事業
2010年度から、患者受入事業や医師・看護師等研修事業をより効果的に実施していくとの観点から、四島に医療専門家を派遣し、各事業のフォローアップとして受入患者や医療関係者との面談を実施するとともに、四島のニーズの把握及び北海道本島の医療機関の受入体制等の調査を目的とする北方四島医療支援促進事業を実施してきています。 - 人道支援物資の供与
2003年度から2007年度まで、千島連盟に対する補助金事業として、毎年度四島住民に対する人道支援物資供与を実施してきました。しかし、2009年8月にロシア外務省から、これまでの支援に対する謝意表明とともに、今後人道支援物資は必要ない旨の通報があったことを受け、2010年度以降は廃止することとしました。