中華人民共和国
日中外相会談



1月28日、中国・北京を訪問中の河野太郎外務大臣は、午前10時から約3時間半にわたり、王毅外交部長との日中外相会談及びワーキングランチを行ったところ、概要は以下のとおり。王部長との日中外相会談は、昨年8月(ASEAN関連外相会議)及び9月(国連総会)以来、3度目。
両外相は、日中平和友好条約締結40周年、中国の「改革・開放」40周年である本年、これまでの日中関係の原点を振り返りながら、全面的な関係改善を進めていくため、建設的な姿勢で対話を行った。
また、日中両国が地域・国際社会の平和と繁栄のため共に責任を果たすことの重要性を確認し、「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」との点を再確認した。
1 ハイレベル往来
両外相は、日中韓サミットの際の李克強総理の訪日、安倍総理の訪中、習近平国家主席の訪日という日中首脳往来を着実に進めていくことの重要性を改めて確認した。河野大臣から、李総理の訪日を歓迎したい旨改めて述べたのに対し、中国側からも早期実現を目指したいとの反応があり、引き続き具体的に調整していくこととなった。
2 経済関係の強化
両外相は、日中両国間のビジネス環境整備や第三国ビジネス展開等について議論した。特に、今般、日中社会保障協定が実質合意に至ったことを共に歓迎し、早期署名に向け努力していくことで一致した。
自由で開かれた貿易体制の重要性を踏まえ、RCEPや日中韓FTAの推進に向けて、共に努力していくことを確認した。
3 国民交流の促進
両外相は、日中平和友好条約締結40周年である本年における日中双方の周年事業を、政府が後押ししていくことで一致した。
河野大臣から、日本政府として、本年においても、昨年に続き、1,000人規模の青少年を日本に招へいする「3つの架け橋」プロジェクト(注)を実施する考えである旨述べ、これに対し、中国側から歓迎の意が表明された。
(注)「3つの架け橋」プロジェクト
日中植林・植樹国際連帯事業により行う「ア 地方間交流、イ 青少年交流、ウ 文化・スポーツ交流」を対日理解促進のテーマとした約1,000人規模の交流。その中で、本年は「大学生、オリンピック・パラリンピック、サッカー」の要素を重点的に盛り込んだ交流を行う予定。
4 東シナ海
河野大臣から、東シナ海は「平和・協力・友好の海」とすべきであり、日中関係の改善を阻害しかねない事態を引き起こすべきではない旨述べ、今月11日に中国海軍の潜水艦及び水上艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域に入域した事案についても改めて再発防止を強く求めた。
防衛当局間の海空連絡メカニズムについて、昨年末の第8回日中高級事務レベル海洋協議の際に前向きな進展が得られたことを踏まえ、引き続き、同メカニズムの早期運用開始に向けて日中双方で努力していくことを再確認した。
また、東シナ海資源開発に関する「2008年合意」を堅持し、同合意の実施の具体的進展を得るよう引き続き共に努力していくことを確認した。
5 北朝鮮
6 邦人拘束事案
河野大臣から改めて問題提起し、前向きな対応を求めた。