ベトナム社会主義共和国
日・ベトナム首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
7日午後7時8分(現地時間)から約20分間,ASEAN関連首脳会議に参加するためラオス・ビエンチャンを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,グエン・スアン・フック・ベトナム社会主義共和国首相(H.E. Mr. Nguyen Xuan Phuc,Prime Minister of the Socialist Republic of Viet Nam)と,日・ベトナム首脳会談を実施したところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭
フック首相から,何度も安倍総理に面会でき嬉しく思う,安倍総理のベトナムに対する思いやりに感謝する旨述べました。また,フック首相は,日ベトナム両国が非常に良好な関係にあることを歓迎する旨述べました。
安倍総理から,本年3度目となるフック首相との会談を嬉しく思うと述べると共に,今週,日越大学が開設することに祝意を伝えました。
2 二国間関係
安倍総理は,昨日(6日),ベトナムの経済改革を後押しするための円借款110億円の交換公文に署名したことに言及し,また,今般,ベトナムの気候変動対策等に円借款2件228億円の供与を決定したことを伝達しました。また,安倍総理は,フック首相からも要請のあった新造巡視船の供与について,ベトナム側の手続きが整えば,早期供与に向け準備を進める旨伝達しました。
これに対し,フック首相から,これまでの日本からのODAと,気候変動対策等に資する円借款の供与決定に謝意が示されると共に,引き続きベトナムに対するODA供与,日本企業による対ベトナム投資の拡大及び地方交流の強化に対して希望が示されました。また,フック首相より,ベトナムの海上法執行機関に対する日本側のこれまでの協力に対し,高い評価と謝意が示されると共に,引き続き同分野及び国防・安全保障分野における協力を強化したい旨希望が示されました。
3 地域・国際場裏の協力
安倍総理は,南シナ海問題は法の支配という原理・原則に従って対応すべきであり,昨年以降の状況を深刻に懸念していることを伝達しました。また,埋立て・軍事拠点構築等の一方的行動が自制されることを前提として対話が行われるべきであることを述べました。また,安倍総理は,北朝鮮の相次ぐ挑発行動に対し,国際社会は断固たる対応をとるべきであり,安保理決議(PDF)の厳格な履行を通じ,圧力を強化すべきである旨述べ,拉致を含む北朝鮮の人権・人道状況に関しても言及しました。
フック首相は,安倍総理の発言に賛同を示すとともに,ベトナムも法の支配,また,国連海洋法条約をはじめとする国際法に基づき,平和的手段によって紛争を解決していく意思を伝達しました。