カンボジア王国

令和2年8月22日

 8月21日(金曜日)から22日(土曜日)にかけて茂木敏充外務大臣は、カンボジアを公式訪問したところ、概要は以下のとおりです。

1 フン・セン首相への表敬及び同首相主催昼食会

フン・セン首相への表敬1
フン・セン首相への表敬2

 22日午前10時45分(現地時間:日本時間同日午後0時45分)から約3時間にわたり、茂木外務大臣は、フン・セン・カンボジア王国首相(Samdech Akka Moha Sena Padei Techo HUN SEN, Prime Minister of the Kingdom of Cambodia)を表敬し、引き続き、同首相主催昼食会に出席しました。

(1)冒頭

 茂木大臣から、新型コロナにより往来が制限される中でのコロナ後最初の海外要人としての訪問受入れに感謝した上で、6年前のプノンペン訪問当時から更に発展が進んだ様子に感銘を受けた旨述べました。フン・セン首相は、新型コロナが世界的に拡大している中で茂木大臣に訪問いただいたことは大変喜ばしく、両国の強固な関係を表すものである旨述べました。

(2)二国間関係

 茂木大臣から、両国間で、感染再拡大の防止と両立する形で、ビジネス上必要な人材等の往来を段階的に再開していくことが重要であり、今般、入国後14日間の自宅等待機は維持しつつ、双方向の長期滞在者の往来を可能とする「レジデンストラック」を9月上旬にも開始したい、またカンボジアからの国費留学生の早期入国を認める旨述べたのに対し、フン・セン首相から賛意及び感謝の意が示されました。また、茂木大臣から、シハヌークビル港や国道5号線の開発は、南部経済回廊の連携性を高め、「自由で開かれたインド太平洋」を促進する重要な事業であるとして、今後もカンボジアの経済発展を力強く後押ししていく旨述べたのに対し、フン・セン首相から日本からの支援に対する謝意と期待が述べられました。
 さらに、茂木大臣から、日本として、若手政治関係者招へいを含め、カンボジアの民主的発展を今後も支援する旨述べました。これに対し、フン・セン首相からは、民主的発展に向けたカンボジア政府の取組を説明するとともに、日本の協力に感謝する旨述べました。

(3)地域・国際場裡の協力

 双方は、「自由で開かれたインド太平洋」と「インド太平洋に関するASEANアウトルック」のシナジー実現に向けた連携や、本年秋のASEAN関連首脳会議及び日メコン首脳会議に向けた協力、南シナ海問題や北朝鮮情勢等について議論し、今後も緊密に連携していくことで一致しました。フン・セン首相からは、カンボジアの取組の説明とともに、拉致問題に係る日本の立場を支持している旨の発言がありました。

2 日・カンボジア外相会談

日・カンボジア外相会談1
日・カンボジア外相会談2

 22日午後3時(現地時間:日本時間同日午後5時)から約1時間、茂木外務大臣は、プラック・ソコン・カンボジア王国副首相兼外務国際協力大臣(H. E. Mr. Prak Sokhonn, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation, Kingdom of Cambodia)と会談しました。

(1)冒頭

 茂木大臣から、新型コロナで国際情勢が大きく変化する中、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化はこれまで以上に重要と述べた上で、そのための二国間協力を更に促進していきたいと述べました。プラック・ソコン外相からは、賛意を示しつつ、両国間の戦略的パートナーシップを一層深化させたいとの発言がありました。

(2)二国間関係

 茂木大臣から、新型コロナの世界的な感染拡大を封じ込めるためには、国際的な連携が重要と述べた上で、日本がカンボジアに対して行っている医療関連機材の供与、技術協力などの支援に言及しました。プラック・ソコン外相からは、日本の協力に謝意を示し、新型コロナとの闘いにおいて両国の連携を一層進める考えが示されました。
 両国間の人的往来再開につき、両外相は、入国後14日間の自宅等待機は維持しつつ、双方向の長期滞在者の往来を可能とする「レジデンストラック」を9月上旬にも開始することを改めて確認しました。また、14日間の自宅等待機期間中も、行動範囲を限定した形でのビジネス活動を可能とする「ビジネストラック」についても、早期の運用開始に向けて、外交ルートでの調整を加速化させることで一致しました。

(3)地域・国際場裡の協力

 両外相は、北朝鮮情勢、南シナ海問題等について意見を交わし、両国の協力を深化させていくことを確認しました。さらに、プノンペンでの次回ASEM首脳会合の成功に向けて引き続き協力していくことで一致しました。


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