報道発表

河野外務大臣とマティス米国国防長官との会談

平成30年6月29日
河野外務大臣とマティス米国国防長官との会談1
河野外務大臣とマティス米国国防長官との会談2

 本29日午後0時35分から約40分間,河野太郎外務大臣は,訪日中のジェームズ・マティス米国国防長官(The Honorable James Mattis, Secretary of Defense of the United States of America)と会談したところ,概要は以下のとおりです。

1 冒頭,河野大臣から,昨年2月以来となるマティス長官の訪日を歓迎するとともに,本年3月のワシントンD.C. 訪問の際のおもてなしに謝意を表した上で,日米同盟の対処力・抑止力の一層の強化に向け,緊密に連携したい旨述べました。これに対し,マティス長官から,日米同盟は優先事項であり,防衛当局が外交当局の取組を支えるべく責務を果たしたい旨述べました。

2 双方は,北朝鮮情勢について意見交換を行い,先般の米朝首脳会談において朝鮮半島の完全な非核化に向けた金正恩委員長の意思を改めて確認したことは,諸懸案の包括的解決に向けた一歩であり,今後のプロセスにおいて日米が常に共にあることを確認しました。
 また,双方は,(1)大規模な米韓合同軍事演習の停止の継続は,全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な廃棄(CVID)実現に向けた北朝鮮の行動次第であること,(2)日米同盟及び米韓同盟,並びにこれらに基づく抑止力は,北東アジア地域における安全保障に不可欠な役割を果たしており,在韓米軍の撤退・縮小は検討されていないこと,(3)同時かつ段階的なアプローチを採らず,CVIDの達成まで安保理決議に従った措置は維持されること,「瀬取り」対策は引き続き重要であることを確認しました。
 さらに,河野大臣から,拉致問題の早期解決のため米国国防省とも協力したい旨述べたのに対し,マティス長官から,米国国防省としても,朝鮮戦争の捕虜及び行方不明者に係る取組を進めており,これらはいずれも人権に関わる問題であり,情報共有をも通じて最大限の協力を行いたい旨述べました。

3 双方は,マティス長官の訪中を踏まえ,中国との関係について意見交換を行いました。双方は,中国は北朝鮮問題を含む地域の平和と安定のために重要な役割を果たしており,中国との建設的な関係を築いていくことが重要であることで一致しました。

4 また,双方は,法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋地域を実現別ウィンドウで開くするため,ビジョンを共有する全ての国と連携を深め,特に,海洋安全保障分野での協力や持続可能な経済開発における協力を進めていくことで一致しました。

5 双方は,東シナ海及び南シナ海における状況について懸念を共有し,引き続き日米で緊密に連携していくことを確認しました。

6 さらに,双方は,中東を含む地域情勢についても意見交換を行いました。

7 双方は,在日米軍の運用能力及び抑止力を維持するため,引き続き,日米共同訓練を引き続き実施するとともに,沖縄を始めとする地元の負担軽減も図るため,在日米軍の再編を着実に進めるとのコミットメントを再確認しました。


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