報道発表
カザフスタン,キルギス,タジキスタン及びトルクメニスタンに対する無償資金協力
「中央アジアにおける総合的なリスク管理能力及び地域協力強化計画」に関する書簡の交換
1 3月7日(現地時間同日),キルギス共和国の首都ビシュケクにおいて,我が方山村嘉宏駐キルギス大使と先方アレクサンダー・アヴァネソフ国連開発計画(UNDP)キルギス事務所常駐代表(H. E. Mr. Alexander AVANESSOV, Resident Representative, United Nations Development Programme in the Kyrgyz Republic)との間で,無償資金協力「中央アジアにおける総合的なリスク管理能力及び地域協力強化計画」(供与額6億1,600万円)に関する書簡の交換が行われました。
2 カザフスタン,キルギス,タジキスタン及びトルクメニスタンを含む中央アジア地域では,地震,洪水,地滑り等の人的・経済的被害をもたらす自然災害が頻発しています。同地域は高山地帯,砂漠,大河川から成ることから,地域開発に影響を与える自然災害リスクが高く,地域内での協力した対応が必要となっています。
3 我が国は,中央アジアの地域協力を促進する観点から,同地域共通の課題であり,各国が優先的に取り組む防災分野での支援を行っています。2015年10月の安倍晋三内閣総理大臣の中央アジア訪問時に,各国との間で署名された共同声明においても,防災を始めとする優先課題についての協力を推進していくことを表明しており,今回の協力はそのフォローアップの一環として行うものです。
4 この計画により,統一的な災害モニタリング・早期警報システムの構築,緊急対応ネットワークの拡張・強化及び防災対策担当省庁職員の能力強化等を行うことで,上記中央アジア地域の防災・災害対応能力の強化及び地域協力の促進が図られ,もって同地域の災害リスクの削減に寄与することが期待されます。
5 さらに,今回の無償資金協力は,我が国の気候変動分野における途上国支援策として実施するものでもあります。我が国は,2015年11月に「美しい星への行動2.0(ACE2.0)」を発表し,2020年に官民合わせて約1兆3,000億円の気候変動対策支援を実施することを表明(PDF)しています。我が国としては,引き続き,カザフスタン,キルギス,タジキスタン及びトルクメニスタンと気候変動分野で連携していきます。
(参考)
カザフスタンは,面積約272万4,900平方キロメートル(日本の約7倍),人口1,790万人(2016年,国連人口基金),人口1人当たり国民総所得(GNI)は11,580ドル(2015年,世界銀行)
キルギスは,面積約19万8,500平方キロメートル(日本の約半分),人口600万人(2016年,国連人口基金),人口1人当たり国民総所得(GNI)は1,170ドル(2015年,世界銀行)
タジキスタンは,面積約14万3,100平方キロメートル(日本の約40%),人口848万人(2015年,世界銀行),人口1人当たり国民総所得(GNI)は1,240ドル(2015年,世界銀行)
トルクメニスタンは,面積約49万8,000平方キロメートル(日本の約1.3倍),人口約540万人(2015年,国連人口基金),人口1人当たり国民総所得(GNI)は7,510ドル(2015年,世界銀行)