カザフスタン共和国

カザフスタン共和国(Republic of Kazakhstan)

基礎データ

平成30年6月13日

  • カザフスタン共和国国旗

一般事情

1 面積

272万4900平方キロメートル(日本の7倍,世界第9位。旧ソ連ではロシアに次ぐ。)

2 人口

1,820万人(2017年:国連人口基金)

3 首都

  • アスタナ
  • Astana:旧アクモラ。1997年12月10日,アルマティより遷都。日本はJICAによる新首都アスタナの建設計画作成支援を実施し,基本設計は故黒川紀章氏が担当した。)

4 民族

カザフ系(67.47%),ロシア系(19.76%),ウズベク系(3.18%),ウクライナ系(1.53%),ウイグル系(1.46%),タタール系(1.11%),ドイツ系(0.99%),その他(4.5%)
(2018年1月1日現在:カザフスタン国民経済省統計委員会)

5 言語

カザフ語が国語。(ロシア語は公用語)

6 宗教

イスラム教(70.2%),ロシア正教(26.3%),仏教(0.1%),無宗教(2.8%),無回答(0.5%)(2009年:カザフスタン国勢調査)

7 略史

年月 略史
14世紀頃まで 現在のカザフ人とほぼ同じ人種的特徴と,カザフ語とよく似た言語が定着
15世紀後半 遊牧ウズベク国家から分離し,キプチャク草原(カザフスタン)に勢力を拡大。カザフ・ハン国の成立
18世紀初 ジュンガルとの戦いの中でカザフ人の一体性の意識が明確化
18世紀初 大ジュズ,中ジュズ,小ジュズの三つの部族連合体に分裂
1730年代 カザフの支配層の一部がロシア皇帝に臣従
18世紀中頃 清朝にも朝貢
1820年代まで ロシア帝国,南部を除くカザフスタンを直接支配下に収める
1837年~1847年 ケネサルの反乱(カザフ人による対ロシア反乱)
1850年~1860年代 カザフスタン南部がロシア帝国に併合,カザフスタン全域がロシアの支配下に(ロシア人農民の大量植民)
1920年 ロシア連邦共和国の一部として「カザフ(キルギス)自治ソビエト社会主義共和国」成立(首都オレンブルグ)
1924年 中央アジアの民族・共和国境界画定により国境線の変更
1925年 首都をオレンブルグからクズィルオルダに移し,国名を「カザフ(カザク)自治ソビエト社会主義共和国」に変更
1929年 首都をアルマティ(アルマ・アタ)に移転
1936年 ソ連邦を構成するカザフ・ソビエト社会主義共和国に昇格
1986年12月1日 アルマ・アタ事件(カザフ人共産党第一書記コナエフ解任に抗議するデモに対し,内務省軍と警察による弾圧)
1990年4月24日 ナザルバエフ大統領就任
1990年10月25日 共和国主権宣言
1991年12月10日 国名を「カザフスタン共和国」に変更
1991年12月16日 共和国独立宣言
1997年12月10日 首都をアルマティよりアスタナ(旧アクモラ)に移転
1999年1月10日 大統領選挙が実施され,ナザルバエフ候補が再選
2005年12月4日 大統領選挙が実施され,ナザルバエフ候補が再選
2011年4月3日 大統領選挙が実施され,ナザルバエフ候補が再選
2015年4月26日 大統領選挙が実施され,ナザルバエフ候補が再選

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

3 議会

  • 二院制
  • (上院:セナート(定員47名,任期6年(3年毎に半数改選)),下院:マジリス(定員107名,任期5年))

4 政府

  • (1)首相 バクィトジャン・サギンタエフ
  • (2)外相 カイラット・アブドラフマノフ

5 内政

  • (1)ソ連邦カザフスタン共和国共産党第一書記・大統領からそのままカザフスタン共和国大統領に就任したナザルバエフ大統領が,強力なリーダーシップを発揮して政治・経済改革をすすめ政権を運営しており,エネルギー資源の輸出による収益などを背景に,政情は安定している。同大統領は2015年4月の大統領選挙でも圧倒的支持率(得票率97.7%:カザフスタン中央選管)で再選を果たした。
  • (2)2007年5月の憲法改正により議会の権限が強化されるとともに,初代大統領に限り三選禁止の適用が除外され,ナザルバエフ政権の長期化の道が開かれた。ナザルバエフ大統領による下院解散を受け,2016年3月に総選挙を実施。前回選挙に引き続き与党「ヌル・オタン」が圧勝したが,野党2政党もそれぞれ7議席を確保した。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)国境を接し,政治・経済面で密接な関係を有するロシアとの良好な関係維持を重視。ロシアを中心とするCIS関連の国際機関(ユーラシア経済同盟,集団安全保障条約機構など)に幅広く参加している。
  • (2)中国との関係も重視しており,上海協力機構(SCO)に創設時(2001年)より加盟。
  • (3)米国,EU,日本とも良好な関係を維持している。
  • (4)アジア信頼醸成措置会議(CICA)を主導するなど独自の国際的イニシアティブも発揮している。2010年にはOSCE(欧州安全保障協力機構)の議長国を務めた。
  • (5)2016年,国連安保理非常任理事国に当選。任期は2017年から2018年。

2 軍事力

(1)総兵力39,000人(陸軍20,000人,海軍3,000人,空軍12,000人,その他4,000人),準兵力31,500人
(ミリタリー・バランス2017)
(2)ロシア軍は国内数か所(バイコヌール,サルイシャガン,エンバ)に少数が駐留している(カザフスタンに配備されていた戦略核兵器はロシアに移送済み)。

経済

(注)かっこ内は出典)

1 主要産業

鉱業,農業,冶金・金属加工

2 GDP

1,608.4億ドル(2017年:IMF推計値)

3 一人当たりGDP

8,841ドル(2017年:IMF推計値)

4 経済(実質GDP)成長率

3.99%(2017年:IMF推計値)

5 物価上昇率

7.4%(2017年:IMF推計値)

6 失業率

5.0%(2017年:IMF推計値)

7 貿易額

(1)輸出
430.65億米ドル
(2)輸入
263.85億米ドル

(2017年:CIS統計委員会)

8 主要貿易品目

(1)輸出
石油,石油製品,金属・金属製品,化学製品,食料品
(2)輸入
機械設備,化学製品,食料品,金属・金属製品,鉱物製品,木材・紙製品,繊維製品

(2017年:カザフスタン国民経済省統計委員会)

9 主要貿易相手国

(1)輸出
イタリア,中国,オランダ,ロシア,スイス
(2)輸入
ロシア,中国,ドイツ,米国,イタリア

(2017年:カザフスタン国民経済省統計委員会)

10 通貨

テンゲ(Tenge:1993年11月15日導入)

11 為替レート

  • 1ドル=328.85テンゲ(2018年5月現在:カザフスタン国立銀行)
  • テンゲ変動相場制への移行は2015年8月20日。

12 経済概況

  • (1)石油,天然ガスなどのエネルギー資源,鉱物資源に恵まれた資源大国。石油埋蔵量は300億バレル(世界の1.8%),天然ガス埋蔵量1.5兆立方メートル(世界の0.8%)(2014年BP統計)。また,レアメタルを含め非鉄金属も多種豊富である(ウランの埋蔵量は世界2位,クロムは世界1位,亜鉛は世界6位(2014年:米日地質調査所))。
  • (2)旧ソ連崩壊後の厳しい経済状況の中,民営化を中心とする経済改革を推進,米国企業が参加するテンギス油田開発の始動などにより,1996年に独立以来初めてプラス成長を記録した。1998年には農業,重工業の低迷及びロシアの金融危機によりマイナス成長(前年比マイナス2.5%)に転じたものの,1999年以降は再びプラス成長に転じ,世界的な石油価格の上昇を追い風に,2000年以降年平均10%という好調な経済成長を維持した。但し,2007年以降は金融危機による世界的な景気の減退とともに経済成長率は鈍化。近年は5%前後の成長率で推移。
  • (3)カスピ海周辺では欧米石油メジャーや日系企業が参画し大規模な油田開発,探鉱を行っている。原油は,ロシア向け,ロシア経由及びコーカサス地域経由での欧州向け,並びに中国向けにそれぞれパイプラインで輸送されている。
  • (4)エネルギー・鉱物・資源開発への外資導入を重視するとともに,イノベーションの推進により持続的発展に向けた産業の多様化を図っているが,産業構造は依然として石油,ガスをはじめとする資源エネルギー分野に大きく偏っている。
  • (5)2014年2月,カザフスタン国立銀行(中央銀行)は,農業や軽工業,加工業等の分野におけるカザフスタンの生産者,輸出業者,輸入代替生産者の競争力の向上を目的として,自国通貨テンゲの約20%切り下げを実施した。2015年8月20日,国立銀行はテンゲの管理変動相場制を撤廃して変動相場制を導入した。

経済協力

1 日本の援助実績

  • (1)有償資金協力 約951.49億円 (2015年度までの累計)
  • (2)無償資金協力 約62.68億円 (2015年度までの累計)
  • (3)技術協力   約141.79億円 (2015年度までの累計)

2 主要援助国

米国,フランス,英国,ノルウェー,ポーランド

DAC諸国のODA実績(過去5年)(支出純額ベース,単位:百万ドル)
暦年 1位 2位 3位 4位 5位 合計
2010年 米国 70.5 ドイツ 13.6 ノルウェー 4.3 フランス 4.1 韓国 3.8 96.3
2011年 米国 21.6 ドイツ 5.9 フランス 3.3 ノルウェー 2.9 英国 2.7 36.4
2012年 米国 22.3 ドイツ 14.0 英国 5.2 フランス 3.3 ノルウェー 2.4 47.2
2013年 米国 29.5 フランス 4.1 英国 2.8 ノルウェー 1.9 ポーランド 1.4 39.7
2014年 米国 30.5 ドイツ 12.9 フランス 4.8 イギリス 2.9 オーストリア 1.2 52.3

(出典:DAC/International Development Statistics

二国間関係

1 政治関係

(1)国家承認日 1991年12月28日
(2)外交関係開設日 1992年1月26日
(3)日本大使館開館 1993年1月20日
2001年1月1日 アスタナ出張駐在官事務所開設
2005年1月1日 大使館をアルマティからアスタナに移転するとともに,アルマティに出張駐在官事務所を開設。
2014年1月1日 在アルマティ出張駐在官事務所閉鎖。
(4)在日カザフスタン大使館開設 1996年2月22日

2 経済関係

(1)日本の対カザフスタン貿易(2017年:財務省貿易統計)

(ア)貿易額
輸出 307.55億円
輸入 1,410.79億円
(イ)主要品目
輸出 自動車,建設用・鉱山用機械,ゴムタイヤ及びチューブ
輸入 合金鉄,原油及び粗油,放射性元素,非鉄金属

(2)日本からの直接投資(2017年(フロー):カザフスタン国民経済省統計委員会)

3.6億ドル

カスピ海のカシャガン油田開発には日本の国際石油開発(INPEX)も参加している。

3 文化関係

(両国間には当初旧ソ連との間で締結,その後カザフスタンとの間で承継した文化協定あり。)

一般及び草の根文化無償資金協力 計12件 計4.17億円(2012年度まで)

最近の事例

一般文化無償資金協力(実施額)
2005年 A. V. セレズニョフ名称アルマティ・バレエ専門学校に対する教育機材供与(48.6百万円)
草の根文化無償資金協力(供与限度額)
2005年 カザフ労働・社会関係アカデミー日本語学習機材整備計画(2,524,237円)

4 在留邦人数

163人(2017年10月現在)

5 在日当該国人数

505人(2017年6月:法務省)

6 要人往来

(1)往(1992年以降)
年月 要人名
1992年5月 渡辺美智雄外務大臣
1992年8月 武村正義衆議院議員
1996年5月 武村正義衆議院議員
1997年7月 対ロシア・中央アジア対話ミッション(団長:小渕恵三衆議院議員)
1997年9月 麻生太郎経済企画庁長官
2000年8月 羽田孜元総理大臣
2002年4月 杉浦正健外務副大臣
2002年7月 シルクロード・エネルギー・ミッション(団長:杉浦外務副大臣)
2003年2月 矢野哲朗外務副大臣
2003年6月 森下博之議員,齋藤勁議員(欧州安全保障協力機構(OSCE)議員会議)
森喜朗元総理大臣
2003年9月 羽田孜元総理大臣
2004年5月 橋本龍太郎元総理大臣(アジア太平洋環境開発フォーラム)
2004年8月 川口順子外務大臣(中央アジア歴訪)
2006年1月 町村信孝元外務大臣(大統領就任式特派大使)
2006年8月 小泉純一郎総理大臣(日本国総理大臣として初の訪問)
2007年4月 甘利明経済産業大臣
2007年5月 中川昭一自民党政調会長,河村建夫議員,小坂憲次議員
2007年6月 平沢勝栄内閣府副大臣(アジア防災会議)
2008年5月 山本香苗経済産業大臣政務官
2010年8月 岡田克也外務大臣
2010年11月 伴野豊外務副大臣(OSCE首脳会合出席)
2011年5月 鳩山由紀夫元総理大臣(アスタナ経済フォーラム出席)
2012年5月 枝野幸男経済産業大臣
2012年9月 浜田和幸外務大臣政務官(アジア信頼醸成措置会議(CICA)第4回外相会合出席)
2012年10月-11月 近藤洋介経済産業副大臣
2013年7月 佐藤ゆかり経済産業大臣政務官
2014年8月 茂木敏充経済産業大臣
2015年4月 薗浦健太郎外務大臣政務官
2015年10月 安倍晋三総理大臣
2016年8月 滝沢求外務大臣政務官
2017年7月 衆議院カザフスタン訪問議員団(河村建夫・日カザフスタン友好議員連盟会長他)
2017年7月 世耕弘成経済産業大臣
2017年7月 小林鷹之防衛大臣政務官
2017年8月 中根一幸外務副大臣
2017年8月 平木大作経済産業大臣政務官
2017年9月 武藤容治経済産業副大臣
2017年9月 西銘恒三郎経済産業副大臣
(2)来(1992年以降)
年月 要人名
1992年10月 スレイメノフ外相(旧ソ連支援東京会議)
1994年4月 ナザルバエフ大統領(公式実務訪問)
1994年6月 ウルクンバエフ経済相(第1回日本・カザフスタン経済合同会議)
1996年10月 カジェゲルディン首相(カザフスタン支援国会合及び第3回日本・カザフスタン経済合同会議)
1997年5月 シュケーエフ経済貿易相(アジア開発銀行年次総会(福岡))
1998年3月 ウテムバエフ戦略計画改革庁大臣(民間招待)
1998年10月 ブルキトバエフ運輸通信相(カザフ投資セミナー)
1998年12月 ウテムバエフ戦略計画改革庁大臣(民間招待)
1999年9月 トカエフ副首相兼外相(セミパラチンスク支援東京国際会議)
1999年12月 ナザルバエフ大統領(第5回日本・カザフスタン経済合同会議)
2000年6月 バイゲルディ上院副議長(故小渕前総理大臣合同葬参列)
2000年12月 クリケエフ経済相(ADBI招待)
2002年1月 アブセイトフ外務次官(アフガン復興会議出席)
2002年12月 トカエフ国務長官兼外相(外務省賓客)
2005年6月 アフメトフ首相(博覧会賓客)
2006年6月 アブドラフマノフ政府特使(外務次官)(「中央アジア+日本」第2回外相会合)
2006年11月 アビカエフ上院議長
2006年12月 ムハメジャノフ下院議長
2007年12月 イェシモフ農業相(第1回アジア・太平洋水サミット)
オラズバコフ産業貿易相
2008年6月 ナザルバエフ大統領(公式実務訪問)(タジン外相,シコリニク産業貿易相,アフメトフ運輸通信相同行)
2008年12月 クルムハメド文化情報相
2009年8月 サウダバエフ国務長官(第21回国連軍縮会議参加)
2010年3月 サウダバエフ国務長官兼外相(外務省賓客)
2011年7月 オルィンバエフ副首相
2012年10月 オルィンバエフ副首相(IMF世銀年次総会出席)
2012年11月 イドリソフ外相(「中央アジア+日本」対話・第4回外相会合)
2013年2月 イセケシェフ副首相兼産業新技術相
2013年4月 マミ上院議長
2015年8月 アブディカリコヴァ国務長官
2016年4月 イシムバエヴァ下院副議長
2016年11月 ナザルバエフ大統領(公式実務訪問賓客)(イドリソフ外相,ボズムバエフエネルギー相,カスィムベク投資発展相同行)
2018年5月 アバエフ情報通信相

7 二国間条約・取極

1994年4月
日ソ間で結んだ条約の承継を確認。
1995年3月
カザフスタン政府が日本国政府に対して日ソ租税条約の適用を終了させる意思を通告。(これにより同条約は翌96年1月1日以後に開始する各課税年度の所得について失効。)
2004年8月
日・カザフスタン技術協力協定署名(2005年6月発効)。
2008年12月
日・カザフスタン租税条約署名。
2009年12月
同条約 発効
2010年3月
日・カザフスタン原子力協定署名。
2011年5月
同協定 発効
2014年10月
日・カザフスタン投資協定署名。
2015年10月
同協定 発効
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