報道発表
岸田外務大臣とアウン・サン・スー・チー・ミャンマー国家最高顧問との会談


本3日午前9時45分から約40分間,岸田文雄外務大臣は,ミャンマー連邦共和国のアウン・サン・スー・チー・ミャンマー国家最高顧問(H.E.Ms.Aung San Suu Kyi, State Counsellor, the Republic of the Union of Myanmar)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭発言
冒頭,岸田大臣から,国家最高顧問としての初めての訪日を心より歓迎する,かつて滞在していた京都をこれから訪問され,大学でも講演されると承知している,充実した訪日となることを期待する旨述べました。昨日は,安倍総理大臣との間で,率直で素晴らしい会談が行われたと感じている,私としても,本年7月以来の4か月ぶりの再会を嬉しく思う,ミャンマーは民主化,基本的人権,法の支配という価値を共有する大切なパートナーであり,日本として官民挙げてしっかりと支援していく旨述べました。
これに対し,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問から,訪日できて嬉しく思う,日本にはミャンマーの新政権のことを良く理解して頂いており,今後も友人として様々なことに共に取り組みたいと述べました。
2 二国間関係等
(1)岸田大臣から以下を述べました。
(ア)メコン及びインドとの地域連結性の向上に関し,メコン地域の連結性強化に関する日本の支援について,具体的プロジェクトの協議を進めていきたい,ミャンマーにとって,法の支配や民主主義を尊重するインドとの連結性を強めることは,経済面のみならず戦略面から重要である旨述べました。
(イ)ラカイン州の問題について,先月,国境警備隊への襲撃があったが,いかなる暴力も許されるべきではない,ラカイン州における平和と安定に向けた努力を歓迎する,コミュニティ間の緊張緩和に向けたミャンマーの取組を支えるため,先の避難民への食糧支援や中古客船2隻に加え,新造旅客船1隻を供与したい旨述べました。
(2)これに対し,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問から,ミャンマーとインドは従来友好国であり,連結性を強化していきたい旨,ラカイン州の問題は非常にデリケートであり対応には注意を要する,ミャンマー政府は法の支配の原則に基づいてラカイン州の問題に対応している,日本からの船の供与は,ラカイン州の人々の交通手段としてのみならず,同州の発展に資する旨を述べました。
3 地域・国際場裏の課題
(1)岸田大臣から,ミャンマーとは,共通の価値を共有するパートナーとして,「法の支配」を強化する観点からも,南シナ海や核,ミサイル,拉致といった北朝鮮問題などの地域の諸課題で連携していきたい,5月のミャンマー訪問時に私からもお願いした包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准決定を歓迎したい,条約の早期発効と普遍化に向け共に取り組んでいきたい,来年ミャンマーが外相会合の議長を務めるASEMの成功に向け協力したい旨述べました。
(2)これに対し,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問から,ミャンマー政府は,国際情勢や地域の課題について平和的な解決を望んでいる等述べました。