ミャンマー連邦共和国

安倍総理大臣とアウン・サン・スー・チー・ミャンマー国家最高顧問との会談等

平成28年11月2日

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1 二国間会談

 本2日,午後6時過ぎから約70分間,安倍晋三内閣総理大臣は,公式実務訪問賓客として訪日中のアウン・サン・スー・チー・ミャンマー連邦共和国国家最高顧問(H.E. Ms. Aung San Suu Kyi, State Counsellor of the Republic of the Union of Myanmar)と会談を実施したところ,概要は以下のとおりです。会談には,岸田文雄外務大臣,萩生田光一内閣官房副長官,笹川陽平ミャンマー国民和解担当日本政府代表,谷内正太郎国家安全保障局長他が同席しました。

(1)冒頭,安倍総理大臣から,訪日を歓迎する,9月にラオスの東アジア・サミットでお会いして以来,2か月ぶりの再会を嬉しく思う,2013年以来,3年ぶりの訪日を心から歓迎する旨述べました。自由,民主主義,人権,法の支配と言った基本的価値を我々と共有するアウン・サン・スー・チー国家最高顧問の下での国造りに敬意を表する,日本は,ミャンマーの友人として,官民挙げて新政権を全力で支援していく,今般の訪日を契機に,貴国家最高顧問と手を携えて両国関係を飛躍的に発展させたい旨述べました。
 これに対して,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問から,歓待して頂き感謝する,日ミャンマー関係は良好であるが,この歴史的に良好な関係を維持させたい,日本は古くからの友人として信頼できるパートナーであり,共に歩むことが出来る。これまでの平和と安定を含む日本からの支援,そして日本国民からの暖かい応援にお礼申し上げる旨述べました。

(2)続いて安倍総理大臣から,新政権下で,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問が示されている卓越した指導力を高く評価している,緊急事態法の廃止など民主化・基本的人権の尊重のための諸政策,21世紀ピンロン会議の成功に示される和平進展,新投資法の制定を含む経済発展のための基盤整備を歓迎しており,日本として新政権を全面支援していく旨述べました。また,安倍総理大臣から,ミャンマーは基本的価値を共有するパートナーであり,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問の取組を力強くサポートするとの観点から,次の5点を強調しました。

(ア)国民和解
 安倍総理大臣から,ミャンマー政権の最優先課題である国民和解に関し,今後とも笹川政府代表と手を携えてアウン・サン・スー・チー顧問を支えていく,多様性はミャンマーの特質で,これを力に変えていく取組を歓迎している,和平進展を支えるため,少数民族地域へ5年間で400億円の支援を行う,複雑な課題を抱えるラカイン州の平和と安定に資する支援も行っていく旨述べました。

(イ)経済協力
 安倍総理大臣から,国民和解を経済面から支えるため,州・地域間のバランスある開発を進めるとの方針を全面的に支持する旨述べ,「日本・ミャンマー協力プログラム(PDF)別ウィンドウで開くプロジェクトリスト(PDF)別ウィンドウで開く」は地方と都市の均衡ある発展を目的としており,日本は,少数民族地域支援,農業,ヤンゴン都市開発,電力,空港,人材育成を含め,官民合わせて今年度から5年間で8千億円規模の貢献を行う,その一環として,水力発電所の改修や地方病院の拡充を支援したい旨述べました。

(ウ)民間投資促進
 安倍総理大臣から,経済政策を成功させる鍵は,民間投資を通じた雇用拡大と人材育成であり,ミャンマー政府との官民対話を通じ,投資促進のための制度整備に貢献していく,日本は,国民生活に資する「責任ある投資」の促進を約束する,その象徴として,ティラワ経済特区の国際基準に則った開発を一層推進する旨述べました。

(エ)人的交流・人材育成
 安倍総理大臣から,将来を担う若い世代の交流と技術の移転は重要であり,今般,青年海外協力隊を派遣する方向で合意できたことを歓迎する旨,また,来年度より,日本でのインターン機会も提供する新たな高度人材育成・環流事業である「イノべーティブ・アジア」事業も開始する旨述べました。また,今後,年間1,000人規模の交流・人材育成を行い,国づくりを支えていきたい旨述べました。

(オ)民主体制下の国軍の在り方
 安倍総理大臣から,新しい民主体制下における国軍の役割は重要で,戦後の自衛隊の活動が参考になると思う,国軍と自衛隊は緊密な関係を築いており,防衛省教育機関への留学生受入れや将官級交流,災害対応等への能力構築支援など,防衛協力・交流を継続・拡大していきたい旨述べました。

(3)これに対して,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問から,以下の発言がありました。

(ア)安倍総理のご発言については,我々の目標と合致する。特に安定と和平のための支援については,笹川政府代表及び友人の皆様に支えて頂き感謝する。日本からの400億円の支援を最大限活用させて頂きたい。ラカイン州の問題については,法の支配の枠内で解決できるよう努力していく。ラカイン州の問題はラカイン州が発展することで解決できるとの声があり,ミャンマー政府としても努力していく。

(イ)都市と地方の均衡ある発展にも安倍総理から言及頂いたように,ヤンゴン都市開発・交通や電力不足への対応のほか,農村開発とそれに伴う技術移転も特に重視している。日本からのシードバンクの支援は効果的で感謝している。国の発展のため,重視している政策は,雇用創出,交通網の整備,エネルギー,人材育成等である。

(ウ)安倍総理から指摘のあった民間投資の重要性については自分も意を同じくする。新投資法に制定により外国投資を呼び込んでいきたい。ティラワ経済特区が日本の貢献により大きく進展していることを歓迎。さらなる成功のため我々としても取り組んでいく。

(エ)人材育成については,様々な分野で協力できると思うので,是非よろしくお願いしたい。今回青年海外協力隊について合意できたので,若者の交流を拡大できると信じている。人的交流の一環として,日本からの観光客にも多く来て欲しい。

(オ)防衛交流については,民主体制下における国軍への協力を歓迎する。

(4)地域・国際場裡の課題
 安倍総理大臣から,自分は,アジアとアフリカという「2つの大陸」とインド洋と太平洋という「2つの海」の交わりが地域の安定と繁栄の鍵とする「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱している,ミャンマーにとって,メコン地域内の連結性に加え,民主主義国インドとの連結性の強化は,経済のみならず地域の平和と安定や法の支配にとって重要ではないかと考えている旨述べました。また,来年はASEAN設立50周年の節目の年であり,我が国はASEANの中心性,一体性を引き続き支援していく,北朝鮮問題に関し,拉致問題は自分にとって最重要課題であり理解と支援を得たい。また,北朝鮮の核,ミサイル問題や南シナ海問題等についても,ミャンマー政府と引き続き連携していきたい旨述べました。
 これに対して,アウン・サン・スー・チー国家最高顧問から,ミャンマーとインドとの関係,南シナ海及び北朝鮮の問題について発言がありました。

2 署名式・共同記者発表・安倍総理大臣主催夕食会

(1)署名式
 安倍総理大臣及びアウン・サン・スー・チー国家最高顧問立ち会いの下,ミャンマーとの間の青年海外協力隊派遣取極への署名が行われました。(先方署名者:チョウ・ウィン計画・財務大臣,当方署名者:樋口建史駐ミャンマー大使)

(2)共同記者発表及び安倍総理大臣主催夕食会
 文書交換式後,安倍総理大臣とアウン・サン・スー・チー国家最高顧問は,共同記者発表を行いました。

 その後,安倍総理大臣主催の晩餐会が,ミャンマーにゆかりのある関係者を招待し約70名で開催され,大変和やかな雰囲気の中,両国関係の一層の強化に関して幅広い話題に会話が及びました。


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