報道発表

コンゴ民主共和国における黄熱の流行に対する国際緊急援助隊・感染症対策チームの帰国

平成28年8月8日

1 コンゴ民主共和国における黄熱の流行に対し,同国政府からの要請を受けて7月20日に派遣された国際緊急援助隊・感染症対策チームは,現地での任務を8月5日に終了し,8月7日に帰国しました。

2 感染症対策チームは,現地においてコンゴ民主共和国政府や世界保健機関(WHO)等国際機関等との協力の下,同国保健省幹部への助言,検査診断のための技術支援,ワクチン接種キャンペーンの準備支援等を実施しました。
 とりわけ,同国唯一の検査診断機関である国立生物医学研究所(INRB)の検査施設(ラボ)が同チームの支援により再稼働し,未検査のまま残留していた検体の検査が7月中に完了したことは顕著な成果といえます。

3 同チームの支援に対しては,コンゴ民主共和国から累次に渡り謝意が表明されています。

(参考1)
 2015年12月以降,アンゴラ,コンゴ民主共和国,ウガンダ等において黄熱が流行。コンゴ民主共和国においては,2016年3月以降,首都のあるキンシャサ特別州を含む5州において,感染が拡大。世界保健機関(WHO)は,5月19日,アンゴラとコンゴ民主共和国における都市型黄熱の流行は,公衆衛生上の深刻な事態であると発表。6月2日,関係機関と共に,包括的な「戦略的対応計画(Strategic Response Plan)」を発表。この中で,ワクチン接種,早期診断・管理,感染拡大の防止,早期に研究に取り組むべき必要性に言及。6月20日,同国政府より黄熱流行宣言が発出され,ドナーに支援を要請。WHOの報告書(7月28日時点)では,コンゴ民主共和国においては1,907件の疑い症例(うち95死亡例)が確認されている。

(参考2)
 国際緊急援助隊・感染症対策チームは,外務省員,感染症専門家,JICA職員等で構成される。

(参考3)
 感染症対策チームの派遣による人的貢献に加え,7月29日,アンゴラ及びコンゴ民主共和国における黄熱流行に対応するための支援として,我が国は350万ドルの緊急無償資金協力の実施を決定

(1)供与額

350万ドル(コンゴ民主共和国に対し305万ドル,アンゴラに対し95万ドル)注)国際移住機関(IOM)への支援は両国共に下記金額を計上。

(2)供与先

世界保健機関(WHO) 250万ドル
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC) 50万ドル
国際移住機関(IOM) 50万ドル

(3)支援内容

WHOワクチン接種キャンペーンに必要な器具の供与(コンゴ(民)のみ)及び検査診断等の技術協力
IFRC黄熱流行拡大を防止するための地域住民に対する予防啓発活動等
IOM流行拡大を防止するためのコンゴ民主共和国及びアンゴラ間の国境管理能力強化

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