報道発表
日・スロバキア外相会談


本25日,午後2時30分から午後3時10分まで約40分間,東京において,岸田文雄外務大臣は,ミロスラフ・ライチャーク・スロバキア共和国副首相兼外務・欧州問題大臣(H.E.Mr. Miroslav Lajcak, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign and European Affairs of the Slovak Republic)と外相会談を実施しました。概要は以下のとおりです。
1 冒頭発言
冒頭,岸田大臣から,11月5日に,ルクセンブルクにおいて第6回「V4+日本」外相会合を実施したことに触れ,在京大使を務められたライチャーク大臣と,同会合に続きお会いでき嬉しく思う,基本的価値を共有するパートナーであり,来年後半に初のEU議長国を務めるスロバキアと,二国間協力のみならず,日EU関係についても協力していきたい旨述べました。ライチャーク大臣からは,温かい接遇に感謝の意が表された上,大臣としての訪日は3回目であるが,訪日する度に,二国間関係を更に深めることができるとの強い思いを抱く旨述べ,更なる協力への期待が表明されました。
また,両大臣は,日・スロバキア間のワーキング・ホリデー制度の導入に大筋で一致したことを歓迎し,明年の適切なタイミングでの運用開始をともに目指すことを確認しました。両大臣は,同制度により,両国間の若者の交流が更に促進されることに期待を表明しました。
2 テロとの闘い
岸田大臣から,パリで発生した同時テロ事件を受け,同事件は我々が共有する価値に対する挑戦であり,国際社会が一致団結し断固非難すべき旨述べました。また,岸田大臣から,日本もテロの根底にある暴力的過激主義等の課題の解決へ向け,国際社会で責任を果たしていく旨述べました。
ライチャーク大臣からは,テロに対しては国際社会が一致団結し,断固として闘っていかなければならない旨述べました。
3 二国間関係,国際場裡における協力
岸田大臣から,近年の要人の相互訪問に触れつつ,ハイレベル交流を継続させることにより,両国間の対話を更に活発化させたい旨述べました。
ライチャーク大臣は,日本の積極的平和主義を支持し,平和安全法制成立(PDF)に対する歓迎の意が示されました。
また,経済関係については,岸田大臣から,スロバキアには約50社の日系企業が進出し合計1万人以上の雇用を創出していることを指摘し,日系企業がスロバキア経済に更に貢献することを期待する旨述べました。この関連で,スロバキアに対しては,道路等のインフラ整備,滞在許可手続きの円滑化等,投資環境の一層の改善を要請しました。
両大臣は,「V4+日本」協力についても意見交換し,11月5日に実施した第6回「V4+日本」外相会合を高く評価するとともに,ODAや科学技術分野等で具体的成果が見られる「V4+日本」の枠組みを今後とも活用していくことで一致しました。
このほか,両大臣は,国連安保理改革等についても意見交換を行い,ライチャーク大臣からは,日本の非常任理事国選出に対する祝意が表されるとともに,日本の常任理事国入りに対する支持が改めて表明されました。
(注)日・スロバキア・ワーキング・ホリデー制度
参加者として有効な査証を所持する相手国の国民に対し,入国の日から一年間の滞在を許可し,かつ,休暇の付随的な活動として旅行資金を補うために就労許可なしに就労することを認めるための法的な枠組みを構築するもの。
(注)V4
チェコ,ポーランド,スロバキア及びハンガリーによる地域協力の枠組み。1991年にハンガリーのヴィシェグラードで創設された。日本とは,外相,高級事務レベルの対話に加えて,経済・投資促進,開発協力,気候変動,省エネルギー,東方パートナーシップ等の分野において「V4+日本」協力が進められている。