「V4+日本」対話・協力
第2回「V4+日本」首脳会合

安倍総理大臣(写真提供:内閣広報室)

(写真提供:内閣広報室)
現地時間10月18日(木曜日)16時35分から約50分間,第12回アジア欧州会合(ASEM)首脳会合出席のためベルギーを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,第2回「V4+日本」首脳会合に出席したところ,概要は以下のとおりです(V4側から,ペレグリニ・スロバキア首相(V4議長国),バビシュ・チェコ首相,モラヴィエツキ・ポーランド首相及びオルバーン・ハンガリー首相が出席)。
- 「V4+日本」首脳会合
(写真提供:内閣広報室) - 「V4+日本」首脳会合
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1 冒頭
V4議長国であるスロバキアのペレグリニ首相から,安倍総理の自民党総裁選での再選の祝いが述べられた後,同首相は,前回(2013年)の「V4+日本」首脳会合以降,国際的・地域的課題が発生している中,人権,民主主義等普遍的価値を共有する我々の協力を拡大させていきたい旨述べました。
2 「V4+日本」協力の成果と展望
(1)安倍総理とV4各国首脳は,5年ぶりの首脳会談開催を歓迎し,普遍的価値を共有するパートナーとして,今後も「V4+日本」枠組みの下での協力を強化していきたいとの意向を表明しました。
(2)安倍総理より,「V4+日本」協力の柱である科学技術分野について,科学技術振興機構(JST)の支援で日本の大学とV4の研究機関の共同研究が成功裏に実施されたこと,またこのニーズと成功を踏まえ,新たな共同プロジェクト公募の可能性を検討していく旨述べました。また,V4各国首脳は日本の「西バルカン協力イニシアティブ」を評価するとともに,双方は共に協力するボスニア・ヘルツェゴビナの小学校支援が進展していることを歓迎しました。
(3)今後の展望として,安倍総理より政治対話の継続,観光・人的交流の拡大,防災,環境といった分野での協力の議論を進めていきたい旨述べました。
(4)これに対し,V4各国首脳より,V4側としても,科学技術,西バルカンにおける経済協力等の分野で協力を拡大させたい旨の発言がありました。
3 日EU関係
安倍総理とV4各国首脳は,7月に署名された日EU・経済連携協定(EPA)の早期発効に向けて協力していくことを確認しました。また,安倍総理から英国のEU離脱についてノーディールを避けた交渉妥結を強く期待する旨述べ,EU離脱後も,英国とEUが国際社会の諸課題に積極的に対処していくことを期待する旨述べました。
4 国際的な課題
(1)安倍総理とV4各国首脳は,北朝鮮情勢に関して,朝鮮半島の非核化に向け,国連安保理決議の完全な履行が必要との認識を共有しました。安倍総理からは,拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を呼びかけ,V4側からの理解を得ました。
(2)また,安倍総理は,アジアと欧州の安全保障の相互連関を指摘し,自由で開かれたインド太平洋の実現に向けてV4諸国を始めとする欧州諸国との協力を呼びかけました。
(3)安倍総理とV4各国首脳は,ウクライナの主権と領土一体性を尊重し,ミンスク合意に基づく問題解決を支持していくことを確認しました。
(4)安倍総理は,安保理改革について,ハイレベルが関心を持ち,モメンタムを高めることが重要であり,引き続きV4と緊密な協力を行っていきたい旨発言し,V4側は日本の取り組みを支持する旨述べました。
(注)V4:チェコ,ハンガリー,ポーランド及びスロバキアによる地域協力の枠組み。1991年にハンガリーのヴィシェグラードで創設された。首脳,外相,高級実務レベルの対話に加えて,科学技術,第三国支援,防災,環境,などの幅広い分野で「V4+日本」の協力が進められている。