安倍総理大臣

平成25年6月17日
記念撮影の様子 (写真提供:内閣広報室)
首脳会合の様子 (写真提供:内閣広報室)
共同記者発表の様子 (写真提供:内閣広報室)

 6月16日(日曜日)、ワルシャワを訪問した安倍総理は、午後1時25分から約70分、初となる「V4+日本」首脳会合を行ったところ、概要は以下のとおりです(V4側より、トゥスク・ポーランド首相(議長国)、ネチャス・チェコ首相、オルバーン・ハンガリー首相及びフィツォ・スロバキア首相が出席)。

 本会合終了後、会合の内容を総括する共同声明(英語(PDF)別ウィンドウで開く日本語(PDF)別ウィンドウで開く骨子(PDF)別ウィンドウで開く)が発出されました。

 

1.冒頭

 安倍総理から、「V4+日本」協力10周年という記念すべき年に、民主主義、自由、法の支配といった基本的価値を共有する5か国の首脳が初めて一堂に集えたことを嬉しく思う旨述べるとともに、欧州全体の成長を牽引しているV4と、協力を進めていきたい旨述べました。これに対し、V4からも、今後も「V4+日本」枠組みを強化していきたい意向が示されました。

 

2.普遍的価値により結ばれたパートナー

(1)安倍総理とV4各国首相は、改めて、民主主義や法の支配といった普遍的価値の重要性を確認するとともに、その認識に基づき、東欧や西バルカンにおいて民主主義に基づくより良い統治、安定、更には経済統合を進めていくこと等に向けて連携していくことを確認しました。

(2)V4各国首相は、日本のODAが民主化・市場経済化に果たす役割を評価し、安倍総理から、援助協調を進めるべく、ODAセミナーの開催及び我が方大使館での援助協調担当官の指名を提案し、V4から、これを歓迎し、援助協調を進めたいとの意欲が示されました。

(3)安倍総理から、本年11月に行われる東方パートナーシップ首脳会合には、我が国からハイレベルが参加する意図を伝達し、V4側は、日本の積極的な外交を歓迎しました。

 

3.安全保障

(1)安倍総理とV4各国首相は、東アジアと欧州の安全保障の相互連関を再確認の上、国連海洋法条約などの国際法に基づく海洋の秩序の維持という基本的な考え方を確認しました。また、東アジアの安全保障環境に照らし、この地域に対する武器・汎用品・技術の輸出管理を効果的に行っていく重要性を確認しました。

(2)V4各国首相は、日本がグローバルな外交を展開する一環として、日本とNATOの協力関係の進展を歓迎しました。

(3)安倍総理とV4各国首相は、北朝鮮に関して、核・ミサイル分野で関連決議等の完全実施を求めることで一致しました。安倍総理からは、拉致問題の早期解決の意欲を述べ、V4側からこれを支持する旨の発言がありました。

(4)安倍総理とV4各国首相は、安全保障分野での協力をさらに進めるべきであるとの認識で一致し、近く安全保障セミナーを開催することで合意しました。

 

4.経済関係

(1)V4各国首相から、V4に多くの日系企業が進出し、多くの雇用を創出していることに対し謝意表明があり、安倍総理からは、日V4間の更なる経済関係拡大の潜在力を指摘しました。

(2)安倍総理とV4各国首脳は、現在交渉中の日EU・経済連携協定(EPA)の早期妥結に向け協力していくことを確認しました。また、7月にスロバキアにてナノテクノロジーなど先端素材をテーマとするワークショップを開催できることを歓迎しました。

(3)V4各国首脳は、エネルギーについて、我が国の高い技術力に対し高い関心を示し、今後協力の方途を探っていくことになりました。

(4)V4はEU諸国の中では相対的に高い経済成長を維持しており、安倍総理とV4各国首相は、アベノミクスを進める日本との間でともに経済成長を進めるべく協力していくことで一致しました。また、安倍総理からは、日本におけるアベノミクスの取組、これから参加するG8の概要を説明し、G8に臨むにあたっては国際経済の持続的、安定的な発展に向けて、また、課税回避の対応について議長国である英国に協力して知恵を出していきたい旨紹介しました。

 

5.「V4+日本」交流年2014>

(1)安倍総理とV4各国首相は、2014年を「V4+日本」交流年とし、更なる交流促進に向け、親善大使を任命することに合意しました。安倍総理からは、V4諸国がショパンを始めとするクラシック音楽で多くの方々を魅了して止まないという点に着目し、日本側は女優でピアニストでもある松下奈緒氏を任命する意向を表明しました。

(2)安倍総理のクールジャパン戦略につき、V4各国首相はこれを賞賛しました。

 

6.今後の予定

 安倍総理とV4各国首相は、会合後発出された共同声明「21世紀に向けた共通の価値に基づくパートナーシップ」の各項目をフォローアップするため、11月のASEM外相会合の際に、「V4+日本」外相会合を実施するよう調整していくことに合意しました。さらに、安倍総理は、次期V4議長国ハンガリーのオルバーン首相を今年度中に訪日招待する意向を表明しました。

 

(注)V4:チェコ、ハンガリー、ポーランド及びスロバキアによる地域協力の枠組み。1991年にハンガリーのヴィシェグラードで創設された。日本とは、外相、高級事務レベルの対話に加えて、経済・投資促進、開発協力、気候変動、省エネルギー、東方パートナーシップ等の分野において「V4+日本」協力が進められている。


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