国連外交
国連が取り組む地球規模課題
ポスト2015年開発アジェンダ(ポストMDGs)
ポスト2015年開発アジェンダとは,ミレニアム開発目標(MDGs)(注)の達成期限である2015年より後に国際社会が達成すべき国際開発目標です。日本は人間の安全保障の理念に立脚し,効果的な枠組みが策定されるよう,国際社会の議論を主導していきます。
(注)MDGsとは, 2015年までに国際社会が貧困削減や保健・教育等の開発分野において達成すべき,国連ミレニアムサミットで定められた共通の目標です。
人間の安全保障
人間の安全保障とは,生存・生活・尊厳に対する脅威から人々を守り,各人の持つ豊かな可能性を実現するために保護と能力強化を通じて持続可能な個人の自立と社会作りを促す考え方です。この概念は国連開発計画(UNDP)の人間開発報告書(1994)において初めて取り上げられ,国際社会でも地球規模課題に取り組む上での重要な概念として認識されています。
日本は国際協調の理念として人間の安全保障を掲げ,本概念に関する国連総会公式討論開催を主導するなど,概念の普及に積極的に取り組んでいます。
人道支援
人道支援とは,人道主義に基づき人命救助,苦痛の軽減及び人間の尊厳の維持,保護のために行われる支援であり,緊急事態への対応だけでなく,災害予防,救援,復旧・復興支援等も含まれています。日本は,「人間の安全保障」を外交政策の柱の一つに掲げる国として,国連人道問題調整事務所(UNOCHA)等様々な国連機関との連携し,人道支援を適切かつ積極的に行っています。
保健・医療
保健・医療課題は従来からの課題である,感染症,母子保健政策等に加え,生活習慣病及び高齢化対策なども含まれ,世界共通の課題です。
日本はミレニアム開発目標達成やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)推進のために多くの知見をいかして,国際保健外交戦略及び国際保健政策2011-2015のもと,国内外の様々な関係者と協力しながら,保健・医療課題への取り組みを進めています。
地球環境・気候変動
気候変動対策や化学物質・廃棄物の適正な管理,生物多様性の保全を含む地球環境問題は人類の生存に対する重要な課題です。
日本は,「人間環境宣言」及び「環境国際行動計画」の実施機関である国連環境計画(UNEP)と連携した活動を含め,地球環境問題に取り組んでいます。
防災
自然災害により,長年の開発努力,あるいはまちづくりの努力が一瞬で水泡に帰してしまいます。
日本は,過去の災害を教訓としながら,災害に負けない強靱な社会の構築や,開発と国際協力における防災の主流化を進め,世界の防災戦略を策定する国連防災世界会議を日本(仙台)で開催するなど積極的に取り組んでいます。