欧州
城内外務副大臣のドイツ及びスペイン訪問(結果)
平成26年11月13日
11月5日(水曜日)から11日(火曜日)(いずれも現地時間)まで,城内実外務副大臣は,ドイツ及びスペインを訪問し,日独フォーラム第23回合同会議,第17回日本・スペイン・シンポジウム,第157回ベルゲドルフ・ラウンドテーブル及び第4回ベルリン外交フォーラムに出席するとともに,ゴリツィン国際海洋法裁判所所長及び政府要人等と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
- 1 日独フォーラム第23回合同会議出席(於:ベルリン)
- 2 第17回日本・スペイン・シンポジウム出席(於:サンタンデール)
- 3 城内外務副大臣とゴリツィン国際海洋法裁判所所長との会談(於:ハンブルク)
- 4 第157回ベルゲドルフ・ラウンドテーブル出席(於:ハンブルク)
- 5 第4回ベルリン外交フォーラム出席(於:ベルリン)
- 6 独要人との会談等
1 日独フォーラム第23回合同会議出席(於:ベルリン)
- (1)5日,城内副大臣は,ドイツのベルリンにおいて,日独フォーラム第23回合同会議に出席し,「日独両国における政治経済とエネルギー問題の動向」について基調報告を行いました。
- (2)5日から6日まで開催された同フォーラムには,日本側座長である茂木友三郎キッコーマン名誉会長,独側座長であるベルンハルト・ショイブレ・ベルリン日独センター評議会議長のほか,城内副大臣,フォルカー・カウダー独連邦議会キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU・CSU)会派院内総務をはじめとする両国各界の有識者が出席し,日独の社会・経済及び国際情勢について,闊達な意見交換が行われました。
- (3)また,城内副大臣を含む同フォーラム参加者は,メルケル首相を表敬訪問し,日独フォーラムが両国の関係強化と相互理解の増進に果たす役割等について意見交換を行いました。双方は,最近の日独関係の緊密化について認識を共有した上で,共通の課題と価値観を有している友人として,様々な分野について率直に話し合うことが重要であることにつき一致しました。メルケル首相からは,来年の訪日を楽しみにしている旨言及がありました。
- (参考)日独フォーラム
「日独フォーラム」は,1992年4月のボンにおける宮澤喜一内閣総理大臣(当時)及びヘルムート・コール首相(当時)との日独首脳会談において,両国の関係強化と相互理解の増進を目的とし,両国各界有識者がその時々の国際社会における重要案件に関する討議を行う場として創設することが合意された賢人会議であり,今年で第23回目を数える。
2 第17回日本・スペイン・シンポジウム出席(於:サンタンデール)
- (1)6日,城内副大臣は,スペインのサンタンデールで開催された第17回日本・スペイン・シンポジウムに出席しました。城内副大臣は,開会式での冒頭挨拶において,日本スペイン交流400周年の昨年から今年にかけハイレベルの交流が実現するなど,盛り上がった両国交流の気運を背景にこのシンポジウムが開催されたこと,スマートシティや将来の関係強化のための方策について議論することは有意義であることを述べました。また,スペインは,その文化が魅力的であるのみならず,経済力や高い技術を有しており,日本にとっての国際社会における良きパートナーとして,政治・安全保障,観光・文化分野,中南米地域における協力,経済関係といった分野を柱に,具体的な協力を積み重ねて行きたい旨述べました。
- (2)また,同日,シンポジウム出席のサエンス・デ・サンタマリア副首相及びデ・ベニート外務・協力省外交長官とそれぞれ会談を行い,交流年を機会に活性化した二国間関係のモメンタムの維持に努めること,我が国が来年の国連安保理非常任理事国に当選した際には,今年の選挙で当選したスペインと国連の場でも協力していくことを確認しました。
3 城内外務副大臣とゴリツィン国際海洋法裁判所所長との会談(於:ハンブルク)
- (1)7日,城内副大臣は,ドイツのハンブルクにある国際海洋法裁判所(ITLOS)にて,ウラジーミル・ゴリツィン所長(Vladimir Vladimirovich Golitsyn, The President of the International Tribunal for the Law of the Sea)と会談しました。
- (2)城内副大臣から,本年10月1日のゴリツィン所長の就任に祝意を述べるとともに,海における「法の支配」を重視する我が国としてITLOSの活動に対する支持を継続する,ゴリツィン所長のリーダーシップの下,ITLOSの更なる発展を期待する旨述べました。
- (3)これに対し,ゴリツィン所長から,日本政府のITLOSに対する支持に謝意が表明されるとともに,ITLOSの最近の実績によって,国際社会におけるITLOSの役割と重要性の認識がますます高まってきていることは励みとなる旨述べました。
- (参考)国際海洋法裁判所(ITLOS:International Tribunal for the Law of the Sea)
ITLOSは,国連海洋法条約に基づき,1996年にドイツ・ハンブルクに設立。今年10月1日,ゴリツィン裁判官(ロシア国籍)が同裁判所長に就任した(前任は,柳井俊二裁判官)。ITLOSには,これまでに22件の事案が付託され,判決12件と暫定措置命令8件及び勧告的意見1件が発出された。
4 第157回ベルゲドルフ・ラウンドテーブル出席(於:ハンブルク)
- (1)城内副大臣は,7日から9日にかけてドイツのハンブルクにおいて開催された第157回ベルゲドルフ・ラウンドテーブルに出席しました。
- (2)ベルゲドルフ・ラウンドテーブルは,ドイツ・ケルバー財団が主催する国際フォーラムであり,ハイレベルかつ少人数の出席者がクローズド(非公開)で率直な意見交換を行う点に特徴があります。今次フォーラムの開会式には,議長を務めるヴァイツゼッカー元独大統領やシュタインマイヤー独外相が出席したほか,フォーラム本会合には日本,ドイツ,米国,中国,韓国,インド,イギリス,フランス等の政府関係者や有識者が出席し,「アジアの世紀におけるグローバルな貿易大国の責任」をテーマに,幅広い議論が行われました。
- (3)城内副大臣は,「ルールに基づく国際秩序の擁護(Defending a Rules-based International Order)」と題するセッションにおける冒頭スピーカーを務め,我が国として,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から,欧州と連携しつつ,「法の支配」に基づく国際秩序の維持・強化に取り組む旨ドイツ語で発言を行い,出席者から高い評価を得ました。
- (4)この他にも,「パワーの衰勢」,「新しい世界秩序に向けて」といったセッションが行われ,出席者の間で様々な議論が交わされました。
5 第4回ベルリン外交フォーラム出席(於:ベルリン)
- (1)10日及び11日,城内副大臣は,ドイツのベルリンにて開催された第4回ベルリン外交フォーラムに出席しました。
- (2)ベルリン外交フォーラムは,ドイツ・ケルバー財団が主催し,世界各国から,閣僚級を含むハイレベルが多数参加する大規模なフォーラムです。今次フォーラムには,シュタインマイヤー独外相やモゲリーニ欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表,さらには日本,ドイツ,米国,フィリピン,ロシア,中国等の政府関係者や有識者が出席し,ドイツの外交政策,アジアの安全保障環境,中東情勢,ウクライナ情勢等といった諸課題につき議論がなされました。
- (3)城内副大臣は,「アジアにおける戦争は現実的なシナリオか」と題するパネルディスカッションにパネリストとして登壇し,アジアの安全保障環境や日本の取り組み等に関して説明を行いました。議論はアジア情勢全般に及び,他のパネリスト,モデレーター,フロアの参加者等からの質問に対しても,英語にて適宜適切に応答し,充実した議論に貢献し,出席者等から高い評価を得ました。
- (4)この他にも,「ドイツ及び欧州の外交政策のレビュー」,「混乱する中東」,「東欧の地政学的挑戦」といったセッションが行われ,様々な議論がなされました。
6 独要人との会談等
- (1)7日,城内副大臣は,ドイツのハンブルクで開催されたシュルツ・ハンブルク市長主催の夕食会において,シュタインマイヤー外相と会談し,グローバルな課題における日独協力や地域情勢等について意見交換を行いました。
- (2)10日,城内副大臣は,ベルリンにおいて,マルクス・エーデラー外務次官及びトーマス・ジルバーホルン経済協力開発省政務次官と,11日にはミヒャエル・ロート外務省国務大臣と会談し,来年のメルケル首相訪日を含む日独関係全般のほか,ウクライナや東アジアをはじめとした地域情勢等について幅広く意見交換を行いました。
- (3)その他,連邦議会議員との交流を深めるため,ヨハン・ヴァーデプール連邦議会議員(CDU),アンドレアス・ショッケンホフ連邦議会議員(CDU),マティアス・バルトケ連邦議会議員(社会民主党(SPD)),ハインツ・リーゼンフーバー連邦議会議員(CDU)及びニールス・アンネン連邦議会議員(SPD)と主に二国間関係等について意見交換を行いました。