報道発表
城内外務副大臣とゴリツィン国際海洋法裁判所所長との会談
本月8日(現地時間11月7日),城内実外務副大臣は,ドイツのハンブルクにある国際海洋法裁判所(ITLOS)にて,ウラジーミル・ゴリツィン所長(Vladimir Vladimirovich Golitsyn, The President of the International Tribunal for the Law of the Sea)と会談したところ,概要は次のとおりです。
1 城内副大臣から,本年10月1日のゴリツィン所長の就任に祝意を述べるとともに,海における「法の支配」を重視する我が国としてITLOSの活動に対する支持を継続する,ゴリツィン所長のリーダーシップの下,ITLOSの更なる発展を期待する旨述べました。
2 これに対し,ゴリツィン所長から,日本政府のITLOSに対する支持に謝意が表明されるとともに,ITLOSの最近の実績によって,国際社会におけるITLOSの役割と重要性の認識がますます高まってきていることは励みとなる旨述べました。
(参考)国際海洋法裁判所(ITLOS:International Tribunal for the Law of the Sea)
1 ITLOSは,国連海洋法条約に基づき,1996年にドイツ・ハンブルクに設立。今年10月1日,ゴリツィン裁判官(ロシア国籍)が同裁判所長に就任した(前任は,柳井俊二裁判官)。ITLOSには,これまでに22件の事案が付託され,判決12件と暫定措置命令8件及び勧告的意見1件が発出された。
2 我が国は,ITLOS分担金の最大拠出国であり,2014年予算における我が国分担額は,約154万ユーロ(約1.97億円。全体予算の約14.6%)。また,1996年のITLOS設立以降,一貫して裁判官を輩出している(山本草二元裁判官(任期:1996年~2005年),柳井俊二裁判官(任期:2005年~2014年,2014年~2023年。2011年10月から本年9月末までがITLOS所長)。)。
3 我が国が当事者となったITLOS付託事件としては,日本の調査漁獲をめぐる豪州及びニュージーランドとの間の紛争が付託された「みなみまぐろ」事件(ともに1999年),並びにロシアによる日本漁船の釈放を求めた「第88豊進丸」事件及び「第53富丸」事件(ともに2007年)がある。