経済協力開発機構(OECD)

平成30年4月16日
(写真1)安倍総理大臣表敬 安倍総理大臣表敬
(写真提供:内閣広報室)
(写真2)河野外務大臣との会談 河野外務大臣との会談

 グリアOECD事務総長は,4月11日(水曜日)から13日(金曜日)までの日程で訪日したところ,概要及び評価は以下のとおりです。

1 概要・主要日程

(1)概要

  • ア 今次訪日は,毎年4月のグリアOECD事務総長による定例の訪日。
  • イ 安倍総理,河野外務大臣のほか多くの閣僚等との会談・表敬を実施。
  • ウ 「OECD-経団連-BIAC-日本経済研究センター共催セミナー」,「質の高いインフラの推進に関するセミナー」等に出席し,冒頭挨拶・基調講演等を実施。
  • エ 「対日政策提言集(Better Policies Series)」を公表し,記者会見を実施。
  • オ 東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)・OECD議連とERIA・OECD事務総長の懇談会に出席。

(2)主要日程

  • ア 4月12日(木曜日)
  • イ 4月13日(金曜日)
    • 「厚労省主催第3回閣僚級世界患者安全サミット」(注2)における特別挨拶
    • 国際基督教大学(ICU)及びOECD間におけるインターシップ協定署名式
    • 「対日政策提言集(Better Policies Series)」の公表及び記者会見(テーマ:「高齢化社会における包摂的な成長の促進」)
    • ERIA・OECD議連とERIA・OECD事務総長の懇談会
    • 麻生副総理兼財務大臣との会談
    • 茂木内閣府特命担当大臣(経済財政政策)との会談
    • 黒田日本銀行総裁との会談
    • 中川環境大臣との会談
    • 野田総務大臣との会談
    • 世耕経済産業大臣との会談
    • グリアOECD事務総長主催レセプション
  • (注1)OECD-経団連-BIAC(OECD経済産業諮問委員会)-日本経済研究センター共催セミナー デジタルエコノミー時代の政策を考える
     デジタル化がもたらす利益を最大化する上での課題,企業にとっての障壁やその克服に向けた方策,貿易投資を例としたデジタルエコノミー時代のグローバルなルール作りのあり方につき議論。
  • (注2)厚生労働省主催閣僚級世界患者安全サミット
     世界の指導者に患者安全の重要性を伝える目的で,これまで2回開催(2016年に第1回(英),2017年に第2回(独))。第3回となる2018年会議については,特に低・中所得国における患者安全や医療の質という問題に対する関心を高め,世界的な患者安全の取組の底上げをはかるべく,また患者安全にかかる情報発信の場を,従来の欧州から他地域(アジア等)に多様化する観点なども踏まえ,厚労省主催で本邦開催。

2 評価

 全体として,以下の成果があり,OECDとの協力関係の強化を通じた日本の経済外交にとって大きな進展があった。

  • (1)安倍総理表敬,河野外務大臣のほか多くの閣僚等との会談において,主に以下の成果があった。
    • ア 保護主義的な動きが拡大する中で,多角的貿易体制の維持・強化の重要性を再確認。特に,グリア事務総長から,TPP11署名等に言及しつつ,日本の自由貿易の旗手としての取組・リーダーシップを評価。
    • イ 日本が議長国を務める2019年G20に向けて協力していくことで一致。
    • ウ 質の高いインフラ,過剰生産能力問題への対応,デジタル経済,租税等,日本のOECDにおける優先分野において,グリア事務総長から協力の表明があった。
    • エ 東南アジアの将来的なOECD加盟の重要性を再確認。また,3月に東京で開催された東南アジア地域プログラム(SEARP)閣僚会合の成果に触れつつ,SEARPに引き続きコミットしていくことで一致。
  • (2)質の高いインフラの推進に関するセミナーをOECD開発センターと共催し,質の高いインフラの「国際スタンダード」の普及に向けて協力を進めていくことで一致。
  • (3)「対日政策提言集(Better Policies Series)」が公表され,「高齢化社会における包摂的な成長の促進」に向けて,アベノミクスの改革を後押しする政策提言等が示された。また,グリア事務総長による記者会見及び各種セミナーに出席することで,OECDの活動のビジビリティ向上に貢献。
  • (4)ERIA創設10周年を記念し,ERIA・OECD議連とERIA・OECD事務総長の懇談会が開催され,OECD議連,ERIA議連,OECD及びERIAの協力関係が一層強化された。

経済協力開発機構(OECD)へ戻る